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恋人に浮気され親友に裏切られ両親に見捨てられた俺は、学校のマドンナに救われた  作者: 夜空 叶ト


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第33話 避けられない対談

 一体いまさらなんだっていうのか。

 あの人たちはもう俺たちの保護者でも何でもない。

 いわば他人だ。

 そんな人がどうして今更俺たちに関わろうとしてくるのか意味が分からない。


「空、大丈夫?」


「うん」


「無理はしちゃだめよ? 辛いなら辛いしんどいならしんどいって言っていいんだからね?」


「ありがと」


 本当に天音さんは優しいな~

 この優しさに甘えていいのかはあんまりわかんないけど。


「それで詳細を聞かせてもらってもいいかな?」


 あの人たちが会いたがっているのは《《俺》》なのか《《美空》》なのか。

 そこら辺をしっかりとさせる必要はあるだろう。

 まあ、予想はついているが。


「そこは詳しく聞いていないの。そもそもこの話は私が直接聞いた話ではなく後藤さんから聞いた話だからそこまではわからないわ。ごめんなさい」


「いやいや、天音さんが謝ることじゃないから」


 もし天音さんにあの人たちが直接話をしに行っていたなら本当に軽蔑する。

 後藤さんにも迷惑をかけちゃったし今度謝りに行かないとな。


「後藤さんに詳しく話を聞いてもらうように言っておくわね」


「ありがとう」


 返答なんてわかりきっているしその答えにさして興味もない。

 だが、たとえどのような返答であっても俺はあの人たちと会うつもりはない。

 もちろん美空と会わせるつもりも俺にはない。


「とりあえずは後藤さんが話を聞いてきてくれるまでは私たちにできることは無いわね」


「だね。何から何まで本当にありがとう」


「いえ、未成年代理人を立てることを提案したのは私だしそれに対して起こった問題に対する責任を負うのは私の義務なのだから気にしないでいいのよ」


「そういうわけにはいかない。今まで受けた恩も含めていつか絶対に返すよ」


 大きすぎる恩だ。

 返せるかどうかすらもわからないけど絶対に返したいと思う。


「それ、前にも聞いた気がするわ」


「そうだったかな?」


「そうよ。前にも言った通り期待しないで待っておくわね」


「そうしてくれ」


 期待されないほうが心は楽になるんだけど期待されてないと思うとそれはそれで寂しくなるのは俺の心の弱いところなんだろうな。

 それにしてもあの人たちは今更何の用があるっていうんだろうか。

 わからない。

 でも、不愉快でることは確かだった。


 ◇


「お兄あの話本当なの?」


「あの話って?」


「だから、お母さんたちが会いたがってるって話だよ」


 まあ、そりゃあ天音さんは美空にも話すよな。


「ああ。らしいな。俺も天音さんから聞いた。先に言っておくけど俺はよっぽどのことが無い限り会うつもりはない」


「だよね。私もあんまり会いたくないんだよね」


「まあ、大抵のことが無い限りは何とかできるだろうしとりあえずは会わないっていう方向性でいいか?」


「うん。それでお願い」


 美空も会いたくないようなので安心した。

 とりあえずは会わない方向性で行きたいけどもしあの二人がなにかをしてくるようなら会うしかないのだろう。

 はぁ、本当に鬱陶しい。


 ◇


「それで後藤さんはなんていってた?」


「えっと、とりあえず二人と会いたいって言っていたらしいわ。その後に二人は会いたがっていないということを伝えても会いたい会いたいの一点張りで聞く耳を持たなかったらしいわ」


 あれだけのことをしておいて会いたいと言えるなんて厚顔無恥にもほどがある。

 自分の親ながら本当に恥ずかしい。


「会うしかないのかな」


「わからないわね。でも、後藤さんの話によると凄くしつこかったらしいわよ。会うまであきらめないとも言っていたらしいわ」


 なんでそんなことが言えるのか。

 きっと考えても無駄だ。

 俺とは全く違う思考の持ち主なのだろう。

 これ以上二人に迷惑をかけるわけにはいかないし会うしかないんだろうな。


「わかった。次の土曜日に会うことにするよ。そう後藤さんに伝えてもらってもいい?」


「わかったわ。美空ちゃんはどうする?」


「いや、俺だけでいいよ。会いたくないって言ってたし」


「待ってよお兄!!」


 俺と天音さんが話していると途端に扉が開いて美空が入ってきた。


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