最終話 最愛の人たちに囲まれて
「一年間お疲れ様!」
「お疲れ様っす!」
「お疲れ様~」
「お疲れ様」
「ふふっ若い子は元気でいいわね~」
「まあ、たまにはこういうノリもいいじゃないか。この年になってこんなに元気な子たちと絡むことなんてないだろうからね」
今日は12月31日正真正銘の年末である。
そんな年末は久遠さんとセツナさんがこの家に遊びに来てくれている。
「久遠さん、お兄がいつもお世話になっています!」
「しっかりした子だね。美空さん、であってるかな?」
「はい! お兄の妹の柳 美空って言います!」
「ふふっ元気で可愛いお嬢さんね。私は天音セツナ。よろしくね美空さん」
美空は久遠さんたちと仲睦まじそうに話していた。仲良くできていそうで安心する。まあ、久遠さんとセツナさんと険悪な感じになるほうが難しいと思うが。
「空先輩は補習順調ですか?」
「うん。毎日いってるしね。このままいけば無事に卒業できると思うよ。まあ、その前に大学受験があるんだけどね」
「空は受験勉強頑張ってるから大丈夫よ。私と一緒の大学に行きましょうね」
「それはもちろん」
永遠と一緒のキャンパスライフが送りたいのでそこで手を抜くつもりはない。
絶対に一緒の大学に合格するし一緒に結婚して式を挙げる!
「はいはいごちそうさまで~す。お二人とも久遠さんとセツナさんがいるのによくそんなにいちゃつけますよね~どんな心臓してんだか私にはわかんないっす」
「はっはっは。七海君そういってやるな。若い二人が仲よくしてるのは良いことじゃないか」
「それはそうっすけど一緒に住んでるのに常にこんな空気を漂わされたらたまったもんじゃないですよ」
「……それは確かに。お兄とお姉はちょっと自覚してもいいかもね」
2人にジト目を向けられてしまう。
そんなにいちゃついてた自覚は無いんだけど周囲から見たらそう映っていたのかもしれない。
「以後気を付けます」
「私も気をつけます」
流石にこうも真正面から言われたら反省せざるを得ない。美空の苦言はしっかりと受け止めてこれからの俺たちの生活に生かしていこうと思う。
具体的には七海や美空がいる前ではあまりいちゃつかないようにするとか。
「はっはっは。空君も永遠も美空さんには弱いと見える。いや~なんだかこういう空気はいいね。和気あいあいとしていて」
「そうですね。こんなに賑やかな食卓は久しぶりかもしれませんね。これを見れたら安心して永遠を任せることができます」
「だな。我儘なところもあるし少し嫉妬深いところもある娘だがこれからもよろしく頼むぞ空君」
「お任せください。自分はそんな永遠が大好きなので自分の全人全霊で幸せにして見せます」
どんなに嫉妬深くても重くても我儘でも俺はそんな永遠が大好きなのだ。今更永遠以外の女の子なんて考えられない。考えたくもない。
俺は彼女を絶対に幸せにする。
それがあの時彼女に救われた俺ができる恩返しだと思うから。いや、恩返しなんて抜きに俺はそうしたいんだ。そうしないといけないんだ。
人生何があるかわかったもんじゃない。一時は死にたくなるくらいの絶望を味わった。誰も信用できなくなるくらいにどん底に叩き落とされた。
それでも、俺はこうして生きているし最愛の人たちに囲まれて生活することができている。
「永遠大好きだよ。本当に俺を見つけてくれてありがとう」
「私も空が大好きよ。あの時あの公園にいてくれて本当にありがとう」
だから俺はこの手の中にある幸せを掴んで離さないようにしようと誓うのだ。
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