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恋人に浮気され親友に裏切られ両親に見捨てられた俺は、学校のマドンナに救われた  作者: 夜空 叶ト


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第161話 様子のおかしい瑠奈

「俺はずっと後悔してたんだ。瑠奈がああなってしまったのは俺が原因なんじゃないかって」


「…………え?」


 瑠奈が精神病院に入ってからずっと考えていた。もともとあの子はあんなことをする人間ではなかったように思う。優しくて気遣いができて笑顔が素敵な女の子だったと思う。だから彼女を変えてしまったのは俺のせいではないかとずっと思い悩んでいたのだ。


「浮気されたことも俺に魅力が無かったのが悪いとも思っている。それに俺と付き合ってしまったことで彼女を悪い方向に変えてしまったのではないかとずっと考えてたんだ」


「そんなことあるわけないじゃない! 空は何もしてないんでしょ? 浮気なんてする人が悪いし堀井さんはあなたに冤罪を着せたじゃない。そんな相手を庇う必要なんて……」


「いや、庇ってるわけじゃないんだ。俺だって冤罪を着せられたことは腹立たしく思ってるし永遠を傷つけたことに関しては許せないと思ってる。だから話してけじめをつけたいんだよ」


 俺のせいで変えてしまったのではと思っているのは本当だ。それでも許せないことはあるし俺のせいで多少変わってしまったとしても行動を起こしたのは瑠奈だ。その責任まで俺が背負おうだなんて考えていない。


「……空らしいって言えば空らしいわよね。つまりあなたは堀井さんがああなってしまったことに多少の責任を感じているという事よね」


「まあ、そうなるな」


 結果的にあいつには最低なことをされたけど幼少期に仲良くしてもらったことまで消えるなんてことは無い。だから中途半端な別れ方じゃなくてしっかり向き合って決別したい。この意志だけは変わらない。


「全く、あなたは考え過ぎなのよ。そういう所も好きなのだけど」


「おいおい、父親の前でそんなこと言わんでくれ。運転できなくなってしまう」


 久遠さんが複雑そうな声色でそういっていた。言われてる俺も恥ずかしいです。


 ◇


「到着だ。ここから先は私のガード二人を同行させるからこの二人からあまり離れないように」


 車を降りると大柄な男性二人が待っていた。真っ黒なスーツに身を包んでいてまさにボディーガードといった風貌だった。

 こんなに立派なボディーガードがついていてくれるのなら安心だ。


「わかりました」


 頷いて久遠さんの後に続く。手続きなどは事前に済んでいるらしくすんなりと通される。今の瑠奈がどんな状況かわからないけど面会が許されるということはある程度安定はしているのだろう。


「ここだ。私は部屋の外で待っているから話してくるといい。この二人は一緒に入室してもらうが危険な状況にならない限り介入することは無いから好きに話すといい」


 久遠さんそう言われて覚悟を決めて病室の中に入る。


「……そ、ら?」


「ああ、久しぶりだな。瑠奈」


 病室に入ってまず目に入ったのはベッドに横たわっている瑠奈だった。

 最後に見たときみたいな狂気を孕んだ目ではなく少し虚ろな目をしていた。


「なんで、そらがここに?」


「ちょっと話したくてな」


 永遠に目配せをしてボディーガードの人たちの後ろに隠れてもらう。

 何もないとは思うけど何かあったときのために念のためだ。

 この病室に凶器は絶対に持ち込めないから俺が襲われても抵抗できると踏んでの行動だ。


「そら、ごめんなさい。わたしあなたに酷いことを……」


 俺の顔を見た途端瑠奈は泣き出しそうな顔で俺に謝り始めた。その表情からは嘘とかは微塵も感じなかった。どう見ても本心から謝っているように見える。


「いや、まあ、うん。謝罪は受け入れるよ」


「本当にごめんなさい。浮気したこともあなたに冤罪を着せたことも天音さんを襲ったことも空を傷つけたことも本当にごめんなさい」


 泣きながら瑠奈は俺に頭を下げ続けていた。


「いや、ま、うん。そんなに謝るな……ってのも変だよな」


 前の瑠奈を見ているから少しはやばい感じなのかとも思ったけどこんなに謝られるなんて思っていなかったから拍子抜けといった感じだ。


「……どういうことなの?」


 永遠もこの状況に困惑しているらしく口をパクパクさせていた。


「私、そらにずっと酷いことして苦しめて。冤罪のこともそうだし他のことも本当にごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」


「瑠奈、そんなに謝らないでくれ」


 さっきからずっと泣きながら頭を下げられてさすがにばつが悪くなる。

 俺にしがみついて謝り続ける瑠奈の頭を撫でて落ち着かせる。

 後で永遠から怒られそうだけどさすがにこんな状態の瑠奈を放っておくことはできなかった。

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