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恋人に浮気され親友に裏切られ両親に見捨てられた俺は、学校のマドンナに救われた  作者: 夜空 叶ト


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第153話 終業式パーティー

 今日は12月20日終業式の日だ。今日でやっと二学期が終わるし今日から年始までは地獄のような補習が無い。まあ、受験が近いから勉強は進めないといけないけど多少はゆっくりできるはずだ。


「んじゃ柳君また来年ね~」


「ああ。また来年」


 文化祭で少し話すようになった委員長にそう告げて永遠と二人で学校を後にする。今日でしばらく休めるって言うのは少しありがたい。

 最近は疲れが溜まっていた気がするから。


「今日でやっと今年の学校が終わったわね。長かった」


「俺は半年くらいしか通ってないからそんな長かったとは思わなかったな」


「空は入院してたからね。そう感じても仕方ないわよ」


「それもそっか。じゃあ、今日は帰って学校お疲れ様パーティーだな!」


「そうね。少し前からみんなで計画してたから準備はばっちりよ!」


 少し前からみんなで終業式の日は家でパーティーをしようという話になっていたから今日はいっぱい楽しむことにしよう! そんで24日には例の件があるので頑張らねばなるまい。


 ◇


「おかえりお兄! それとお姉!」


「ただいま美空。早かったな」


「ただいま美空ちゃん」


「あれ? 七海ちゃんは?」


「七海なら学校で少し用事があるって言ってたから少し遅れるらしい」


 告白を振って以降も七海は普段と変わらずに接してくれている。俺もできるだけ普段と変わらないように接している。用事がなにかは聞いてないけど何かあったらすぐに呼ぶようには言ってあるから大丈夫だろう。

 少し前から学校の警備体制も見直されてるしそうそう虐めは起きないだろう。


「そっか~じゃあ私たちの方で準備は進めとこうか! 楽しみだな~」


「そうね。料理は私と美空ちゃんがするから空は他の所をお願いね」


「了解だ。ちゃっちゃとやろう!」


 永遠と美空が料理を作ってくれて俺は部屋の飾りつけなどを担当する。パーティーというだけあって雰囲気は大切にしたい。そのため部屋をある程度飾りつけするのだ。


「美空~これってここでいいのか?」


「うん! そこらへんで大丈夫だよ~ありがとねお兄」


 飾りつけに関しても俺にはあまりセンスが無いから時々美空と永遠に助言をもらいながらやってる。ちょっとだけ遠近感覚が掴みにくいって言うのが難点ではあるが。


「ただいまっす~ありゃもう始まってるっすか?」


「今準備中だ。できるなら飾りつけの方手伝ってもらってもいいか?」


「了解っす~部屋に荷物置いて着替えたら手伝うっすね!」


「ありがと」


 これで全員揃って後は飾りつけと料理が完成すれば終業式パーティーが始まる。飾りつけまでしてのパーティーはしたことが無いのでかなりうきうきしている。

 この一年でいろんなものを失ったけど失ったもの以上に得たものが多い一年だったと思う。


 ◇


「それじゃあ終業式を祝して乾杯!」


「「「乾杯!」」」


 ジュースの入ったグラスをカチンとぶつける。いよいよパーティーが始まった。

 テーブルの上には美空と永遠が作った料理が並んでいてどれもおいしそうなものばかりだった。結構手間がかかっていそうなものもあり二人が頑張ってくれたことが伝わってくる。


「やっと一年が終わったっすね~思いかえしてみれば結構大変だったっす」


「そうね。今年は特に密度の濃い一年だった気がするわ」


「そうですね。私とお兄なんて住む家が変わっちゃってますから。それも二回」


「確かにな。永遠と会ってからもう少しで丸一年か。あっという間だったな」


 俺の場合は半年間入院してたって言うのもあるんだろうけどさ。


「本当にあっという間だわ。空はこの一年楽しかったかしら?」


「当たり前だ。こんなにいい人たちに囲まれてパーティーができる時点で恵まれてるに決まってる。だから俺はこの一年がいい一年だったと胸を張って言える」


「私も! 七海ちゃんっていう友達もできたしお姉と知り合えたからね! 文句なしの一年だったかな!」


「そうっすね。今まで友達がろくにいなかった私が三人も気が許せる友人ができたんですから文句ないっす!」


 各々いい一年だったようで安心した。俺の一番の幸運は永遠と出会った事だと思うけどそれ以外にも七海と友達になれたこととかいろんな幸運で俺は今この場にいるんだと思う。


「私もみんなと同意見ね。空や美空ちゃん。七海さんとも出会えたし文句が無いわね」


 永遠も満足そうに言う。その満面の笑みを見て俺は安心する。ここまで濁りのない永遠の笑みは久しぶりに見た気がするから。

 少し前から、というか俺が退院してから永遠は俺に負い目を感じているような顔をすることがあったけど今はそれがない。

 そのことに少しだけ安心する。


「本当にいい一年だった」


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