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恋人に浮気され親友に裏切られ両親に見捨てられた俺は、学校のマドンナに救われた  作者: 夜空 叶ト


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第132話 美空、食べ過ぎじゃない???

「お待たせ」


「永遠。全然待ってないよ」


 教室を出てから数分で永遠がやってきた。

 その間に数組話しかけてきたので店のことを宣伝していたらあっという間だった。


「なんだかデートみたいね?」


「デートでしょ。文化祭デート。俺の服装は少しおかしいけど」


 今でも執事服を着ている自分の姿を見ながら苦笑する。

 永遠と美空が選んでくれた執事服。

 実は結構気に入っていたりする。


「おかしくないわよ。すっごく似合ってるから。実を言うと私もあんまり空にその格好で歩き回ってほしくなかったのよ?」


「なんで?」


「空が私に言ったのと同じ理由よ。大多数の目にあなたのその格好を晒したくなかったの。でも宣伝も必要だと思って我慢してるだけよ」


「そっか。気が使えなくてごめん」


「良いのよ。それにあの時私の恰好を他の誰かに見られたくないって言ってくれたの嬉しかったから」


「ならよかったよ」


 あれはまごうことなき本心だ。

 自分でも独身欲が強すぎるかと思ったけどあの格好を俺以外の男に積極的に見せたいとは思ってなかった。

 勿論文化祭の企画である以上は多少仕方ないと割り切っているけど文化祭の仕事が終わっているのなら他の男に見せてやる義理もない。

 さっきみたいなやつらに絡まれても厄介だし。


「どこから回る? いろいろやってるみたいだけど」


「う~ん。そろそろお昼だし何か食べ物系を見に行ってみるのはどうだろう?」


「いいね! そうしましょうか」


「……ん? そういえば美空ってどうしたんだ? あいつ店には来てなかったよな?」


「そういえば……何かあったのかしら?」


 忙しくて忘れてたけど七海は来たけど美空は来ていなかった。

 来るといっていたから何かあったのか心配になってしまう。

 何もないと良いのだが。


「とりあえずメッセージだけ送っとくよって、メッセージ来てたわ」


「なんて来てたの?」


「……迷ったらしい」


「迷った? それはこの学校に来る道中で?」


「いや、中で」


「「…………」」


 そう言えば俺美空に自分のクラスの出し物は言ったけどクラスが何組なのかは言ってなかった気がする。

 しかも、仕事中はスマホの通知全部切ってたから気づかなかった。


「とりあえずどうしようか」


「合流してあげましょうか。私たちは明日もあるわけだしデートは明日たくさんしましょう」


「すまん」


「空が謝ることじゃないでしょ。それにたまにはみんなで遊んだほうが面白いでしょうし」


 気を使ってくれている永遠に感謝しながら俺は美空に現在地を送った。

 ついでに七海も誘ってみたらすぐ来るということになったので今日はこの四人で文化祭を楽しむ運びとなった。


 ◇


「お兄! ここのチョコバナナおいしそうだよ!」


「……お前どんだけ食べるんだよ」


「さすがに食べ過ぎじゃないかしら?」


「そうっすよ? 美空さんこの30分でどんだけ食べたんすか?」


「え!? 普通じゃない」


 絶対に普通じゃない。

 さっきお昼だからってみんなで頼んだたこ焼きとか焼きそば。

 デザートにクレープでそれなりに俺たちはお腹がいっぱいになったのに美空はそれ以降もいろんなものを食べ続けていた。

 りんご飴とかわたあめとかその他もろもろ。

 それなのにまだ食べようというのだからうちの妹は案外大食いなのかもしれない。


「とりあえずやめとけよ。……きっと後悔する羽目になるぞ?」


「後悔? どういうこと?」


「美空さん、先輩の言う通りにしたほうがいいと思うっす」


「そうね。私も空に同意見ね」


 きっとみんな俺と考えていることが同じなのだろう。

 こういうお祭りに出ている出し物、特に食べ物はカロリーが高い傾向にある。

 それをあんなにたくさん食べたらどうなるかなんて火を見るよりも明らかだった。

 でも、それをストレートに伝えたら怒られそうだから何とかオブラートに包まねばいけないのだ。


「ん~みんながそういうならやめとこっかな」


「そのほうがいいと思うぞ。それに文化祭は食べ物だけじゃないから。他の物を見に行こう」


 うちの学校の文化祭は飲食物もそれなりに多いけどそのほかのものも結構あるのだ。

 体育館ではステージプログラムとか他にもクラス単位でいろんな出し物が行われている。

 そのほかにも運動場でいろんな出し物が行われていたりする。

 だからそろそろ食べ物から離れていきたいところではある。

 というか美空が食べてるのを見すぎてそろそろ胃もたれしてきた。


「そうっすね! 私もそろそろ食べ物は良いかなって思うっす」


「私もね。というか他の出し物も見てみたいし。とりあえずはクラスの出し物とかを見て回って大体見終わったら体育館のステージ企画を見に行くのっもいいかもしれないわね」


「だね。そうしようか。美空と七海もそれでいい?」


「うん! せっかくの文化祭だからいろんなものを見て回りたいな~」


「そうっすね。私も自分のクラスと先輩のクラスしか見て無いのでいろんなところを見て回りたいっす」


 よしっ。

 とりあえず食べ物路線からは離れられそうだ。

 いい感じに文化祭を回ることができそうだ。

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