第128話 愚か者の末路
「あっさり終わったな」
「ですね~まあ、後藤さんが相手をしてくれるのなら問題ないとは思ってましたけどね」
「それもそうよね。あの人凄腕だし」
俺達三人は会議室を後にして帰路についていた。
これで問題は解決したし今年のイベントと言えばあとは文化祭と期末テストくらいか?
いや、模試もあったか。
そろそろ受験という実感は全くないな。
これも空白の半年間のせいだろうか?
「これで文化祭に専念できるわね」
「永遠めっちゃ気合入ってるよな」
「そりゃね! 空の執事服姿早く見たいもの」
「そういえば先輩方はメイド喫茶でしたっけ?」
「ああ。何とか男子は執事服という所で落としどころを見つけれたよ」
「先輩のメイド服姿を見たかったのに残念です!」
全く困った後輩だよ。
まあ、これで平穏が戻ってきたって感じがしていいんだけどさ。
◇
「なんで私たちがこんな目に…」
「全部あいつのせいよ! 瀬戸君を振ったくせに飄々としちゃってさ。お高く留まってんじゃないわよ!」
「そうよそうよ! 私たちは何も悪くない! 悪いのは全部あの女なんだから。それなのに何で私たちがこんな目に遭わないといけないのよ!」
私達は取調室のような場所でしばらく放置されていた。
これから保護者などを交えて様々な話し合いをするらしい。
◇
「そんな……」
「こんなのって……」
「絶対に嘘よ!!」
私達に下された判決は膨大な金額の慰謝料だった。
それに加えてあの女に接触禁止。
私達についてくれた弁護士先生のおかげで懲役とかそんな話にはならなかったけどそれでも到底支払いようのない金額の慰謝料が残った。
両親は私たちを見限って縁を切って私は家を追い出された。
今は春。
あれから結構な時間が経った気がするけど私はこれからどうすればいいんだろう。
家を追い出されたしお金もない。
頼れる友達もいない。
「ははっ私どこで間違えちゃったんだろう。あの時意味の分からないメールを鵜呑みにしてあの女を虐めた事かしらね」
私は自分の失敗を呪った。
だけどもう遅い。
私の人生はお先真っ暗だ。
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