『お』
王道【おうどう】
①儒教における理念であり、優れた王がなすべき道。その内容は思想家によって違うが、公平中立であることや、仁徳による統治のこと。
②古代ギリシアのユークリッドの言「学問に王道なし」より、王のための楽な手段という意味。
③現代では意味が転じ、「正攻法」や「定番」の意味で用いられることが多い。
なろうを始めとする創作においては「定番」の意。テンプレと同義とも言える。
→テンプレ【てんぷれ】参照。
大喜利【おおぎり】
元々は寄席の余興であるが、テレビ番組『笑点』によりその形式の一種が国民的に知られている言葉。
『笑点』及びそこから派生したダウンタウン等の芸人による大喜利は司会者の出すお題に対し、出演者が即興でそれに応じる面白い回答を言って会場を楽しませるもの。
なろうにおいては、異世界もののテンプレを利用して出落ちな長文タイトルをつけて読者を笑わせ、ランキング上位を目指す様が大喜利的であると表現されている。
オーク【おーく】
①植物のブナ科コナラ属の植物のうち、落葉樹のものを楢(ナラ)と呼ぶ。その英名がオーク(Oak)。特にドルイドについての記された文献を読んだことなどあれば特にオークは樫(カシ)ではないのかと思う方もいると思うが、実はあれは元々誤訳である。ブナ科コナラ属の植物のうち、常緑樹のものが樫。英名はライブオーク(Live Oak)。そもそも樫の北限が南ヨーロッパであるので、ドルイド信仰のあった地域と一致しない。
②怪物としてのオーク(Orc)。ベーオウルフ叙事詩に登場する怪物。名称としてはローマ神話の死者の国の神オルクス由来(プルートーの別名)。または海の怪物。シャチ属のオルカに同じ。
③トールキンが創造した人型種族、『指輪物語』にいおいて邪神の勢力の兵士であり、低い知性と旺盛な繁殖力を有する邪悪で醜い存在と描かれた。
『指輪物語』において豚面という表記はないが、かなり早い段階で豚面のイメージが付与されている。
基本的にはゲームや小説におけるやられ役。一般的には駆け出しの冒険者より強いがベテラン以下程度の強さ。
繁殖力旺盛と言うところからファンタジー世界を舞台としたエロゲーやノクターンにおいて非常に重用される。
オーパーツ【おーぱーつ】
① 英語のスペルはOoparts。アウト・オブ・プレイス・アーティファクトの略。
→アーティファクト【あーてぃふぁくと】②参照。
考古学においてその場所、その時代からは発掘し得ない人工遺物を示す。水晶髑髏やアンティキティラの歯車などが有名。
アーティファクトもそうであるが、古代文明が現代より優れていて現代でも再現できないような超常的な力を発揮するという設定で創作に取り入れられることが多い。たかしげ宙、皆川亮二による漫画『スプリガン』がオーパーツをテーマとして描いた漫画として有名だが、例えば『クトゥルフ神話』において古代の遺物が実はクトゥルフの神々への祭器というものが導入としてよく見られるなど、オカルト・ホラーにおいて親和性が高い。
② 創作において時代考証を間違えたためにその時代に紛れた本来はその時代に存在しない物品のことを示すスラング。例:1990年代前半の日本を舞台にしているのに携帯電話を使うシーンがあると、その携帯電話はオーパーツである。
お気に入りユーザ【おきにいりゆーざ】
なろうでアカウントを作る大きなメリットの1つ。
興味あるユーザをお気に入りユーザに登録することで、そのユーザの作品の更新や新作、活動報告が自動的にマイページに表示される機能。
最大200人まで登録可能。
幼馴染み【おさななじみ】
幼い頃からの友人の意味。特に同い年で、隣家に住んでいる、産まれた頃から家族ぐるみの付き合いがある、同じ幼稚園だったなどの特徴を持つとそう呼ばれやすい。
本来、性別は関係ないのだが、創作においては一種の萌え属性として異性の幼馴染みが描かれることが多い。
自然に仲の良い異性を主人公の横に配置でき、それが友情から恋愛感情に変化する様を描いたり、一度別れて(引っ越す等)からの再会というシーンを描き易い。
特に2000年代前半頃までは恋愛ものの主流と言えるほどの存在であったが、同中頃からは読者・視聴者のニーズが多様化したことや複数ヒロインの作品が増えたこともあり、特に男主人公の幼馴染みヒロインは恋愛的に「負ける」キャラクターが急増した。例えば気やすさから派生する暴力・理不尽系のヒロインが割り当てられたり、超常能力バトルものの作品で、帰るべき日常としてのヒロイン属性が割り当てられるが、読者からも忘れられるなど。
なろうにおいては2020年初頭より、それ以前からなろうで流行している「ざまぁ」と、負けヒロインとしての幼なじみが融合した極致ともいえる状態の作品が発生し、流行した。
話の流れとしては、美人であるが性格の悪い幼馴染みの暴力・理不尽に耐えてきた主人公が、ある日その仕打ちに耐えかねて絶縁する。絶縁した主人公は幸福な生活と、新しく性格の良い恋人を手に入れる一方、幼馴染みは復縁を申し出るも断られ、性格の悪さが露呈するなどして不幸な境遇に陥ると言うものである。
この流れは現実世界恋愛で流行し、さらにハイファンタジーにも波及した。美人かつ優秀な女冒険者であるが性格の悪い幼馴染みから逃亡するという形式になる。
推し【おし】
推薦する、一推しである。
アイドル業界において「一推しのメンバー」を「推しメン」と略し、それがさらに省略されたもの。声優やキャラクターへと使用例が広まり、ホストやキャバ嬢、果ては好きな食べ物までと一般的に使われている。意味は特に好き、非常に好きである。
推しは推せるうちに推せ【おしはおせるうちにおせ】
推しは推せるときに推せ、とも。
アイドルを例にとって言えば、あなたが好きなアイドルがいつ引退してしまうかは分からないし、逆にあなた自身がいつ体調を崩したり不慮の事態に襲われるかは分からない。故に今推してやるのだというもの。
なろうでは好きだなと思った作品はその時にポイント入れたり、感想書いたり、レビューしたりしてあげてください。好きな作家が書籍化したら買ってあげてくださいということ。
先日ツイッターでも読者からの反応が無くなったために執筆をやめるという宣言をされたプロ作家の方がいて、その断筆宣言後に好きだったと言っても遅いということ。
お便りコーナー【おたよりこーなー】
なろう公式ブログの中にあり、お知らせ一覧に表示される。
自費出版ではない出版経験があり、なろうに掲載している書籍化作家から後進のユーザへの励ましの言葉であり、書籍化へ向けての体験やアドバイスであり、書籍化されたから買ってね!の広告でもある場所。ただし新刊情報の告知のみは不可。
ちなみに同一の作者による原稿の投稿は3ヶ月に一回のみ。個人的にはまんじ先生が年間4回寄稿するのか注目している。
お月様【おつきさま】
ムーンライトノベルズの隠語表現。類語:月光、月。
→ムーンライト【むーんらいと】参照。
おっさん【おっさん】
おじさんでも中年でもなくおっさん。
なろうのパワーワードの1つ。
なろうの作者は冴えない底辺労働者であるおっさんであり、現実世界に希望がないため自己を投影したおっさん主人公が異世界に転生したり若返って転移するような話ばかり増えていて、読者もおっさんばかりだというテンプレ的な批判がなされる。
それはそれとしてそういう批判をする奴も冴えないおっさんだと思う。
底辺おっさんが底辺おっさんのために底辺おっさんが活躍する作品を書き、それを底辺おっさんが批判するのだ!(個人の感想です)
一方で逆に流行りであるという観点から、若い作者がおっさん主人公を書いているためか、あるいはそもそも異世界転移後の冒険のテンプレが若者を主人公とした作品であるためか、どうもおっさん主人公のメンタルに年相応の落ち着きがないという批判もある。
まあなんだ。この手の批判は気にせず書くと良いよ!
男の娘【おとこのこ】
2000年頃のインターネット、2ch発祥とされる言葉。ネットスラングであり、明確な定義は存在せず、女装少年に近似した意味を持つ。ただ、女装しなくても女の子にしか見えないほど可愛いといったニュアンスを有する。
特にイラストにおいては女性的骨格で描かれる。胸がなく男性器がある女性に近い(ウエストからヒップのラインが女性)。
乙女ゲー転生【おとめげーてんせい】
主人公が乙女ゲームの中の世界に転生するもの。
→乙女ゲーム【おとめげーむ】参照。
そのゲームのストーリーに沿って進んでいく展開に対して、それに沿うように動こうとするもの、それから逃れようと動くもの、主人公が意識せずに展開から外れて行ってしまうものなどがある。
特に定められたストーリーから逃れようとするのは乙女ゲーの悪役令嬢転生のテンプレと言える。
乙女ゲーム【おとめげーむ】
女性向け恋愛ゲームのうち、主人公が女性のものをさす。性交シーンが描かれ、年齢制限のあるものも存在する。
乙女ゲー、乙ゲーと略されることもある。
男性向け恋愛ゲームは一般的にギャルゲーと呼ばれる。
→ギャルゲー【ぎゃるげー】参照。
異世界転生ものの中には、乙女ゲームの世界の登場人物に転生したという設定のものが数多く見られる。
ただし、現実の乙女ゲーと、なろうで乙女ゲーと言われているもののシナリオには乖離が大きい。例えば本来の乙女ゲーにおいて悪役令嬢という存在は一般的ではない。どちらかというとなろうで描かれる乙女ゲーは少女マンガの影響が強く、さらにそれが独自に発展したものと言える。
乙女ゲー転生もの書きたいから元になった乙女ゲーやってみよう!ということはできないのである。
→乙女ゲー転生【おとめげーてんせい】参照。
お花畑【おはなばたけ】
① 主に観賞用である花を栽培している場所、または自然に鑑賞に適した草花が群生している場所のこと。
② 妄想や過度な空想に浸る人物。思い込みが激しく、他人からの忠告や非難を全く聞かない、あるいはプラスの意味に捉えて意味を曲解する人物。
③ 過度な平和主義・平和主義者。
なろうにおいては②の意味での使用が多い。特に悪役令嬢ものにおいて主人公を婚約破棄する男またはその浮気相手である女、またはその両者は過度に愚かに描かれる傾向があり、「頭お花畑である」と言われる。
オフ会【おふかい】
ネット上での友人とオフラインで会う(実際に顔を合わせる)こと。
個人的に会うこと(2人オフ会)から数百名規模の大規模なものまで存在する。
なろうでも相互のお気に入りユーザが会うオフ会は実際に行われており、わたしも主催したことがある。
なろうのオフ会は性別も年齢も住んでる場所もバラバラだったりそもそも分からないので、難しいところはある。オフ会10代から60代までいたしな!わたしの読者が北海道から九州までいるのも知っているぞ!
オマージュ【おまーじゅ】
リスペクトと同義。創作とは完全なオリジナルを作ることは出来ず、今までに見てきたあらゆるものに影響を受けて創られる。それらへの敬意を持ち、尊敬する作家または作品の影響を受けたことを自覚して創作すること。観客・読者に対して同じだと気づかれる必要が無いので、似たシーンが無くても良い。
有名なのは『スターウォーズ』が黒澤明の映画のオマージュであると言うこと。例えば同作の登場人物、マスター・ヨーダのモデルは『七人の侍』の島田勘兵衛である。
→関連項目:パクリ【ぱくり】、パロディ【ぱろでぃ】参照。
オメガバース【おめがばーす】
「名前がカッコいい必殺技かゲームの名前っぽいなと思って検索すると全然違うじゃねぇか!ランキング」なんてのがあればこれが1位だと思う単語。
元は海外の二次創作用のエロ特殊設定だが、このオメガバース設定を元にした一次創作も存在し、なろうにおいてはオメガバースそのものを書いているのはムーンライトに少数だが、この設定の一部を流用した作品は異世界恋愛カテゴリ中心に非常に多く見られる。
根幹は狼の階級をモチーフにした設定やそれから派生する獣化設定、そして両性具有設定である。前者はカーストや性差別という社会派の作品を描きやすいこと、獣化要素や両性具有、BLといった特殊性壁を満たしやすいことが挙げられる。
性別とは別にアルファ、ベータ、オメガという性質が存在する。
アルファ:エリート、総攻め
ベータ:一般人
オメガ:虐められやすい、社会下層、総受け、発情期(Heat)が存在する
アルファ女性とオメガ男性は両性具有である。発情期となったオメガは性的欲求が極めて強くなり社会生活が満足に行えなくなる(投薬で抑えるという設定も多い)。またその身体からフェロモンを発するようになり、それを嗅いだアルファはオメガに対して強く欲情する。
発情期のオメガをアルファが噛む事、あるいは世界に一対だけいる特定のアルファとオメガが出会うこと(運命)により、番(つがい)と呼ばれる関係が成立する。これは結婚とは異なる死まで続く関係性であり、番関係となった場合に該当のオメガは以降発情期にならなくなり、互い以外に恋愛感情を抱くことがなくなる。
なろうの異世界恋愛において、番という設定が使われているものが良く見かけられる。
→番【つがい】参照。
おもしれー女【おもしれーおんな】
恋愛もの作品において、社会的地位が高くて女性にモテるヒーローが主人公であるヒロインの言動を評する言葉。
ただし、ヒロインは別に芸人では無いものとする。
異性にモテモテのヒーローに対して初対面で主人公が好意を抱かず、その場を立ち去ろうとしたときなどにヒーローがこの言葉を放って主人公にアプローチを仕掛け始める。
非モテなヒロインがイケメンからアプローチを仕掛けられるようになるという少女マンガ系恋愛モノの根幹を支えるワードだが、ちょっと笑ってしまう。
お漏らし【おもらし】
じょばー。
ではなく、受賞や書籍化等の情報を事前にツイッターや活動報告等で、話してしまうこと。
俺様【おれさま】
相手を目下として見ている時の一人称、または相手を常に下に見ているキャラクターのこと。例:「俺様は最強だからな!」
フィクションにおけるキャラクターとして、自己中心的で身勝手な人物であり、それが嫌われる場合もあれば、いざと言うときに頼れると演出される場合もある。
また恋愛モノや女性向け作品にかなりの頻度で見かけるヒーローのキャラクター性であり、自信家で男らしい様、頼り甲斐がある、ストレートに好意を表現してくれる点が女性に受けるのだと思われ、ヒロインに対しては束縛系となる。創作者として見ても内気なヒロインを引っ張って話を進めてくれるの偉いなあとは思う。例:「黙って俺についてこいよ」
一方でリアルにいるとかなり付き合いづらいっていうかぁ……いやまあ、恋愛ものの俺様系キャラってそもそも必ずイケメンで金持ちですからね!そもそもリアルと混同してはいけない。
また、実は打たれ弱いとか実はヘタレとつけるとギャップ萌えも狙いやすい。
おれたた【おれたた】
俺たちの戦いはこれからだ!の略。
→俺たちの戦いはこれからだ!【おれたちのたたかいはこれからだ!】参照。
俺たちの戦いはこれからだ!【おれたちのたたかいはこれからだ!】
打切りの定番文句。おもに少年漫画雑誌において人気が出なかったバトル漫画が打ち切りとなった時、ストーリーはまだ続くのだが唐突に話を終了させる手段。ラストのコマにこのように書いて終わらせる。
なろうにおいては作者が続きが書けなくなってこのように終わる作品があったとか、そもそも音信不通でエタっている作品に、「俺たちの戦いはこれからだ!」でもいいから完結させて欲しいなどと言われる。
俺、何かやっちゃいましたか?【おれなにかやっちゃいましたか?】
解せぬ【げせぬ】と同意。
理解できない、納得いかないという意味の言葉。
なろうにおいては自分の強さに無自覚かつ価値観のズレた主人公が言うセリフとしての定番の1つ。例:「道中雑魚をたくさん狩ってきたぞ。買い取ってもらえるのか」「はい、じゃあカウンターにお出しください」大量の強大なモンスターの素材を出し、周囲が驚愕するのを見て「……俺、何かやっちゃいましたか?」
俺TUEEE【おれつえー】
特に対人要素のあるゲームにおいて、特に同ランクや適正レベル帯での勝率が悪くなったプレイヤーが初心者や雑魚相手にバトルしてそれを蹴散らして喜んでいる様。例:あいつレベル90なのにレベル30相手に俺TUEEEして喜んでるんだけど。
創作においては圧倒的に強い主人公がピンチになることもなく勝利を収め続け、周囲の人物(特に多数の女性)に称賛されるような状態、またはその作品を指す。
語源的にも蔑称であり、本当にそれが単調に続き繰り返されるような作品があるのは間違いない。
だが、本質的にエンターテイメントには多かれ少なかれその傾向がある。数多の敵を薙ぎ倒す爽快感や、周囲から称賛され、美女からモテるのを不快に思う読者は稀だろう。
それを自覚する作者の中には自らキーワードに俺TUEEEを設定するなどし、アピールポイントとしているものも多い。
俺YOEEE【おれよえー】
俺TUEEEの反語的表現。主人公が非常に弱い、低レベルな状態を楽しむ状態、またはその作品のこと。
ゲームにおいても雑魚敵一匹に悪戦苦闘するような低レベルや初心者的な状態を楽しむプレイヤーはそれなりに存在する。
オワタ【おわた】
終わった。顔文字由来の言葉であり、あまりにも酷くお手上げで笑ってしまうほどの絶望を表現する。例:志望校の入学試験の日に寝坊した。人生オワタ。
オワタ式【おわたしき】
ゲームにおける遊び方、あるいはそれを撮影した実況動画。アクションゲームなどで敵から1発でもダメージを受けたらゲームオーバー(=オワタ)として遊ぶ遊び方のこと。




