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『なろう用語の基礎知識』第七稿  作者: ただのぎょー


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『わ』

ワイバーン【わいばーん】

 竜の一種。英語での表記はwyvernが一般的。

 形状としては多くの場合、緑または赤の体色をしており、竜の頭部・胴部、蝙蝠の皮膜の翼、猛禽類の鉤爪が一対、長い尾に有毒の鏃のような先端。炎の息を吐く場合もある。

 実のところこれはイギリスの紋章学において紋章内に描かれるデザインのために作られ、発展してきた架空のモンスターであり、ワイバーンが登場する伝承は存在しない。つまり紋章という限られた面積の中で美しいデザインが模索され、また既存の紋章と被らないようにするために作られたモンスターと言える。

 よって中には翼がないワイバーンや四肢のないワイバーンも存在する。

 現代のファンタジー、特にゲームにおいては上記形状のものが一般的。竜、ドラゴンの下位種族であるとされることが多い。例えば真のドラゴンは炎を吐き、知恵が高く魔術なども行使できるが、ワイバーンは炎の息を吐くことは出来ず、知能の低い獣であるなど。

 むろん一般の人間よりははるかに強大なモンスターではあるのだが、TRPGなどにおいてドラゴンより弱く、そこそこのレベルでも戦える、竜の形状で見栄えが良い(プレイヤーの満足が高い)などの理由からしばしば使われてきた。

 RPGにおいて初期のプレイヤーたちがゴブリンやオークなどといったモンスターを倒すものが、ある程度レベルが高くなるとワイバーンなどを討伐するのである。

 しかしなろうにおいて初期からチート最強という主人公の場合、ゴブリンを倒せるのは当然すぎ、かといって最初からドラゴンを討伐してしまうとその先の展開として倒す敵がいなくなってしまうため、最初の討伐モンスターにワイバーンが選ばれるパターンが増えた。これをもって「ワイバーンと書いて噛ませと読む」的な言われ方をすることがある。

 またシナリオ重視のRPGタイプのソーシャルゲームにおいて、ストーリーを進めながら、戦闘シーンを入れなくてはならない都合上、会話を遮る形でいきなり戦闘になることが多い。 これを「話の途中ですまないがワイバーンだ」と呼ばれることがある。『チェインクロニクル』や『Fate/Grand Order』などにおいて顕著。


脇役転生【わきやくてんせい】

 ゲームの世界である異世界に転生する作品において、主人公や敵役ではなくゲーム内では特に名前もない脇役に転生すること。

 二次創作において世界観だけ使用したい場合や、主人公たちの絡みを横で観察したい場合、脇役に転生したはずなのにヒーロー・ヒロインなどに愛される場合、脇役なのになぜかチート能力を授かっている・脇役なのに聖女であるなどの場合がある。


和食【わしょく】

 日本料理のこと。

 異世界転移/転生ものにおいてリアルに中世ヨーロッパに現代人が転移したとしたら飯なんてマズくて食えたものではないと思うが、それを抜きにしてもヨーロッパ風の食生活を延々続けるのは読者から見ても魅力的に感じないであろう。

 そのため、主人公は和食の再現に情熱を燃やし、醤油や味噌を作ろうとしたり入手しようとするのである。東の島国から交易で持ち込まれているものを見つけて喜び買い占めたりする。作品によっては醤油味のする果汁を出す木の実とかある。

 うーん……ある意味とてもファンタジーしてますよね。


ワナビ【わなび】

 何かになりたいと思っている人を示すスラング。蔑称的な使い方をされる事が多い。

 英語のスラングにおいてwant toをwannaと略す事から「I wanna be 〇〇(○○になりたい)」が言葉の由来。

 元々はミュージシャンやアイドルなどへの志望者を指すことが多かったが、現在では主に作家志望者を示す。

 パソコンの普及による文章を書き残すことが容易になったこと、『小説家になろう』を筆頭とする投稿サイトから書籍化されるというパターンができた事により、非常に増加したと言える。

 なろうにおいても書籍化したい、作家となりたいという作者は非常に多い一方、趣味で書いている作者ももちろん存在する。

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i521206
― 新着の感想 ―
[一言] >ワイバーンが登場する伝承は存在しない。 うーん、でもワイバーンに似た翼竜なら実在していたんですけどね。 とはいえ、アイツらは海竜と同じく恐竜じゃないんですよね~。 >作品によっては醤油味…
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