『や』
やおい【やおい】
①原義的には「ヤマなし、オチなし、イミなし」の略であり、商業作品に対してこれら要素が薄い同人の漫画・小説の創作物のこと。
②男性同士の性交やそれを匂わせる描写のある、女性向け創作物のこと。特に二次創作作品を指す。現代ではBLという表現が一般的。
→BL【びーえる】参照。
夜想曲【やそうきょく】
ノクターンの隠語。類語:夜。
→ノクターン【のくたーん】参照。
闇堕ち・落ち【やみおち】
善なる思想を持ち、正義の側にたっていたヒーローまたはヒロインが悪に染まること。理由はさまざまで、信じていた思想に絶望する、など自発的な思想の変更や洗脳・寄生・改造などの外的要因の場合もある。
アニメなどだと特に外見のカラーリングが白系統から黒系統へと変化する、女性であれば特に衣装が扇情的になるなど分かりやすい。
同義語として悪堕ち(あくおち)とも言う。ちなみに漢字の問題なのだが、悪落ちは「わるおち」という演芸用語があるので注意が必要。
こちらの意味は演出・演技の失敗や構成が悪趣味で観客の失笑を買うこと。
やれやれ【やれやれ】
①台詞。疲労や落胆、呆れなどを表す感動詞。
②それが口癖となっている主人公やその登場する作品をやれやれ系と称する。
本来主人公といえば熱血系で自ら事件に首を突っ込むタイプであるが、その反動として事件に巻き込まれていくタイプの主人公が登場する。
この口癖自体は『ジョジョの奇妙な冒険』第3部主人公の空条承太郎が有名だが、なろうのハイファンタジー、特に異世界転移/転生において多く見られるパターンとなった。なろうにおけるやれやれ系は主に以下のように進む。
どこにでもいる普通の男であった主人公が異世界転移などにより圧倒的な力、チート能力を手にする。
強大なモンスターの襲撃に巻き込まれて即解決するなど、チート能力を発揮することにより周囲が驚愕する成果を挙げ、称賛され、女性から好意を寄せられる。
それらの周囲から寄せられる感情に対し、やれやれ巻き込まれて仕方なくやっただけなんだがなというスタンスで話が進んでいく。
ヤンデレ【やんでれ】
「病んでいる」+「デレている」。ツンデレなどと同様にきちんとした定義があるわけではないが、原義的には「相手のことを愛しすぎるあまり精神的に病んでしまう」こと、またはそのキャラクター。
キャラクター造形の魅力の本質は重い(重すぎる)愛、一途さにある。
元々そのキャラの持つ性質として会話が苦手である、恋愛に非常に奥手、異性から認められた経験がほとんどないという要素を有し、恋愛対象となった相手を盲目的に愛するようになる。しかし純粋に想いを表現するのが苦手ということや依存的な精神状態に陥る。対象と恋愛関係になるなどしても、その愛に裏切りがあったと感じた場合、それは極めて些細な裏切りとは言えない行為であっても(例:男がコンビニの女性店員と会話するなど)精神的に追い詰められていき、感情が破綻する場合がある。
その破綻は対象の周囲の異性を殺害などの手段で物理的に排除しようとしたり、対象を監禁することで他の異性の介入する余地を無くそうとする、最終的には心中のように死んでしまえば愛は永遠となるなど。
問題点として監禁や包丁を持って迫るなどのセンセーショナルな面のみが強調されることも多く、愛ゆえに病むのではなく、単に初めから心を病んでいるヒロイン属性というように描かれる場合も存在する。特にいわゆるメンヘラ的なキャラクターとして描かれることもあり、原義的なヤンデレが好きな読者から嫌われる場合もある。
逆にセンセーショルな部分を抜けば一途であり溺愛とも近い概念とも言え、ヤンデレ気質のキャラクターは女性向け恋愛ジャンルにおいての男性キャラにも見られる性質である。




