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『なろう用語の基礎知識』第七稿  作者: ただのぎょー


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『へ』

平行・並行世界【へいこうせかい】

 パラレルワールドの日本語訳。漢字については正直どちらも非常に良く見かける。パラレルという単語の意味にも平行・並行共に存在するのでどちらでもおかしくないことにしておこう。

 →意味についてはパラレルワールド【ぱられるわーるど】参照。


ヘイト【へいと】

①英単語としてのHateは、

動詞:憎む、嫌う、嫌である

名詞:憎しみ、口語表現では嫌でたまらないもの

 という意味となる。

 また自ら変えることが困難なこと(人種、宗教など)へ対する特定の人物や集団への口頭や文章での攻撃(ヘイトスピーチやヘイト発言)。なろうでも問題となった作品があったので注意。

②ゲーム用語、特にMMORPGにおける言葉。NPCである敵が集団戦闘において、プレイヤー側のだれを攻撃するかについて参照される値。

 例えば、近くにいる敵と遠くにいる敵、どちらを攻撃する?大きなダメージを与えてきた敵とほとんど効かない攻撃をしてくる敵、どちらを攻撃する?回復魔法をつかって戦闘を立て直す敵は?というもの。

 この値はプレイヤーには見えないデータとして存在し、どんな行動がヘイトの値をより大きくするかはゲームや敵によって異なる。行動によりヘイトの値が大きくなることを「ヘイトがたまる」などと表現する。

 防御役にヘイトを集め、そのヘイトの値を超えないように攻撃役や回復役がふるまうこと。を「ヘイト管理」や「ヘイトコントロール」と言い、これが成功している限り、強敵との戦いにおいても戦場はそうそう瓦解することはない。

 また敵の注目を集めるような行動を取ることを「ヘイトを集める」と言う。敵に大きなダメージを与える、回復行動を取るなど。防御力の高いキャラクター(重装の騎士など)が敵の注目を集めるスキルを使用することも指す。これによって後衛の魔法使いや回復担当(防御力が低い)に敵の攻撃が行き、戦線が瓦解するのを防ぐ。

 なろうにおいてもVRゲームジャンルやファンタジージャンルで使用される。昔のゲームには無かった概念なので、古いファンタジー小説には存在しない表現。

③なろうの作者が使う用語。読者が登場人物に感じる憎しみ、作品に感じているストレスのこと。

 Web小説ではヘイトが溜まると読者が離れるという言説があり、これを過度に恐れると逆に話の起伏が無くなる。鬱積の解放をカタルシスと言い、ヘイトはその鬱積に近い概念である。

 ヘイトは必要。無論だからと言って延々鬱展開しろという意味でもないが。それこそ上手くヘイトコントロールする必要がある。どちらかというと鬱展開そのものよりもその解放や解放後の展開の方が失敗している作品が多いように思う。

 つまり長々とヘイトを貯めたキャラがあっさり退場したり、倒した!と思ったら逃げ出したりという展開である。あるいはヘイトを集めたキャラを倒した後も話がつづくのだが、その後が特に起伏のない話となるなど。

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i521206
― 新着の感想 ―
[一言] 小説のヘイト管理は難しいですよねw 逆に人気作はヘイト管理が絶妙なものが多い気がします!
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