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『なろう用語の基礎知識』第七稿  作者: ただのぎょー


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『ひ』

PS【ぴーえす】

 プレイヤースキルの略。

 →プレイヤースキル【ぷれいやーすきる】参照。


BL【びーえる】

 ボーイズラブの略。男性同士の恋愛や性交・及びそれを描いた作品のこと。

 歴史と意味の変遷を語るとそもそも同性愛に関わる社会史になってしまうので要点のみ言うと、1980年頃を発祥とする女性向けの男性同士の恋愛を描いた作品が存在し、それらは同性愛を背徳的なものとして描いてきた(JUNE、耽美などと呼ばれる)。80年代後半には『少年ジャンプ』の美少年主人公らを恋愛関係に描く二次創作文化が広まる(やおい)。ボーイズラブという表現は90年代初頭に生まれ、広まっていくのは90年代後半。この時期に小説などでもボーイズラブを描いた一次創作の文化がライトノベル系のレーベルなどで広まる。

 内容としては「ボーイズ」であり少年から青年にかけての同性愛を描くのが一般的。また耽美系、少女漫画を下地にしているため美少年や優男の恋愛模様が大半である。

 故に男性の同性愛者、ゲイ向けの男性同士の恋愛や性交を描いた作品とは異なるため、ゲイであってもBL作品を好むとは言えない。で男性同士の恋愛関係ではない絆を描くものはブロマンスと言い、これはBLとは区別される。

 →ブロマンス【ぶろまんす】参照。

 なろうにおいては登録必須キーワードとなっており、ボーイズラブ要素があるものはその旨を記すこととなっている。正直それが主題となっている訳ではなく、ちょっと男性同士が仲良くするシーンがあるような作品でもキーワードが使われているのが、BLを避けたい読者には良いがBLを探す読者には問題。

 またムーンライトにおいては女性向け恋愛とBLでそもそもランキングが分かれている。


PK【ぴーけー】

 MMORPG用語。プレイヤー・キル、またはプレイヤー・キラーの略。特に区別する場合はPKing、PKerと記載するが、特になろうにおいてPKingの記載は見ない。

 MMORPGなど同時に多くのユーザが接続するゲームかつ、ユーザ間の対立がそもそもの目的ではないゲームにおいて、他のプレイヤーが操作するキャラクターを相手の合意なく(合意の上での決闘などではなく)殺すこと、あるいは殺す者。

 MMORPGの初期からの問題でもあり、プレイヤー間のトラブルや運営上の問題に発展しやすい。概ねPK行為を売りにするゲームであっても運営が進むにつれてPKは制限禁止される方向にある。特に日本人はこの手のプレイヤー間敵対を好まない傾向にあり、そもそもPK行為が行えないものが多数派である。

 ではPK行為がなぜ存在するのかという話となるが、そもそもPKできないというのはリアルではないのである。例えばあなたがゲーム内で手榴弾を持っているとして、目の前では敵味方が入り乱れての乱戦を行なっているとする。PKが適用されないとは味方にダメージがいかないということであり、あなたは乱戦の真っ只中に手榴弾を投擲して何ら問題とならないということになってしまう。

 ではなぜPKを行うかというと、プレイヤーキャラクターを殺すことによって、多くの場合周囲に物を落とすというシステムがあるのだが、それで落としたものを奪うというのが実利面では大きい。他には特定のエリアやボスを占有するために近づくキャラクターをPKするなどもある。

 問題点としては主に以下のようなものがある。PKが組織化し、通常のプレイヤーが1人では抗することができなくなる。嫌がらせ行為そのものを楽しむ、特に初心者に熟練者が攻撃を行う。外国人や特定人種のプレイヤーへの攻撃など差別的行為などである。

 なろうにおいてはVRゲームジャンルで多く見られる。本質的にモンスターとの戦いとは異なる雰囲気の戦闘ができる(マンネリ防止)というメリットがあるため、これが無くなることはないであろう。


PC【ぴーしー】

①パーソナルコンピュータの略。

②プレイヤーキャラクターの略。TRPGまたはVRゲームジャンルにおいて、GMや運営ではないユーザ・プレイヤーが動かすキャラクターのこと。


Heat【ひーと】

 オメガバース設定における発情期の言い方。

 →オメガバース【おめがばーす】、発情期【はつじょうき】参照。


PV【ぴーぶい】

 ページビューアクセスの略。作品の小説情報からKASASAGIによるアクセス解析で見ることが可能。

 何回ページを閲覧されたかを表し、同じ人が何回来ても、ページを表示した回数を数え続ける。PVが多い方が読者数が多いのは間違いないが、単純に長い作品はそれだけPVを稼ぎやすいということになり、具体的な読者数を直接反映する訳ではないのに注意が必要。例えばある読者が作品のトップページにアクセスし、最新話を読み、感想ページに行けばPVは3である。

 本日及び前日の時間ごとのPV数、日別・月別のPV数、パソコン・スマートフォンそれぞれでのPV数を見ることが出来る。

 →ユニーク【ゆにーく】も参照のこと。


ヒーロー【ひーろー】

 英雄、男性の主人公といった意味であり、女性系はヒロインだが現代の用語としての定義はかなり複雑である。

 →ヒロイン【ひろいん】参照。

 原義的にはギリシア神話における男性の半人半神の英雄。ヘラクレスなどが有名であるが、神に由来する超人的な力を有し、苦難の果ての救済と栄光、そして悲劇的な死を遂げるのが一般的である。

 日本の歴史においても源義経は典型的な英雄譚として愛されてきた(天狗の修行による超人的な力、奥州への旅という苦難、平氏を倒すという栄光、兄に討伐されるという悲劇的な死)し、現代のサブカルチャーにおいても『仮面ライダー』シリーズは死を描かれることこそ無いものの、いかにも英雄的であり特撮ヒーローを象徴していると言えるだろう。

 ファンタジーにおいても古典的ファンタジーの主人公は概ね男性でありヒロイック、英雄的であったが、現在のなろうのファンタジーにおける主人公、いわゆる転生チート主人公をあまりヒーローとは呼ばない。彼らの超人的力や討伐した魔物、手にする財や称賛などから考えればヒーローと言うに値するかと思うが、やはり苦難していないところに理由があるからだろうか。

 一方で力が弱くても勇気を以て強大なものに立ち向かったり自己犠牲の要素があるとヒーロー、英雄視されうる。その是非は別として太平洋戦争の神風特攻隊とか。

 でも創作においても『ヘルシング』のペンウッド卿とかみんな大好き。

 女性主人公の恋愛ものにおいては主人公であるヒロインと恋愛関係になる男性のことをヒーローと呼ぶことがある。話の展開としてヒロインがピンチになるところを救うことも多く、彼女にとってのヒーローであるのは間違いない。

 また主人公が女性であり英雄である場合、つまり原義的な意味でのヒロインはむしろヒーローと言われる場合がある。拙作『なまこ×どりる』のアレクサは女主人公であるが、ヒーローと考える読者もいるであろう。


東の島国【ひがしのしまぐに】

 異世界において主人公の住む国家よりも東にある島国(まれに東では無かったり陸続きの場合もあるが、往来は困難)。

 なぜか戦国時代から江戸時代に相当するような日本風の文化が栄えており、特に主人公が米や味噌や醤油といった食料品を入手するのに使われる。


ピカレスク【ぴかれすく】

 主人公が英雄や高潔な人物ではなく悪漢(ピカロ)である小説のこと。ピカレスク小説、ピカレスクロマンなどと言う。

 16世期のスペインで勃興し、それまでの流行であった騎士物語に対するカウンターカルチャー的な文学である。

 社会の下層出身者を主人公とした一人称小説で社会風刺的性格が強い。主人公が悪行をなして世渡りする(大成する)も破滅するという流れの作品が一般的。

 日本だと石川五右衛門が処刑されるところまで含め類型の物語といえる。中国だと『水滸伝』、西洋だと『アルセーヌ・ルパン』などが有名。

 また日本では昭和にはヤクザ映画がピカレスクものの主流と言えたが1992年成立の暴対法により規制が厳しくなりヤクザ映画が製作・上映されることはなくなった。

 現在のサブカルチャーでは主に単純に悪漢を主人公としたもの(風刺的でない・破滅を描かない)ものも多く、日本の作品における悪漢の特徴としては宗教的な戒律破りという要素が薄い。『ルパン三世』や『ブラック・ラグーン』など典型と言える。

 ハードボイルド、サイバーパンクなどとの相性は良い。


非公開【ひこうかい】

 なろうにおいて作品または活動報告を他のユーザには公開しない形で投稿すること、あるいは既に投稿した作品をそうすること。

 作品を非公開とする正式な用語としては「すべての一覧と検索から除外する」である。

 非公開と一般的に言われているが厳密にはそうではなく、Google等の外部検索エンジンで作品のタイトルを入力する、URLの直接入力などすればそのページにたどり着くことができ、また作品に関しては既にその作品をブックマークしていればブックマークから見ることができる。

 通常は非公開で作品を置くメリットはないが、例えばエタっていて続きを書く予定がない作品を非公開にしておくなどの使い道がある。

 また運営から作品に警告が与えられると、作品を非公開にする措置が取られる。作品を削除するか警告対象となった部分を改稿することが求められる。運営からの許可が得られたら作品を改めて公開しても良い。

 一方で活動報告に関しては下書きの保存が出来ない関係で、活動報告にイラストを入れる、リンクをはるなどする場合は一度非公開で活動報告を上げて、リンクなどを確認の上で一般公開するというやり方は有用である。


ヒストリカル【ひすとりかる】

 なろうのお勧めキーワードの1つ。

 直訳すると『歴史的な』であり、それはジャンル歴史とは違うのか、ジャンル歴史でヒストリカルってタグ付けるのは意味があるのか。これが異世界恋愛のお勧めキーワードにあるのはなぜなのか。と思われるもの。

 実のところヒストリカルロマンスという歴史物舞台のロマンス小説風の作品につけることを想定したキーワードであるようだが、それを知らない作者も多く、「歴史物っぽい地味な魔法とか出てこないファンタジーです」という意味でつけられていることもある。

 →ロマンス【ろまんす】参照。


ビッチ【びっち】

 性に奔放である、尻軽である女性を侮蔑するスラング。

 ただし英語では性的なニュアンスは無くなっており、ただの罵倒語である。日本語だと「クソババア・クソアマ」が近いか。

 日本語では性的ニュアンスの方が重視されていて、実際に尻軽である場合だけではなく、そういった雰囲気を纏った女性を示す場合もある。

 罵倒ではなく逆にそれをアピールポイントにする場合もあり、ビッチ系ファッションやヒロインの萌え要素としてのビッチも存在する。

 ただしなろうにおいてヒロインが実際に尻軽であること、主人公以外と性交するのは嫌われる傾向が強い(そもそも規約上描きづらい)。

 嫌われ役の女性キャラにこの性質を持たせることが多いと言える。悪役令嬢もの・乙女ゲームにおけるヒロイン役が最も一般的か。異世界転生の転生の女神がその場合もある。


ヒドイン【ひどいん】

 酷いとヒロインを掛け合わせた造語。初出は『占いツクール』と言われている。

 本来の意味としては設定が杜撰で支離滅裂な言動となるヒロインのこと。例:世界最強という設定なのに、ならず者に絡まれて悲鳴を上げたところをヒーローに助けてもらう。

 現在では意味は転用されて広がっており、ヒロインとして不適格なほど性格が悪いという意味や、悪辣なヒロイン、理不尽暴力系ヒロインにも使用されることがある。


ヒナちゃん【ひなちゃん】

① なろうの運営であるヒナプロジェクトの非公式愛称。

 → ヒナプロジェクト、HINA PROJECT【ひなぷろじぇくと】参照。

② なろうのマスコットキャラ『ヒナちゃん(仮)』と『モモ先生』のこと。マスコットキャラクターとして使用しようとして頓挫したのか分からないが、2019年の秋頃に関西の鉄道、京阪線の車内広告で使われたり、『小説家になろうラジオ』で企画として2度ほど使われその後音沙汰がない。

以下設定:なろうユーザのJK、ピンク髪。ドジで腹ペコキャラで食パンが好き。丸っこい鳥のようなモモ先生と出会い魔法が使えるようになった「小説家になろう」作品を読むと変身できる魔法少女だ!

 あっ、はい。


ヒナプロジェクト、HINA PROJECT【ひなぷろじぇくと】

 小説家になろうグループサイトの運営を行う会社名。正式名称は「株式会社ヒナプロジェクト」、通称は「ヒナちゃん」や「運営」など。

 元々小説家になろうは創設者である梅崎祐輔氏の個人サイトであったが、2008年よりサイトの運営がグループによるものに移行し、2010年に各種サービスの運営法人化を目的とし、株式会社ヒナプロジェクトが設立された。

 所在地は大阪府枚方市大垣内町2-17-8、社員数は2020年9月現在30名程度。


姫騎士【ひめきし】

 姫、王女であり、騎士でもある者のこと。

 そもそも史実で確認される限り武器を持ち戦った女性の騎士は存在しないが、創作においては北欧神話のヴァルキリーなど古来から存在している。

 それに高貴な存在としての姫という属性まで盛ったもの。

 概ねレイピアのような細身の剣で武装し、顔を隠さず、下半身がミニスカート状になった甲冑を着ていることが多い。

 用語としては2004年のアダルトゲーム『姫騎士リリア』が初出であることもあって、性的なシーンに全年齢向けでもお色気シーンに活用されやすい。

 →くっ殺【くっころ】も参照。


干物女・干物ヒロイン【ひものおんな・ひものひろいん】

 干物女、または干物女である主人公のこと。干物女とは漫画『ホタルノヒカリ』で主人公を表現したのが初出の言葉である。

 かつては恋愛に興じていた時期もあったが、今では恋愛への熱意を失った未婚の女性を、かつては魚だったが今では枯れた干物であると喩えている表現。

 その性質上20代半ばから30代のキャラクターが多い。

 恋愛経験があるということが恋愛経験のない喪女(もじょ、モテたことない女の意)との相違点であるが、混同されることも多い。

 なろうでは異世界恋愛においてしばしば見掛けられ、特に転移/転生ものにおいて、転移前は干物女であったという表現で使われる。ブラック企業勤めで多忙すぎて現実の恋愛に興味が薄れ、乙女ゲームにハマっていたなど。

 主人公を干物女にすることで、モテるヒーローを一歩離れたところから観察するような立ち位置に置くことができる。いざ主人公が恋愛する段になれば主人公をチョロインにすることもでき、逆に恋愛に興味ないと言う主人公に延々とヒーローが甘い言葉をかけ続けるが中々進展しないようにすることもできる。


ヒャッハー【ひゃっはー】

 『北斗の拳』で略奪者たちが襲い掛かる時の掛け声。略奪者たちはポストアポカリプスの荒廃した世界においてモヒカン、革ジャン姿でバイクに跨り、鉄パイプ片手に「ヒャッハー!」という掛け声と共に襲いかかり、弱者から水や食料を奪うぞ。だが通りすがりの拳法家にすぐやられる運命、つまり雑魚。

 ちなみに実は『北斗の拳』の原作にヒャッハーという台詞はない。アニメの音声でヒャッホーがヒャッハーになったとされている。

 なろうでもとりあえずテンションの高い雑魚や三下を出したければヒャッハーと叫ぶ。現代舞台でもヒャッハーしているとコメディ感は強くなる。コメディ色の強い作品では略奪行為の事をヒャッハーすると書いてあったり、雑魚のやられ役をヒャッハーと言ったりする。

 なろうに限らず動画投稿などインターネット上でもとりあえず何か投稿や更新があると、「ヒャッハー!新鮮な更新だぜ!」などと叫びながらいそいそと喜びいさむユーザの姿が見られる。


ヒューマンドラマ[文芸]【ひゅーまんどらまぶんげい】

 なろうのジャンルの1つ。人と人との交流、人の一生、人間らしさ等を主題とした小説。

 作品の傾向はまちまちである。ファンタジー的なものも恋愛的なものもある。割合的にそもそも少ないが、スポーツものはここに入ることが多い。実は恋愛、ファンタジー、VRゲームの人気ジャンルを除いた次にポイント高いのはこのヒューマンドラマである。


微百合【びゆり】

 ちょっと百合、軽い百合要素がある事。

 女性同士の恋愛を匂わせるようなシーンがあるが、それが主題ではない作品に付けられることの多いキーワード。

 拙作『なまこ×どりる』は主人公の女性は男性への恋愛感情を抱いているが、主人公に恋する後輩女子がいるため、キーワードに「GL要素あり」とし、その2人のキスシーンのある回の前書きに「微百合回です」と注意書きをするなどしている。

 →百合【ゆり】参照。


憑依【ひょうい】

 神や悪魔、死者の霊、自然の精霊、動物霊などが対象となる生物の精神に取り付くこと、トランス。

 憑依という単語はPossessedの和訳であり、1900年代に作られた言葉であるが、それ以前から日本においては神道やイタコなど霊を降ろすという文化そのものは存在する。

 憑依という単語はネガティブな意味で使われることが多い。善なる霊に憑依されることはキリスト教などで「聖霊を宿す」「体内に聖霊が満ちる」などと異なる言い方をされることが多いが、現代の日本のポップカルチャーにおいては特にネガティブな要素を感じない事が多いだろう。

 二次創作SS文化においては憑依系という、作品のファンである主人公が作中の人物に憑依するというものが存在する。例:気がついたら『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジ君になっているんだが!

 これが一次創作においても使用され、主人公が死んで霊となり異世界の人物に取り憑く、憑依転生というパターンとなる。この場合、赤子に転生するのではなく、何歳からでも話を始められるのは自由度の高いメリットである。また、霊である主人公とは別に憑依先のキャラクターが意識を持ち1つの肉体に2つの意識を有するパターンも存在する。


表紙【ひょうし】

①本の一番外側に付けられている覆いのこと。書籍においてはタイトルと作者名が記されており、なろうの書籍化作品を含むライトノベルでは表紙に登場人物のイラストが描かれているのが一般的。

②なろうのジャンル別月間ランキング10位まで、またはジャンル別日間ランキング5位までのこと。ここに入ると、前者はなろうのトップページにタイトルが掲載され、後者は読もうのランキングのトップページに掲載されるため、読者の目に止まる可能性が大きく上がる。

 まあ、とは言えジャンルによる差は極めて大きい。この『なろう用語の基礎知識』は2020年9月現在、エッセイジャンルの月間1位であり日間はランキングに入ったり抜けたりしているので、エッセイジャンルにおいては明らかに評価を受けている強い作品と言えるが、異世界恋愛やハイファンタジーの上位の作品とは比べるべくもない。


昼行灯【ひるあんどん】

 慣用句で役に立たないものの例え。昼に灯り(行灯)をつけても無意味であることから。

 創作においては昼行灯キャラというタイプのキャラクターがおり、世間には無能なように見せかけて実は凄い力を持っているというものがある。それ「昼行灯」じゃなくて「能ある鷹は爪を隠す」では……?

 時代劇の主人公としてとても人気のパターン。『必殺仕事人』の中村主水などが典型的か。一芸にのみ秀でていて、それ以外では無能というパターンも昼行灯キャラのバリエーションと言えよう。『美味しんぼ』の山岡士郎など。

 なろうのファンタジーにおいては、Bランク冒険者だけど実はSSSランク冒険者の力を有するとか、フリーの冴えない冒険者のフリをしているけど、実は世界最強ギルドのギルド長などというパターンがしばしば見られた。


ヒロイン【ひろいん】

 女英雄、女性の主人公、または男性主人公と恋愛関係や相棒となる女性キャラクターのことであり、男性系はヒーローだが現代の用語としての定義はかなり複雑である。

 →ヒーロー【ひーろー】参照。

 原義的にはギリシア神話における女性の半人半神の英雄、女傑。ヒーローの女性版。アテナなどが有名か。女英雄的な意味で世界で最も有名なのはジャンヌダルク、日本史だと巴御前などがこの系列となる。ただし、特に武力にたけた女傑はヒーローと呼称されることもある。

 女主人公そのものがヒロインと呼ばれる場合もある。ただしなろうにおいては乙女ゲー転生ものが複雑で、乙女ゲーの設定としての女主人公・ヒロインというキャラクターが別に存在する上で、設定上の敵役である悪役令嬢が小説の女主人公・ヒロインであるという二重構造が存在する。

 創作全体において女性主人公よりも男性が主人公であるものが圧倒的に多く、その男性と恋愛関係や相棒となる女性をヒロインと呼ぶことが多い。ここでの女性の役割はどうしても武力面という可能性は低く、この用法が一般的になり過ぎて、逆に女主人公をヒロインと呼ばない、ヒロインの女傑というイメージが薄くなったということは言える。

 逆に男性であっても相方(性別は問わない)から庇護されるような関係にあり、相方を献身的に支えていたりすると、それはヒロインと呼ばれることもある。漫画『トリコ』のヒロインはどう考えても小松シェフ(男)。

 ただまあ、ヒーロー像・ヒロイン像については正直言って時代とともに変遷するものであろうしわからないのが正直なところだ。今はフェミニストとかLGBTの問題が顕在化している時代でもあり、今後どのようなヒロイン像が成立するのか分からない。

 2019年4月にわたしがなろうの友人たちと行った『ヒロインランキング』企画、1位は『ブラックラグーン』のレヴィであり、僅差の2位は『めぞん一刻』の音無響子であった。これだけ見ても傾向が真逆に近いと言っても良いだろう。

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i521206
― 新着の感想 ―
[一言] ルパンに悲劇ありましたっけ? もしかして、褐色の髪の女性とは絶対結ばれないとかいう意味での悲劇でしょうか? >ヒナちゃん【ひなちゃん】 マスコットキャラ、いたんですね。 せっかく作ったのだ…
[一言] ペンウッド卿大すこ( ˘ω˘ ) ペンウッド卿の部下達もすこ( ˘ω˘ ) 「いつも通り座っててください。仕事の邪魔ですから」 ヒャッハーにはいつもお世話になってます!!w(敬礼) >拙…
[良い点] 小松シェフは現時点で今世紀最大のヒロイン力発揮したキャラだと思ってる。
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