『た』
ダークエルフ【だーくえるふ】
暗い色の肌をしたエルフ。
原典としての用語は北欧神話にも存在するが、これが今でいうダークエルフに近いものであったのか、ドワーフを指していたのかは不明。
トールキンの『指輪物語』にはダークエルフは存在しない。同一世界観の『シルマリルの物語』にダークエルフという名前が存在するが、ここでは邪悪な存在ではない。
指輪物語の影響を強く受けているTRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』においてはエルフと対立する邪悪なエルフという存在が現れる。ただし名前はダークエルフではない。
現在のダークエルフ観のベースとなっているのは『ロードス島戦記』であり、その登場人物ピロテースである。銀髪に茶褐色の肌で、巨乳である。同作品の正ヒロインであるエルフのディードリットが貧乳なのに対して、ダークエルフは巨乳である。
種族としては邪悪なる神に仕える強力な魔法戦士と敵役でありながら、ピロテースは主たる暗黒騎士に愛と忠誠を貫くという、人気のあるキャラであった。
ゲームとしては敵役としてのデザインが元でありながら、好む者は多く、肌が暗い色のエルフの別種であり敵では無いとしたり、被差別を受けている種族とする作品が増加していく。
なろうにおいてはダークエルフが明確に主人公サイドの敵であるとデザインされた作品はかなり少数派であるかと思われる。
実のところダークだから悪という描き方や肌の黒い敵という描き方は、洋の東西を問わず古来より一般的な概念ではある。しかし現在では人種差別問題の絡みがあり、センシティブな問題である。
なろうで趣味として書いている分には良いだろうが、書籍化目指して書いているならそのあたりは意識しておいたほうが自己防衛の為には良いかも知れない。
→エルフ【えるふ】参照。
タイアップ企画【たいあっぷきかく】
なろうが別の企業とタイアップ、協力・提携して行うイベントのこと。その企業からの書籍化の道が開ける公募もあれば、書籍化とは無関係のものも存在する。
タイあら【たいあら】
タイトルとあらすじの意。なろうにおいてランキング上位に上がるためにはタイトルとあらすじの重要性が高い、という文脈においてしばしばタイあらと省略される。
ダイジェスト化【だいじぇすとか】
小説が書籍化などされた時、出版部分を無料公開せずにあらすじ(ダイジェスト)に変更し、まだ書籍化されていない部分のみWeb上に残しておく手法のこと。
アルファポリスでは書籍化時にそれを行うことが求められる一方、なろうでは2016年9月より禁止。これは出版社に紐づいているアルファポリスと、そもそもWeb上で小説を読むためのものという前提のなろうとの違い。これによりアルファポリスなどのレーベルはなろうから撤退した。
当時この禁止によりなろうとアルファポリスの両方に作品を掲載し、アルファポリスで既に出版されている作品は、なろうから取り下げることを余儀なくされた。『月が導く異世界道中』『とあるおっさんのVRMMO活動記』などがそれに該当する。
大正浪漫【たいしょうろまん】
大正時代(1912〜1926)の雰囲気を伝える、あるいは背景とした文化のこと。浪漫という言葉に関しては西洋のロマン主義の影響を示しており、公より個、理性より感情を重んじる文化風潮である。
史実の大正時代前半における日本は明治末期の外国との戦勝や経済的成長、それに伴う都市部の発展やメディアの成長により大衆文化の花ひらいた時期であると言える。宝塚の初演や映画の上映・劇団の創設、大衆雑誌等の文化、洋装も一般化した。
一方大正時代後半はスペイン風邪、関東大震災、世界恐慌など暗い世相が忍び寄り、昭和の戦争へと突入していく。社会不安や自由恋愛による自殺や心中が増えたことは大正時代の短さも併せて、大正浪漫に儚さ、深みを与えているとも言える。
大正浪漫、大正時代を扱った作品は文学・映像・漫画など数多存在するが、サブカルチャーでは『サクラ大戦』や『鬼滅の刃』などのメガヒットを生んでいる。どちらも既存の歴史をなぞるのではなく、それを文化背景としたファンタジーである。
人気作がある一方で決して裾野が広いとは言えないジャンルであり、作品数は多くない。
なろうにて大正で検索すると1500弱の作品がヒットするが、実は大正から昭和にかけての第二次世界大戦ものや『明治/大正』というキーワードをつけているものがあり、大正浪漫を扱ったものはその半分にも満たない。
ダイス【だいす】
サイコロをあらわす英単語Dieの複数形Dice。特殊変化の複数形である。というか、基本複数形の単語。
「サイコロ1つ振れ」は「Roll one of the dice」か「Roll a die」である。回って死ねという意味ではない。
「8面体サイコロを1つ振れ」は「Roll a eight sided die」、8回転して死ねという意味ではない。
TRPGではある行為が成功するか失敗するかを、サイコロの出目で判断する。主にリプレイ、稀にVRゲームジャンルで見かけられる表現。
台本形式【だいほんけいしき】
演劇の台本のように、人名:「台詞」のような形で書かれている文章のこと。
小説としては一般的ではないが、TRPGのリプレイや2chのSSなどではこの形が主流。なろうでも見かけるが、小説としては好まれない。
タグ【たぐ】
コンピュータ用語。データを検索するためにデータにつける文字情報のこと。
例えばニセクロナマコを撮影した動画ファイルがあったとして、それだけではその動画を検索することができない。
この時にその動画に「ニセクロナマコの撮影・沖縄」などという文字データをタグづけすることによりインターネット上で検索することができるようになるということ。
なろうにおいては小説のキーワード機能が類似した役割を果たすため、キーワードのことをタグと表現することが多い。
→キーワード【きーわーど】参照。
駄作ですが【ださくですが】
なぜか前書きに書かれていることがしばしばある自己の作品を卑下した表現。「拙い作品ではありますが……」くらいなら謙遜だが、ここまで行くと謙遜というより卑屈。ぶっちゃけ駄作だと分かってるなら読ませんなと思うので行き過ぎた表現には注意を。
ただし近頃、正しい敬語表現である「拙作」も嫌われる傾向にある。わたしは使ってますし、今のところ直す気はないですけどね。
拙作、『なろう用語の基礎知識』をよろしくお願いします!
TAS【たす】
ゲーム用語。ツール・アシステッド・スピードランの略。ゲームをエミュレーター上の操作によって限界まで速くクリアすること。
人類にも実現可能な動きではある(改造やバグの使用をしない)が、非現実的(1/60秒単位での操作を要求される)なプレイ挙動を見せる。
なろうにおいてもVRゲームのジャンルなどにおいて人外じみた正確で素早い動きを「TASじみた動き」などと表記されることがある。
ξ˚⊿˚)ξただのぎょー【ただのぎょー】
やあやあ、索引にはないシークレット項目へようこそ。
わたしのペンネームはξ˚⊿˚)ξただのぎょー、Gyo¥0-とか唯乃尭と書くこともあるが読みはただのぎょー、みんなからはなまこさんと呼ばれていることも多い、この辞典の作者だよ。
この小説1冊よりも長い用語辞典を隅々まで読んでくれてありがとう。ただそれだけだ。
ここで全体の半分弱というところだろうか。後半もよろしく頼む。楽しんでくれると嬉しい。
尊い【たっとい】
とうといに同じ。とうといより意味が強いという人もいる。
→尊い【とうとい】参照。
タテ書き小説ネット【たてがきしょうせつねっと】
なろうの作品をPDF化して縦書きで読めるというなろうの関連サイト。
2000文字以下の作品・マス空けしていない作品・長期連載停止作品・改行が極端に多いまたは少ない作品・R18作品はお薦め小説などタテ書き小説ネットの一部の小説紹介には掲載されないとある。
しかしそもそもなろうの全作品の1割程度しかリストが存在しないし、わたしの作品も存在しないのだ。うーむ……?
縦ロール【たてろーる】
髪型の一種。
→ドリル【どりる】②を参照。
太郎【たろう】
書籍化・アニメ化した作品「異世界はスマートフォンとともに。」の主人公が5chにおいてスマホ太郎と呼ばれたことに端を欲し、なろうテンプレ的な作品の主人公を○○太郎や○○次郎と呼ぶようになったもの(例:デスマ次郎)。
本質的には蔑称であるので注意が必要。
断罪イベント【だんざいいべんと】
主に女性主人公恋愛ものにおいて男性側婚約者が女性側婚約者を公の場で非難(断罪)し、婚約破棄を要求するシーンのこと。また男性は別の女性との婚約を宣言する。
この関係性において男性側婚約者は王侯貴族や、現代であれば大企業の社長令息など地位が高く、女性側婚約者を悪役令嬢、別の女性をヒロインとする。
その断罪が適正であり男性がヒロインと結ばれる場合と、断罪がでっちあげで悪役令嬢が論破、ざまぁする場合がある。
恋愛ものにおける1つのハイライトシーンであるが、これを冒頭に持ってくるホットスタートの作品や短編は特に異世界恋愛ジャンルにおいて非常に多い。
→悪役令嬢【あくやくれいじょう】参照。
ダンジョン【だんじょん】
本来の英単語の意味としては城の天守を示し、最も堅牢で窓もない場所である。城というものが戦いの場所から居住の場所へと変化していく中で、いざというときに立て篭もる場所から地下牢として使用されるようになった場所のこと。
現在ダンジョンといった場合、特にフィクションにおいてそれは迷宮を意味する言葉である。本来の迷宮を表す単語はラビリンスであるが、滅多にそちらが使われることはない。
ダンジョン、城の地下には隠し財産が眠っているというような歴史ロマンから迷宮を踏破すると財宝が手に入るという今日のゲーム的なダンジョンが形作られた。そう思うと、確かにラビリンスでは無いなと思うところである(ラビリンスの奥にあるのは財宝ではなく封印されたミノタウロスである)。
特に初期のゲームにおいてはTRPGにおいてもコンピュータゲームにおいても、必要なデータ量の少ないダンジョンの中での冒険を描くものが多かった。そこで現代まで続くダンジョンもののデザインのベースができたと言える。広大な洞窟、建築物、地下迷宮、遺跡、異次元あらゆる場所が描かれる。
なろうにおいてはハイファンタジー、VRゲームに多いのはもちろん、異世界恋愛でも見かけられる(どちらかというとモンスターが溢れてくるという設定であり、ダンジョンを踏破して攻略はあまりしないが)。
またなぜかローファンタジージャンルにおいて、現実世界にたくさんある。
ダンジョンというリソースを無限に使えるように、神や邪神の用意した迷宮として神秘的な力により踏破されないような深さ広さが設定されていたり、踏破してもモンスターや宝がリポップ、再び出現する設定のものが多い。
特に主人公がダンジョンの管理者となってダンジョンを管理するという作品も見られる。
→ダンジョンマスターもの【だんじょんますたーもの】参照。
ダンジョンマスターもの【だんじょんますたーもの】
主人公がダンジョンの制作者・管理者となってダンジョンを強化していき、ダンジョンを侵攻する他のダンジョンマスターや人類との戦いを行う作品のこと。
ハイファンタジーを中心に、VRゲームなどにも見ることができる。
→ダンジョン【だんじょん】も参照。
最初、安全な小さな一部屋からストーリーを始めることもできるため、異世界転移との親和性が高い。
よくある設定としてダンジョンコアという宝玉の持つ超常的な力でダンジョン拡張やモンスターを配下にする、罠の設置などができる。
主人公が泥臭く地面を掘ってダンジョンを拡張しようとするものは少ない。
魔王転生や内政・領地経営的な側面がある。
初期設定の縛りが強いが、ダンジョンの強化に現代チートが使えたり、モンスターを美少女にしてハーレムをつくるなど展開にはそれなりに幅を持たせられる。
短編【たんぺん】
なろうの定義においては1話完結のもの。短編小説を後から連載にするために話数を追記することはできない。
本文の最低文字数は200字、最大文字数は70000字となる。
一般的なアドバイスとしては10000字を大きく超えるような短編は読者として読みづらいところがある。その場合は分けて投稿し、連載として投稿して完結させる方が良い。
投稿すると、なろうのトップページの新着の短編小説欄に表示される。どの程度の期間トップページに載るかは運の要素も大きいが、数時間と思って良い。この間に読まれポイントが入れば、まずは日間ランキングに載る可能性が出てくる。
→連載【れんさい】参照。




