『す』
推理[文芸]【すいりぶんげい】
なろうにおけるジャンルの1つ。事件などを推理し、謎解きを行う過程を主題とした小説。
「薬屋のひとりごと」が永世名人であるかのように君臨するジャンル。ジャンルのポイント順で2位と12倍以上、20位と57倍以上の差があるっていう。
スキル【すきる】
技能を表す英単語。一般的な技術にレベルの概念が付属してどれほどの熟達かを示す場合がある。例:「剣」技能レベル5。
あるいは超常的な効果を持つが魔法ではないと定義される技のこと。ハイファンタジー及びVRゲームのジャンルにおいて一般的。例:剣を装備して「双斬」のスキルを使うと、一度に2回攻撃することが出来るぞ。
プレイヤースキルに関しては別項。
→プレイヤースキル【ぷれいやーすきる】参照。
スクールカースト【すくーるかーすと】
学校、特に高校における学生たちの作る階級構造(ヒエラルキー)をインドの階級制度であるカーストになぞらえて言ったもの。スクールカーストという言葉そのものは和製英語だが、その元の考え方はアメリカのハイスクールの派閥(クリーク)による。
アメリカのスクールカーストにおいては花形スポーツのレギュラー男子が階級の最上位を占め、それをジョックという。女子のトップはクイーンビー。チアガールとかでジョックの彼女となる。それらをその取り巻き(サイドキックス)やパシリ(メッセンジャー)が支えていて、これらが上位階層。
文化系は一部の文武両道的イケメン天才(プレップス)が上位に入ることはあれど、残りは全て下位層となる。これをナードと呼ぶ。ナードにはガリ勉(ブレイン)や技術系オタク(ギーグ)、音楽や特殊ファッション系(パンク、ゴスなど)が含まれる。
最下層にはいじめの対象(ターゲット)が来る。基本的にはナードの中から選ばれるが、やらかしたパシリなどが来ることもある。
不良(バッドボーイズ・バッドガールズ)と不思議ちゃん(フローター)は派閥を教室内に作らない階層外である。
日本のスクールカーストも類似するが、空気が読める奴というものが中心に来る傾向が強い。また一般的に男子校・進学校はスクールカーストの概念が他の学校に比べて弱くなる。
この階級構造は一般性が高く、あらゆる大衆文化的な創作において使用される。特にいわゆる学園ものにおける定番的な題材であり、ストーリーの背景となる。
なろうにおいては当然ながら現実世界恋愛がその定番であるが、ファンタジーを舞台とした学園ものにもその構造は見られ、悪役令嬢ものもそうである。またクラス転移ものは必ずスクールカーストを保持した状態で転移し、主人公はナードのターゲットである。
→ジョック【じょっく】、ナード【なーど】参照。
SUGEEE【すげー】
①俺TUEEEの表記揺れ、俺SUGEEE。
→俺TUEEE【おれつえー】参照。
②俺TUEEEを補強する要素、主人公SUGEEEのこと。主人公を周囲のヒロインやモブが持ち上げるさま。俺TUEEEを書くのに必須な要素であるが、やりすぎるとクドくなる、話の進みが悪くなるのでバランスは肝要。
スコッパー【すこっぱー】
スコップする人のこと。
→スコップ【すこっぷ】参照。
スコップ【すこっぷ】
スコップで土を掘って埋まっている宝物を探すかのように、なろうの無数の作品の中で評価されず埋もれてしまっている作品を探す行為のこと。
ランキングではなく新着作品や未評価作品、検索などから作品を探す。
またこれを行い、そういった作品をレビューする、エッセイで紹介するなどする人のことをスコッパーと称する。
スコッパーさん、精力的な活動ありがとうございますっ!
スチームパンク【すちーむぱんく】
略称スチパン。SFの1分野で用語としては1980年代に発生しているが、作風としては1950年代からのもの。歴史改変ものSFの一種と言える。原義的にはヴィクトリア朝からエドワード朝イギリス(1837〜1910)またはその時代の日米など(明治維新から大正浪漫と西部開拓時代)を舞台とし、当時の人々が空想していた未来の姿が実現したらどのような世界になるかというようなユートピア的レトロフューチャーを描く。
時代的に産業革命後で第一次世界大戦前という時期であり、蒸気機関が小型軽量化に発展して個人が携帯したらとか、各家庭に蒸気機関があったらとか。空を飛ぶのもまだ飛行機が開発レベルの時代なので、飛行船がメインとなる。
日本におけるスチームパンクのイメージとして最も有名なのが『天空の城ラピュタ』、日本が舞台なら『サクラ大戦』であろう。小説で有名と言えるほどのものは浮かばない。
スチームパンクは現在ではファッションやコスプレ、ガジェットの方が人気があると言える。ビクトリアンスタイルファッションに銅製の蒸気機関や歯車の組み合わさったデザインのものである。時代的にゴシックやロリータとの親和性が高いということもある。
なろうでも作品数は少ないが、空想科学SFだけでなくハイファンタジーでの投稿が多い。わたしはなぜかスチームパンクで異世界恋愛と歴史を書いてる。
ちなみになろうでスチームパンクの短編でポイント順1位はわたしの『悪役令嬢ドロシア・ファーレンハイトの華麗な転身』だ。どや。……作品数が少ないだけではとか言ってはいけない。
スチル【すちる】
スチル・ピクチャーやスチル・フォトグラフの略。単に動画ではない静止画像・写真であると言っているだけである。
恋愛ゲーム(特に乙女ゲー)において、イベントシーンの特別な静止画を示す言葉であり、例えばヒロインが攻略対象に抱きしめられるシーンなど印象的なもののイラストを示す。
そのイベントシーンに到達しなくては見ることができず、一度見たら後からゲーム内のギャラリーで見返すことができるようになる。
異世界恋愛の乙女ゲー転生ものでは極めて一般的な用語だが、そこ以外ではほぼ見られない言葉であることに注意。
乙女ゲー転生で『断罪の神スチルよ!』と書いた時に、作者は『転生前のゲームで見た断罪シーンの神がかった美しいイラストのシーンそのままよ!』の意で書いているのだが、『断罪の神・スチルなる神が降臨なされたのか?』と思ってしまう読者もいるのだ。
ステータス【すてーたす】
①社会的な地位のこと。
②コンピュータやネットワークの状態のこと。
③ゲームにおいてキャラクターの状態を表す言葉。なろうにおいては基本的にこの意味で使われている。特にVRゲームやゲーム的な世界観のファンタジーで使われることが多い。
ゲームのステータスを元にしているので、主にキャラクターの名前・種族・職業、数値化されたキャラクターの強さ(レベル、能力値)、保有しているスキル・魔法・称号などが記されている。
またステータスに一時的ではあるが悪い効果が持続するもの(毒を受けている、呪われているなど)が記入されていることがあり、これらのことをバッドステータスと呼ぶことがある。
→バッドステータス【ばっどすてーたす】参照。
ステータスオープン【すてーたすおーぷん】
ゲーム的な意味のステータスを開く・可視化できるようにすること。作品によって自分にのみ見える場合と、他人にも見える場合がある。
ステータスオープンと発言しながら左手を振り下ろすなどの動作を行うことによって可視化されるという設定の作品が多い。
ファンタジーでも見かけられるが極めてゲーム的な描写であり、好みが分かれやすいところではある。
ストレス展開【すとれすてんかい】
読者にストレスが溜まるような展開のこと。小説とは本質的に主人公に感情移入して読んでいるものなので、主人公が辛い目に合うような展開は読者がストレスを溜めることとなる。主人公の敗北、失恋、抑圧など。
なろう読者はストレス展開に耐性が低く、読者としてのレベルが低い、故になろうの作品はストレスフリーのものしか受けないというような批判があるが、実際のところ見当違いである。なろうの読者も世の中一般の人の感性とそう変わるわけではない。
ストレス展開がなろうで嫌われる要因はストレスを感じた状態での放置時間の長さである。例えば毎日更新を続けている人がストレス展開を書いたとしてもさして問題ない。翌日には解決されるからである。しかし週1更新だったらどうだろうか。ストレスを抱えた状態で1週間待たされるのである。さらに言えばエタってストレスが解消されない可能性もある。これが4話分続くストレス展開だったらどうだろう。後者だと1ヶ月間ストレス展開が続いていることとなる。
あとは書き方によってもストレス展開を問題なく使う方法はある。1話の投稿の仕方としてストレスを受けたところで話を終えるのではなく、ストレスを受けて解決の糸口を見せたところで話を終えることだ。
ヘイトも類義語として使われる。
→ヘイト【へいと】参照。
素直クール【すなおくーる】
ツンデレの対極として生み出された萌え属性。常に好意を素直に表現するクールなキャラのこと。
クールとは英単語でカッコ良い、冷静であるという意味だが、この萌え属性としてのクールには感情が希薄、あるいは感情表現が苦手というキャラが多く含まれる。
感情の起伏が少なく、常に冷静なキャラクターだが、照れも見せずに愛していると口にする。クールキャラという共通点があるためクーデレと混同されがちだが異なるものである。
→クーデレ【くーでれ】参照。
スパダリ【すぱだり】
スーパー・ダーリンの略。ダーリンという用語は男女問わず使えるが、この場合、男性に限定される。
かつて3高と呼ばれていた「高身長」「高学歴」「高収入」を発展させたような概念で、これら要素を持ち大人の余裕を持つイケメンであり、カップルの女性(あるいはBLにおける受け)を溢れんばかりの包容力で支えてくれる、そんなキャラクターのことを示す。
価値観の多様化により、どういった要素をスパダリとするかについては変遷しているところがあり、若者でもスパダリ感あるとされる場合がある。特に料理などの家事が完璧であることはスパダリとして評価が高い。
スペースオペラ【すぺーすおぺら】
略称はスペオペ。
宇宙を舞台とした作品。語源は安上がりの西部劇(ホースオペラ)か昼ドラ(ソープオペラ)。
SF的考察よりもエンターテイメント性を重視した冒険活劇という意味の蔑称であるが、映画『スターウォーズ』のヒットなどもあり、またオペラというとなんとなく高尚なイメージもあり、壮大な物語というようなポジティブな表現として使われていることが多い。
スポーン【すぽーん】
①卵から孵化する意。
②コンピュータゲームにおいてキャラクターがその場に登場するの意。
敵が場面に登場する場合はポップするという表現もする。
またプレイヤーキャラクターが死亡し、復活することをリスポーンと言う。
スライム【すらいむ】
不定形な粘体の生命体。アメーバや粘菌を巨大化させたような外見の怪物。1931年に書かれたラブクラフトの『狂気の山脈にて』に登場するショゴスという粘体状の生き物をデザインの祖とし、『クトゥルフ神話』をはじめとするホラー小説で扱われ、ファンタジー小説やTRPGで扱われるようになる。その他多くのモンスターや種族と違い神話や民話に原典がない(神話の時代に顕微鏡は無く、アメーバを観察したりしていないので)。
ショゴスは巨大で人間では太刀打ちできないような生命体であり、スライムという名前で他のホラー作品に導入された時や、最初のTRPGである『ダンジョンズ&ドラゴンズ』においても強力なモンスターであった。粘体の身体ゆえに物理攻撃に耐性があり、生き物を取り込んでの捕食や酸による攻撃など。
ところが『ウィザードリィ』などのコンピュータゲームにおいて弱いモンスターとして扱われるようになり、特に日本では『ドラゴンクエスト』において鳥山明のデザインした涙滴状のデザインに顔の描かれたスライムが大人気を博し、マスコットとしての不動の地位を築いた。
以降のゲームにおいても顔の描かれたスライム状のモンスターがマスコットとして描かれる作品は多く、なろうにおいてもスライムの登場するファンタジー作品は多い。書籍化・コミカライズなどされている有名作品でも主題として扱われているのでご存じであろう。『転生したらスライムだった件』のように主人公がスライムとなる作品や『神達に拾われた男』のようにスライムをテイム(手懐ける)作品に大別される。
弱いが実は育つと古典的作品のように強力なモンスターであるという設定が一般的である。また粘体の身体を操って人型に擬態するという設定も非常に多く見かけられる。ちなみになろうでの文章だとスライムに顔があるのかどうかは書籍化してイラストがつかないと分からないということがあったりする。
またそれ以外のスライムの描かれ方としてスライムトイレというものがある。弱くて消化・分解能力のあるスライムをトイレに入れておくことで糞尿を分解してもらうというものだ。ナーロッパは中世ヨーロッパ風と言いながら明らかに史実ヨーロッパよりも衛生観念が高いが、この影響もあるのかもしれない。
スリップダメージ【すりっぷだめーじ】
DOTに同じ。
→DOT【どっと】参照。
スレ【すれ】
スレッドの略。特に5ch(旧2ch)などのインターネットの電子掲示板におけるスレッドの略としてしばしば使われる表現。
意味としては特定の話題について語るページのようなもの。誰かが何かについて語るページを作成し、それに対して興味のある人たちがコメントを返す(レスする)ことによってスレが伸びていく。
→掲示板【けいじばん】参照。
スローライフ【すろーらいふ】
いまいち定義のはっきりしない和製英語。効率化、大量生産大量消費の現代社会において時間に追われない自分の時間を持とうという理念。
これだと無職もスローライフに含まれそうに見えるが、幸福追求がベースにあるので含まれないと考えて良い。
現代社会へのアンチテーゼ的要素があるため、田舎での生活をスローライフとして描かれる事が多いが、それは本質ではない。またリアル田舎民に田舎の生活が優雅だと思うな!とキレられる。
なろうにおいては特に社畜キャラの異世界転生やVRゲーム、あるいは追放ものにおいて田舎でのスローライフを志向する作品が見られる。
生産チートを使って高速で生活基盤を整えるタイプの作品も多いが、それはむしろ現代社会の効率化、大量生産大量消費の呪縛に囚われていてスローライフから離れていないかと思うが気にしてはいけない。




