表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/64

第50話 襲撃

~~~~ 二条家 ~~~~~~~

風雷は次の目的地である二条家の屋敷へと到着した。

ここにも病に倒れてる者が沢山いるという。

先ほどの今川家もそうだが、桐生領の民は

裕福な人でも人間ができている。


得体の知れない病気を持つ者を屋敷に招き入れる

ことなど通常在りえないことだ。

町全体が病に侵されているため、特別と言えば

それまでだが、それにしてもだ。

お会いしなくても分かる。ここの(あるじ)は尊敬に値すると。


1人の女子が風雷の元へと近づく。


女子「お医者様でいらっしゃいますか?」

風雷「左様。医者の風雷だ。何かあったのか?」


女子「急病人がおりまして。」

風雷「薬は飲ましたのか?」


女子「いえ、それが拒でおりす。」

風雷「何故に。案内を頼む。」


女子の後を受けていく。


ー重「よう旦那!現れたな。相棒(猫)も一緒か。

   旦那が来たのなら安心だ。」

風雷「爺さん、生きとったか。」


ー重「あったりめーよ。

   ワシを必要としてるもんが仰山(ぎょうさん)おる。

   まだ死ねんわ。」

風雷「急病がおるので、相手にできん。」

ー重「そうかい。」


とー(かずじい)は一言返答すると、

風雷の後を付いていく。


風雷「爺さん、あんたも病人だろ?寝てろ!」

ー重「この通り元気じゃ。手伝わせてくれ。」


ー重は顔や腕に赤い斑点が見える。

病に侵されているが伺える。だが元気そうだ。

ー爺と会話してる途中で、多くの知り合いと目が合う。

どうやら商店街の人たちはここに集まってるようだ。

そうこうしてる合間に問題の患者へもとへ。


女子「この御方です。」


風雷は倒れてる男に目が行く。

呼吸があらい、きつそうだ。

すると横やりが入って来た。


薬院「現れたな偽医者!」

ー重「なんてこと言うだ。治療しに来たのだぞ。

   失礼ではないか!」

薬院「治療?惑わしに来た、の間違いであろう。」


この会話で、多くの人達が集まる。


薬院「私が本物の医者だ。ここは私が見ている。

   誰かこの詐欺師を捕まえてくれ。」

周囲「偽者とは聞き捨てならない。

   あんたの方がやぶ医者であろう。

   あんたらの治療で治った病などないわ。

   こちらの風雷様は1日で私の病を治したのだぞ。」


風雷は、重病人の側へ行き、膝をついてしゃがむ。


薬院「私の患者に手を出すでない。」


風雷は重傷者に問う。


風雷 「薬を飲べば治る。お主、それでいいのか?」

重傷者「麻疹は妖怪の仕業、どんな薬も効かん。」

薬院 「その通りだ。」


重傷者は辛そうである。

薬院の者は立ち上がり、周辺に聞こえるよう大きな声を出す。


薬院 「聞け!皆の衆。麻疹に効く薬など存在しない。

    薬は存在しないと医学書には、はっきり明記してある。

    お主らが先ほど飲んだ薬は、この者が作った物。

    この者は薬院の者ではない。偽医者だ。騙されるな!」

周囲 「でも、体調が楽になった者がおるぞ。」


薬院 「赤い斑点は消えたのか?」

周囲 「いや。ならばワシらは何を飲まされたというのだ?」


薬院 「その偽医者しか知らん。まぁ、大麻かなにかであろう。

    お主らの精神が侵され、治ったと錯覚してるだけのこと。

    なぁ、偽医者どうなんだ?」

風雷 「お主に何を行ってもむだだ。」

薬院 「図星か?」


薬院は、声を張り上げ周囲に問う。


薬院 「ほとんどの者が偽医者を信じとるようだが

    助かりたいのであれば、どちらの言を信じるか

    良く考えることだな。」


この場には、500名ほどの患者がいる。

その内、薬院の支持者は10名。内1人が重症者だ。


風雷も正義感で医者をしている訳ではない。

合法に血を啜えるからやってるだけのこと。

だが、仲の良かった近所の人たちは助けたいと願っている。

目の前の重傷者が治療を拒む以上無理維持はしない。

風雷は立ち上がる。


男 「あちらに体調が急変した者がいる。

   急いで観てくれないか?」

風雷「今行く。」


~~~~ 損料屋(そんりょうや) ~~~~~~~

次の日の早朝。


(よろい)をまとった500名の兵士が、

とある一軒家の前に立つ。

しかも、物騒なことに全員、刀を握って戦闘態勢だ。

周囲の住民は強風し、家の中へと閉じこもる。

正面の家は、損料屋本店。(みがど)がねぐらとしてる所だ。


♪ドンドン


兵長「扉を空けよ。」


♪ドンドン


物音が一切ない。開ける気配はなさそうだ。


兵長「壊せ!」


兵長の言葉に、1本の太い丸太を6名で担ぎ、

門の前へと立つ。


男ども「せいの!」


♪ドーン


その丸太を勢いよく門にたたきつけた。


男ども「せいの!」


♪ドーン


何度も丸太で門を叩きつけ、門が大きく破損

して行く。

あと1回か、2回、叩きつければ空きそうだ。


兵長「各人、かまえよ!」


兵たちに緊張が走る。

門が開いたと同時に相手が押し寄せて来る

可能性があるからだ。


♪ドーン


ついに門が破壊され、中庭が姿を現した。

だが、庭には誰もいない。


兵長「極力殺すな。突入!」


一斉に中へ入って行く。

草履(ぞうり)をはいたまま、家に上がり、障子や襖を

壊しながら次々と部屋を確認していく。


兵長は門に立ち。兵士の報告を待つ。

すると1人の兵が戻って来た。


兵1「大変です。」

兵長「捕らえたか?」


兵1「いえ、兵士が次々と口から泡を吹いて

   倒れております。」

兵長「毒だ。いそいで兵を戻せ。」


兵長は、後ろの兵に合図する。


♪プーウー


大きなほら貝のような拡声器で撤収の合図をする。


兵長「ここも危ない。離れるぞ。」


~~~~ 新損料屋(しんそんりょうや) ~~~~~~~

♪ドカドカドカ


側近「帝殿!」

井口「どうした?騒がしいではないか。」


側近「つい先ほど、旧店舗に数百名の兵が

   押し寄せたとのこと。」

井口「ほう。ザザの毒で亡くなったのはおったか?」


側近「行と帰りで200名ほど減っていたとのこと。」

井口「ハハハ。上出来だ。

   全滅して欲しかったところであったが、まぁよい。」


側近「帝の策略通りかと。」

井口「念のため、周囲に監視体制を腫れ。」


側近「手配済みです。」

井口「流石だな。」


~~~~ 町はずれの民宿 ~~~~~~~

凜は天井を見て物思いに更けている。

微かな音を感じる。

誰かが忍び足で近づいてくる気配だ。


凛「だれ?」


♪ガラガラ


扉が開くと、見知らぬ男が立っていた。


男「これは凜様。」


その男は、凜を見るなり膝をついて頭を下げる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ