表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/196

アイの遺書の断片-しあわせなやつはしね Merry “Happy Ending”

 しあわせなヤツはしね。 でも誰か死んだって聞くたびに、なんでやさしい人が亡くなって、おれみたいなゴミが代わりに死んであげられなか

 しあわせなヤツはしね。


 でも誰か死んだって聞くたびに、なんでやさしい人が亡くなって、おれみたいなゴミが代わりに死んであげられなかったたんだろうと思う。


後悔してることは?

  生まれてきたこと。


得意なことは?

  人に嫌われること。

 

 親と手を繋いで歩いてるガキが笑ってるの見るたびに、

『僕はオマエと違って愛されてるんだ。』

 って(わら)われている気がして殺したくなる。


 でも子どもたちには幸せになってほしい、たといその手を離す時が来ても。

 おれみたいな生きてるだけで他人に不幸を吐き散らかすクズにはなってほしくない。


 生まれた時から見た目がいい奴は嫌いだ。だけど美しくなろうともがいてる人は好き。


 なんで、おれなんかよりずっとずっとやさしくて、愛されてて友達だっていて、生きる価値がある人が毎日死んでる?


 金持ちが憎い、人間が嫌い。

 皆に俺がいる最底辺まで落ちてきてほしい。


 だけどくるしい人を助けたい。ニンゲン共のせいで人間じゃなくなった人を救いたい。

 けれども金が無いから養ってもあげられない。


 人は貰ったことがない物は与えられない。

 だからおれはつらい人に愛をあげられない。金も美も。

 

 だけどどんなに自分を嫌っても、いつでももっとゴミみたいなおれがいるから安心してほしいです。いちばん下からいつも『おれは味方だ』って叫んでます。


 嫌われてて金もなくて気持ち悪くて、

『ありがとう』も『ごめんなさい』も

声がちいさくて言えないおれができるのは――


 《――アイの遺書より。》 


挿絵(By みてみん)


 ◇◆◇


 ……(なみだ)で続きが読めない。まだ文字の上であの子が踊っている気がしている。つづきは()の感傷が鳴り止んでからにしよう……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ