アイの遺書の断片-しあわせなやつはしね Merry “Happy Ending”
しあわせなヤツはしね。 でも誰か死んだって聞くたびに、なんでやさしい人が亡くなって、おれみたいなゴミが代わりに死んであげられなか
しあわせなヤツはしね。
でも誰か死んだって聞くたびに、なんでやさしい人が亡くなって、おれみたいなゴミが代わりに死んであげられなかったたんだろうと思う。
後悔してることは?
生まれてきたこと。
得意なことは?
人に嫌われること。
親と手を繋いで歩いてるガキが笑ってるの見るたびに、
『僕はオマエと違って愛されてるんだ。』
って嗤われている気がして殺したくなる。
でも子どもたちには幸せになってほしい、たといその手を離す時が来ても。
おれみたいな生きてるだけで他人に不幸を吐き散らかすクズにはなってほしくない。
生まれた時から見た目がいい奴は嫌いだ。だけど美しくなろうともがいてる人は好き。
なんで、おれなんかよりずっとずっとやさしくて、愛されてて友達だっていて、生きる価値がある人が毎日死んでる?
金持ちが憎い、人間が嫌い。
皆に俺がいる最底辺まで落ちてきてほしい。
だけどくるしい人を助けたい。ニンゲン共のせいで人間じゃなくなった人を救いたい。
けれども金が無いから養ってもあげられない。
人は貰ったことがない物は与えられない。
だからおれはつらい人に愛をあげられない。金も美も。
だけどどんなに自分を嫌っても、いつでももっとゴミみたいなおれがいるから安心してほしいです。いちばん下からいつも『おれは味方だ』って叫んでます。
嫌われてて金もなくて気持ち悪くて、
『ありがとう』も『ごめんなさい』も
声がちいさくて言えないおれができるのは――
《――アイの遺書より。》
◇◆◇
……泪で続きが読めない。まだ文字の上であの子が踊っている気がしている。つづきは此の感傷が鳴り止んでからにしよう……。




