狩猟用ナイフの話
北海道の現役ハンターが異世界に放り込まれてみた ~エルフ嫁と巡る異世界狩猟ライフ~ 5 発売!
エルフ誘拐団との決着がつく、「北海道の現役ハンターが異世界に放り込まれてみた ~エルフ嫁と巡る異世界狩猟ライフ~ 5」が2023年10月14日より発売されます。マンガはカルトマ様です。
狩猟の漫画、物語ではいろんなナイフが登場する。北海道の一猟友会支部の中でも解体のやり方は一人一人個性があり、使うナイフは全員見事にバラバラだ。ネット情報での「これがお勧め」というナイフもほぼユーチューバーごとに全員違い、いったいどんなナイフを買えばいいのかは定番が存在しないと言っていい。
では実際の狩猟ではどんなナイフが使われているのか解説してみよう。
●ナイフのサイズ
狩猟用ナイフというと、第一に「剣鉈!」「タシロ!」「フクロナガサ!」という人もいる。理由に「止め差しに必要」「いざとなったら熊と戦える」「護身用に必要」「藪、林を切り開くのに必須」「プロはこれを使う」などがある。
実際はどうかというとこういう業務用やサバイバル・ファイティング系は北海道では全く使われずこれを腰に差した猟師は少数。
冬の北海道は見開けた広い土地で木々は落葉しており、冬季の雪の中、藪や枝葉が邪魔ということがなく、解体ではまったく使い物にならない。また、北海道では熊も鹿もでかくて狂暴なので、罠にかかった獲物の止め差しは銃でやらないと危険であり、棒を差し込んで槍にできるフクロナガサなども使われない。
ちなみにヒグマに襲われるときは漫画みたいにのそのそ歩いてきてくれるわけがなくあの巨体で突進してきて問答無用で押し倒され一巻の終わりなので、銃で撃つ以外の選択肢はまず無い。
刃渡り6cm以上のナイフは業務目的を除き携帯禁止。15cm以上のナイフは銃刀法で刀剣扱いなので所持自体が禁止である。刃渡り15cm以上の刃物の所持が認められるのは包丁、農機具、その他鉈などの業務用であり、たとえ相手がクマであっても「護身用です」と言えば銃刀法違反となるので、「枝はらい用です」他の言い訳を考えておかなければならない。
実際に解体に使うのはグリップと刃の長さが同じぐらいで丁度よいのである。たいてい6cmは超えているので狩猟時以外は持ち歩かず車に積みっぱなしにしないよう気を付けていただきたい。
ちなみに作中シンが剣鉈もナガサも持ち歩かないのは、嫁が剣も槍も本物を持っているからである。
●よく切れるナイフとは
市販品なら一番よく切れるナイフはホームセンターで売っているカッターナイフである。疑問の余地はない。普通のナイフは刃厚があるためいくら精密に研いでもカッターには負ける。これを凌駕するのは京セラのセラミック包丁ぐらいである。
では狩猟の現場で役に立つかと言われれば、非常に使いにくい。残念ながら。
解体をやったことがあればわかることだが、実はカミソリのように精密に砥いだ切れすぎるナイフというのは皮剥ぎや内臓抜きでは皮や内臓を簡単に突き破ってしまい、肉を汚染させ、最悪なことに脂が付きすぐ刃がつるつる滑って切れなくなるのでかえって使いにくいのだ。
投稿動画でよく見る超仕上げして、自慢げに新聞紙やA4コピー用紙を刃を当てるだけでシャアアアアッと裁断してしまうような切れ味は最初から要求されていない。新品でハンティングナイフを買うとこの紙の裁断ができなくて「刃付けが甘い」とダメナイフ判定する人もいるが、ハンティングナイフは紙を切るためにあるのではなく、肉や皮、脂や筋を切る実用上あの切れ味になっていると理解しよう。
切れない刃のほうがいいと言っているのではない。カッターやカミソリに比べれば荒く研いであるということになる。ステーキナイフは手が切れるほどは研いでないがギザギザで肉が切れる。ホオジロザメの歯もティラノサウルスの歯も一本の歯に細かいギザギザがびっしりついている。肉を切りやすいのは実はギザギザであり、カミソリのごとく精密に研ぎあげたツルツルのナイフはかえって刃持ちしない。
日本刀は美術刀としてピカピカに化粧研ぎしてあるイメージがあるが、実戦で使う前に心得がある武士は砥石を当てて白砥ぎしたり、寝刃を合わせたりして刃を荒らしたもの。要するに刃付けはご家庭で日常的に肉を切っている包丁用砥石で充分である。
解体で使うナイフは折れず曲がらず長すぎず軽く刃持ちがよく、形状が研ぎやすくグリップが滑りにくく普通に切れて錆びにくく布でぬぐいやすいシンプルな形状で安全であればよい。「ハンティングナイフ」と名前がついていればまずこの条件はクリアしているので変な形状に凝らずに使いやすそうなものを選んでほしい。山で落としたり解体中に見つからなくなったりと無くしやすいのであんまり高そうなものや二度と手に入らないようなカスタム高級品は避けたほうが良いとは個人的に思う。
●ステンレスか、カーボン(炭素鋼)か。
どちらでもお好きに。筆者は全く気にしない。
鋼材にこだわり硬度を誇るナイフもあるが、あまりにも硬いナイフは折れる。折れるナイフはケガをするのでダメナイフである。折れる前にまず曲がって、これ以上無茶な使い方をしたらダメだとわかるようになっていないと安全なナイフとは言えないので注意。
●両刃か片刃か。
西洋の剣のように握ったとき上にも下にも刃がついている剣を両刃もしくは諸刃という。現在所持が禁止されている違法な刃物である。
日本刀のように下にしか刃がついていない剣を片刃という。現在日本で販売されている刃物は全部これである。
これとは別に、握ったとき左右両方から同じ角度で研いである刃物を両刃と言い、左右非対称の片側(主に右側)しか研いでない刃物も片刃と言う。ややこしい。ここでは研ぎ面から見た両刃片刃の話をする。
ナイフの刃付けはほぼ全部両刃である。これに対し、日本の刃物には出刃包丁、柳葉包丁、鉈のように片刃の刃物が多い。出刃包丁は魚を三枚におろす……要するに解体に使われるわけだが、骨に当てて引くなどがやりやすいようにあの形になっている。鉈も同じで、枝落としをするとき角度をつけて振らなくても垂直に振り下ろせば枝が切れるように片刃になっている。右利き前提なので左利きの人は左用を買わなければならないが。
このように「片刃のほうが使いやすい」という場合はけっこうあって、和式のマタギナイフには「骨すき」「皮剥ぎ」用途の片刃ナイフが存在する。
これは実際に使ってみると大変使いやすくベテランさんには愛用している方も多いと思う。ついでに言うとベタ研ぎ(刃面を全部砥石に当てて研ぐ)できるので研ぎやすい。一定の角度で刃を立てて研ぐテクニックは不要なのである。
西洋のナイフには見られない日本にしかない良い道具だと思う。
●フォールディング(折り畳み)ナイフかシース(鞘)ナイフか。
折りたためる、古い言い方だとジャックナイフに対し、折りたためない鞘に入れるタイプのナイフをシースナイフという。その中でも鋼材がグリップエンドまで通ってグリップと同じ形をしているものをフルタングという。
クマと戦う気満々の人やサバイバルを想定している人、キャンプで薪割りをしたい人はフルタングを欲しがるが、解体ではどうでもよい。切れ味が良いシースナイフで下手な鞘に入っていると転んだとき鞘を突き破ってケガをするのはちょっと怖い。有名メーカー品なら折り畳みでも解体程度で壊れたりはしないもの。でも血や脂まみれになりやすい人はシースナイフのほうが掃除が楽だ。
フォールディングナイフは錆びると開かなくなるため、よほど特殊でなければまずステンレスである。材質を炭素鋼にこだわる人はフォールディングナイフは選択肢に入らない。
●ナイフの種類
ハンターはナイフをいっぱい持っている人が多い。
使ってみて「これはダメ」「これはいいけどここが不満」「これ良さそう!」とかしているうちに理想のナイフを探す旅に出てたまってしまうらしい。ま、それも銃同様、ハンターの楽しみの一つであろう。なんでもそうだが道具に凝り出すときりがない。
思うに、「一本のナイフだけで全部バラすのがプロ」みたいな思い込みがあるから迷走するのだと思う。一本の包丁だけで料理を作るプロの板前などいない。「用途によって使い分ける」と考えれば今手元にあるナイフでも案外使い続けることができる。どういうナイフがあるかを解説してみよう。
・ドロップポイント
ナイフの先端の位置が低くそこそこ尖っていて、一応なんにでも使える万能ナイフなので初めて買うナイフはまずこれだろう。一本のナイフだけで全部解体するのならこれになる。ただ、実際にはこれで全部やるのは作業性が悪いため、「理想のナイフとは?」という旅が始まってしまうハンターは多い。
「一本で全部やるのは無理」と早々にあきらめ他のナイフも用意するほうが結局は楽だ。
野生動物は汚いと決まっているので、経験を積めば衛生面でも食べられない部分と食べる部分を切るナイフは別々にしたいと誰でも思うようになるはずだし、「ナイフ一本だけで全部やるのがプロ」という認識はそろそろ改めたい。
・スキナーナイフ
皮剥ぎナイフである。刃全体が大きく弧を描いており突き刺すことを目的としていないナイフなので獲物の皮をはぐときに大変使いやすい。他のナイフとは別にぜひ一本持っておきたいナイフ。切れすぎると皮や内臓を切り破ってしまうし、脂が付くとすぐ切れなくなるので、中研ぎ(#1000前後)までやって仕上げ研ぎはしなくてよい。
・ノコギリ
胸骨、骨盤は「頑丈なナイフで叩き切る」というのはエゾシカのようなでかい骨太の獲物には厳しい。力仕事だし刃も消耗するしある程度大きく重いナイフが必要になってしまうのでノコギリがお手軽である。斧や鉈を使う人もいるが持ち歩くのには重いだろう。
刃が短く内臓を傷つけないように先が丸く短いノコギリというやつはあまり売ってないので、ハンティング用を使いたいところだが、スイスアーミーナイフのノコギリが意外と便利である。
トロフィー用にエゾシカの角を切るのは無理なので金鋸を使う。
・ケーパーナイフ・ボーニングナイフ(骨すきナイフ)
骨から肉を切り分ける細かい作業に使う細身で薄く短いサイズのナイフ。見た目で果物ナイフと間違えられやすいがれっきとしたハンティングナイフである。
現場で骨を全部外し完全にお肉にするまでやってしまう人向け。ドロップポイントのナイフでもできる仕事ではあるが、ナイフメーカーのハンティングナイフ二本差しセットというとバックもガーバーも昔からスキナーとこのケーパーナイフの組み合わせであり、一本のナイフで全部やるより数本を使い分けるほうが手早いことを実感できるナイフの一つと言える。お肉を料理する家庭用の包丁と同じ使い方をするわけだから包丁用の#3000程度の砥石で仕上げ研ぎしておけばOKだ。頑丈そうな分厚いナイフ一本よりこの二本セットのほうが軽くコンパクトだったりする。
お肉を家に持ち帰り、台所で筋肉表面の薄皮を剥がしたり、肉をそぎ落とすときにも便利だし、キツネやタヌキなど小さい動物で毛皮を獲りたいときにも大活躍。
・ガットフック
ガット(腱)を切るためのフック型のナイフ。ナイフの背についている場合も多い。ファスナーを下ろすように皮を一気に切り開くのにも使われる。
見ればわかる通りこれは専用の細い砥石がないと研げない。便利なのは最初だけで切れなくなったらどうしようと思うならその通りである。米国ハンティング動画では便利そうに見えるが、小柄で皮も薄い米国本土のバンビちゃんにはこれで良くても、真冬の猟期の北海道では毛が長く皮の裏に厚く脂がついたエゾシカには文字通り刃が立たない。これに頼らなくてもやりようはいくらでもある。
ちなみに本来の目的であるガットや関節を切開するのに一番簡単なのは波刃のナイフだったりする。切れ味だけを言うと実は波刃は最強ナイフで、刃がつるつる滑って切り込めない部位も波刃だとサクサク切断できて手早いのだが、研ぐのが大変なのでここぞというときだけしか使えない。研ぐときのことを考えて片側だけ削り落として波刃にしてあるナイフがお勧めだ。研いでいるうちに波が無くなってしまったら買い替えるしかないが。
・ジップブレードナイフ
弓型に反っていて刃は内側についていて、先端は刃がついていなくて丸くなっている。内臓に傷をつけず皮を切り開くため、刃を上に向けて腹や四肢を切り開くときに使う。ガットフックよりは使いやすい。
しかし出番はここだけである。他の用途がない。特に真冬の北海道の猟期で大柄の毛皮が厚く皮の下に脂がのったエゾシカには……。
他のやり方でいくらでも代用が効くので別になくてもいいナイフ。
・フィレナイフ
弓型に大きく反って刃が薄く細くて長い「包丁」。
海外動画の解体シーンを見るとこれを使って素早く解体している場面を多く見る。ドロップポイント、スキナー、ボーニングの機能を全部備えている万能のある意味理想のナイフであるが、動画を見ればわかる通り共通しているのは「解体場で使っている」こと。
こんな危なっかしいナイフを猟場で使ったり所持して持ち歩けるわけがない。
残念ながらあくまで解体所で使うことを前提とした「包丁」である。
・クリップポイント・ボウイナイフ
切っ先の背を削ることで先端を思い切りとがらせたナイフである。サバイバルナイフもこれに含まれる。刃もグリップより長いファイティングナイフで、解体では結局先端しか使えず危なっかしく今にもケガをしそうで、正直見ていられないのでお勧めできない。「接近戦では銃より速い」と思うなら止めはしないが、そうしてヒグマを仕留めた実話があったらいいなあとは思う。
※2023/10/31 北海道で登山客のグループがヒグマに襲われ、一人がナイフで反撃したことでヒグマが逃げ、被害者は数名の軽傷で済んだ事例が発生。ヒグマは他の登山客の遺体と共に死体で発見され、喉元を刺された失血死がヒグマの致命傷になったと思われる。ヒグマに人間が反撃できた稀有な例。
・スイスアーミーナイフ
事実上ビクトリノックス一社になってしまったいわゆる十徳ナイフ。
アーミーナイフの名の通り元は銃のメンテナンスもレーションの開封もやる兵隊さんに支給されたアウトドアの必需品であり、ハンターが使ってもその高い実用性と信頼性は変わらない。
筆者は好きだし解体にも使うし必ず持っていくのだが、なぜか他に所持している人もハンティング動画でも見たことがなくハンターには全く人気がない。ガチのハンティングナイフには負けるが、上手に使えばそれこそこれ一本で済む理想のナイフになるはずなのだが。
ドライバーやノコギリや波刃が役に立った場面は何度もある。解体には使わないとしても本来のアウトドア用途として一本持っていたいところである。
厚さは2~3層のある程度用途を絞られたラージサイズでメインブレードがロックでき、ノコギリがあると良い。ガットや関節やロープも切れる波刃が別に付属したハンティングモデルもネーミング通り非常に便利である。
このような折り畳みでナイフ、ノコギリ、ジップブレードやガットフック、あるいは腸抜きやチョークレンチなど銃のメンテナンスや解体に使える刃をまとめたハンター向けナイフは、猟銃メーカーからも発売されているので探してみるのも楽しい。
・カッターナイフ
世界で一番よく切れる万能ナイフである。
切れ味だけならこれが最高。コスパ最高。研ぎ直す必要も無く、刃の長さを自由自在にできるナイフなどこれ以外に存在しない。エヴァや進撃の巨人にも登場した最高の刃物である。使うならもちろん幅18mmの「大」のほうだ。
ただし切れすぎて毛皮は突き破り内蔵は傷つけ膀胱を破り大便は腸からはみ出し毛は剃れて肉に混じる。力を入れすぎると折れるし直刃しかないので何に使うにも恐ろしく使いにくい。使いこなしている人がいれば逆に最終的にこれに行きついたかなりの達人と言えよう。
・包丁
世界中の料理人が肉を切るときは包丁を使う。
分厚くカッコいいハンティングナイフを料理に使っているコックなどいない。肉を切り分けるのにこれより優れた刃物など存在しないのは明白である。
ただ現場で持ち歩くには鞘もなければ大きさも長いし刃も薄くて曲がってしまうので、何かの必要があって枝を切ったり削ったりロープを切ったりなんて用途には使えず解体特化にならざるを得ない。ハンターが持ち歩くなら包丁である前にまずアウトドアナイフであることが前提なのだから「ハンティングナイフ」というものが存在する。
この包丁を短く削りなおしてナイフにすると最高の解体ナイフになるが、それは結局スキナーナイフだったりボーニングナイフだったりするので本末転倒なのだ。内心、解体に使うだけだったら業務用の骨すき包丁が一番いいんじゃないかと思うことはある。使ったことはないが。
ちなみに筆者が「結局これが一番」と最後に使うことになるのが、台所で長年研ぎすぎて短く細くなってしまったのでスキナーの形に削りなおし、#1000番の砥石で荒く研いだ古い貝印のステンレス包丁である。
こんなものは使いたくないのだが、筆者にとって一番使いやすいナイフは包丁なのだ。ハンターとしては認めたくない事実である……。
結論を言うとハンターがナイフを選ぶ理由は、実は「どれが一番カッコよくて自慢できるか」なので、各自の美学に任されるべきであり、他人は口出し無用だ。銃同様、人が使っているナイフにケチをつけてはならない。(だったら書くな)
●砥石について
刃が潰れたり欠けたりしたら荒砥#200~400も使いたいが、通常は包丁用の中研ぎ#1000、仕上げ#3000ぐらいが裏表になっていればハンティングナイフ用としては上々で、これで奥様が毎日料理で肉や野菜を切ってくれていることを考えれば新聞紙を裁断できる鋭さは不要であることがわかると思う。実際刃物メーカーから販売されている包丁用砥石は#3000が一番細かい。
プロショップで買える#8000とか#12000とかの砥石はカンナなどの奇麗な仕上げ面が要求される木材加工のためのもの。これで砥いでブッシュクラフトで焚火の前に薄く美しいフェザースティックを削り出せるのはわかるが、ハンティングナイフには過分である。
※あと革砥はやめよう。あれは床屋さんがお客様のお肌に傷をつけずに髭だけ剃れるように刃のギザギザをならしカミソリの刃を滑らかにするためにやるもので、獲物の毛皮を切り刻むのが仕事のハンティングナイフにやるとかえって切れなくなり逆効果。
床屋は革で滑らかにし、肉屋はシャープナーでギザギザに荒らしている。やってることは真逆なのだ。
●ナイフと銃刀法
ナイフは犯罪によく使われるため今までも様々な規制がかかってきた。現在も所持そのものが違法なのは刃渡り15cmを超えるもの。バタフライナイフ、飛び出しナイフ(刃がスプリングで開く)、諸刃のナイフ(ナイフの背にも刃がつけてある突き刺し用ダガーナイフ、投げナイフ等)、などがある。
法律上の「刃渡り」とは、グリップから刃先までを測られてしまい、「先っちょしか研いでない」というのは認められない。法律の範囲内だとしても所持しているところを警官に見つかりダメだと言われれば事実上ダメであり裁判するしかなくなる。警察と裁判すると弁護士費用が枯渇するか老齢で死ぬまで控訴され事実上勝ち切れないので避けたいところ。
またなにかナイフが犯罪に用いられることがあれば、そのナイフが所持禁止となり、全国のナイフを業務に使用する人たちに多大な迷惑がかかる。諸刃のナイフが禁止になったときは海産、その他に従事する人が今まで使っていたものを泣く泣く処分することになってしまった。
銃同様、くれぐれもナイフを犯罪に使用しないことをお願いしたい。




