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【旧版:リメイク版投稿中】破滅フラグしかない悪役奴隷商人は死にたくないので回復魔法を修行します  作者: みんと
第一章

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第20話 俺も昔は――【サイド回】


【sideドミンゴ】


 ある日のことだ。俺たち冒険者組三人が、クエストから帰還し、酒屋で祝勝会をあげていたところ――。


「カンパーイ! いやぁ、今日も頑張ったなぁ。オットーのあの弓は最高だったよ」

「いやぁ、ドミンゴさんの動きもすごかったですよ」

「リバイアサンの脳天に直撃! あれはすごかったなぁ」


 そんな話をしていたところ、口を挟んできた男がいた。


「はは、リバイアサンか。懐かしいな。お前たち、ひょろそうに見えて、リバイアサンを倒してきたのか?」


 男は、口ひげを蓄えたダンディな男で、車いすを押していた。

 かなり酔っ払っているようで、顔が鼻先まで真っ赤だ。


「ああ、そうだが……。あんたは? あんたも冒険者なのか?」

「いや、俺も昔は、あんたらみたいな冒険者だったんだが、この通り、ひざに矢を受けてしまってな……。今はこうして、飲んだくれをやっている」

「そうか、よかったら一緒に飲むか? いっぱい驕るよ」

「お、それはいいね。どれ、昔話を披露しよう」


 それから、男は酒を飲むと、冒険者だったころの話をし始めた。

 男の話はどれも興味深く、まるで神話に出てくる英雄の話をきいているみたいだった。

 彼の名は、マードックといった。

 マードックの話によると、彼は昔Sランクの冒険者だったという。


 俺たちが今てこずっているモンスターについても、話をしてくれた。

 ブラッディグリズリーの弱点を教えてくれたり、実のある話がたくさんきけた。

 マードックが足を失う羽目になった事件についても、教えてくれた。

 ゴブリンアーチャー・エリートが放った毒矢が、マードックのひざに直撃したのだそうだ。

 普通の回復魔法もきかずに、切断を余儀なくされたらしい。


 マードックほどの冒険者が、足を洗う羽目になったというのは、残念に思う。

 彼ほどの冒険者なら、Sランクのもっと上、SSランクすらも目指せただろうに。

 しかもマードックの腕は、話をきくかぎりだと、かなりの猛者だ。

 俺たちは3人でAランクだが、マードックはソロでSランクまで上り詰めたらしい。

 話をきいているうちに、俺はだんだんマードックに感情移入していって、彼のことがたいそう気の毒に思えてきた。マードックはいまだに飲んで、冒険者だったころの昔話をするくらいだ。冒険者に対して、まだ未練が残っているように思えた。

 そこで、俺はある提案をしてみることにした。


「マードック、もしよければ、その足を俺たちの主人に見せてみないか? きっと、エルド様なら力になれるはずだ」

「おいおい、お前たち奴隷なんだろ? そんな、主人を使うような真似していいのか? 主人に命令するとはなにごとか! と怒られるんじゃないか?」

「いや、エルド様なら、そんなことは大丈夫だ。きっと、話をすれば回復魔法をかけてくださるはずだ。エルド様はまるで天使のようなお方だからな」

「そうか、そこまで言うなら、お願いしようかな」

「ああ、今日帰ったら頼んでみるよ」


 俺はマードックにそう言って、約束をした。





 エルド様にマードックの話をすると、二つ返事で快く引き受けてくださった。


「なるほどな、事情はわかった。たしかに、それはもったいない話だ。その男を連れてこい」

「エルド様……! ありがとうございます!」


 やはり、持つべきものは理解のある主人だな。


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― 新着の感想 ―
[一言] side回ばかりで同じ話を何度も聞かされている気分です。正直多すぎでクドイです。 物語りの展開はもう1 ひねり2捻りあると良いですね。テンプレって奴ですかね。
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