表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/20

プロローグ 1

すのーでいずの息抜きに、異世界モノが書いてみたくなりました。


こちらも楽しんでいただければ幸いです。

 ええと……此処は何処でしょう? 


 

 目が覚めたそこは――



 一面に木、木、木! これでもかという程の森の中です。

 微かに漂ってくる風が、キツイ深緑の濃い匂いを運び、今が初夏に近い季節なのを想像させます。

 その風は少し暖かく水気を含んでいたので、きっと近くには水源でもあるのでしょう。


 

 私は、とりあえず吹いてくる風の方に向けて歩いてみます。


 

 暫く進むと、そこには予想通りの澄んだ一面の湖がありました。

 綺麗な水面は僅かに揺れています。

 そして、その水面には知らない人が写っていました。

 正直、他の人が居たことに少しホッとします。



「すいません。失礼ですが此処がどこか教えて頂けませんか?」 


 

 相手は、無反応でした。小首を傾げて困った顔をしています。



「ひょっとして、日本語が判らないでしょうか? うーん。困りました」



 何故なら、湖に写る女の子は、美しく白い肌、腰まで伸びた銀髪と透き通る印象的な碧眼をした、同性の私からみても綺麗と思える程の、日本人離した容姿をしてたからなのです。

 着ている服もあまり見たことがないような、袖の無いワンピースでしたしね。



 やはりというべきでしょうが、相手は又も反応が無いです。

 本当にどうしましょうか……

 って、あれ? 今気付きました。

 水面に私の姿が写って無かったのです。

 キョロキョロ左右を見ても、先程の女の子の姿は見当たりません。

 湖を見た時だけ、その子は姿を現すのです。 

 ああ、なるほど!



「えええええええええええええええええええええええ!!」



 絶叫が辺り一面に響き渡りました。

 それはもう鳥がバサバサと飛び立つ程ですよ。



「どうなってるの? 私なの? これ? えええ、でも――」



 混乱しながら、自分の体を触って確認してみました。

 そこには、確かな質感があり、水面に写る少女も同じ動作をしています。

 そして、程良く育った胸も感じられました。

 う……なんでしょう? ちょっと嬉しかったりします。

 決して、元がペチャパイだの、コンクリートロードとか言われてたからでは無いですよ!

 しかし、どうやらこの体は私のモノに間違いないみたいです。

 今迄散々馬鹿にしてくれた友達にこの胸だけでも見せてあげたいぐらいですね。

 さて、そうなると本当に困りました。

 聞く相手を失ってしまったのです。


 

「う~~ん。う~~~~ん。う~~~~~~ん」



 唸っていても、何も状況は変りません。

 すると、湖の中心あたりが光り輝いてきました。

 太陽の位置は、真上から少し横にずれた場所ですし、まるで関係の無いものみたいです。

 その光は徐々に強さを増し、遂には目を開けておくのも辛い程になりました。

 そこで、嫌な予感がするので、近くの木陰に隠れることにします。

 こういう場面、大抵何かロクデモないものが出現すると相場が決まっているのです。

 係わらないほうが良いのですよ。



 光が収まると、これでもか! というぐらい胡散臭い存在が現れました。

 案の定という奴です。


 

 白い翼を生やし、長い金髪と女性らしいラインを清楚な白い服に包み、頭に黄色の輪などが乗っているところ見ると、良く世間で言われるところの天使というモノの姿に近いかもしれません。


 

 彼女は、先程私がしてたように、キョロキョロと左右を見て誰かを探しているみたいです。

 やはり、近付かない方が良いでしょう。

 私はこれでも16歳の夢見る乙女なのです。

 このような展開に心辺りが無い訳ではないのですよ。

 どうせ、やれ勇者になって魔王を退治しろだとか変な難癖をつけられるに決まってるじゃないですか。

 あっかんべーって奴です。


 

 暫くたって、諦めたのでしょう。

 先程の怪しい飛行生物は他の場所を探すことにしたみたいで、去っていきました。

 ふぅ……やっと肩から力を抜くことができます。

 少し緊張したことで、喉が渇いてきました。

 この湖の側には緑が生い茂っているので、飲んでも大丈夫そうですね。

 以前本で読んだ知識によると、近くの木が死滅してたりするとそれは毒だということなので、安心して飲めそうです。

 透き通る色も美味しそうじゃないですか。

 

 湖の辺に屈んで、両手で掬いその水を一口含んでみました。

 舌に痺れた感触もないですし、大丈夫そうなのでそのまま飲み込みます。

 喉を通りすぎる水が乾きを癒してくれるのがとてもよい感じです。


   

 その時、ドン! という衝撃を背中から感じ、その衝撃で私は湖の中に落とされてしまいました。

「バシャン」と盛大な音が鳴り、又近くの鳥達が飛び立っていきます。

 これが日本なら、騒音妨害で訴えられてもおかしくないかもです。



「こら~~~! なんで隠れてるのよ! これじゃ私がいつまでたっても帰れないでしょ!」

 理不尽な理由で私は突き落とされたようです……   

 

※ 誤字、脱字、修正点などがあれば指摘ください。

評価や感想、コメントも是非にです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ