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【完結】Memory lane 記憶の旅  作者: 星野木 佐ノ


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第25話(1)

いつも読んで頂き、ありがとうございます。



ここから物語のスピードが上がります。

ここまで読んでくださった皆様に、面白かった、読んで良かったと思って頂けるよう、更新頑張って参ります。

よろしくお願いします。


 祐介は、普段の話し声よりもトーンを落として、ゆっくりと話し始めた。


「子供の頃、TVで超能力特集をやっていた。その番組に、顔と名前を伏せて出てきた、僕と同い年の少年が居たんだ。少年Kくん。彼は、人に触れると、その人の隠し事が見える。長く触れれば、過去が見える。触れなくても、たった今、心で思っている声は、普通にしていても聞こえる。少年は次々と出演者の心の声を読んでいった。最初は誰も信じていなかった。せせら笑うように、すごいわねえって、あしらうように。でも、出演者の手に触れた途端、彼は次々と見えたものを言い出した。その言葉の多くは一部音声を消されたものもあったけど、本人は顔面蒼白、こんなのでっち上げだって、怒鳴り始めた。それまで、薄ら笑いを浮かべて見ていた他の出演者まで顔が硬直して、少年に触られることを拒んだ。翌日のワイドショーや週刊誌では、その番組でのことや、出演者達の様子、そして誰よりも少年Kくんについての話題で持ちきりだった。やらせにしてはやり過ぎだ、とか。それで、真実を解明しようとした別の番組が、少年Kくんの所へ行った。けど、彼はどの番組にも出なかった。だから世間は少年を嘘つき呼ばわりした。やっぱりあれはやらせだったって」


 要は自分の呼吸を落ち着かせるかのように息を吐き出すと、目を伏せ、ゆっくりと顎を引いた。


「……一年の内に引っ越しを何度も繰り返したよ。でも、その度にTV局や雑誌社が押しかけてきた。俺なんかより、芸能人のゴシップを取り上げりゃあいいのに、あちらさん等は事務所の力であっという間に話題は消え去った」


「それも時がたてば少年の話題も収まった。少年と少年の母親が、精神科に通っているという記事が週刊誌に載ったことが切っ掛けだ。みんな、あの家族はやっぱり精神を病んでいた、嘘つき少年と叩いたが、それで収まった」


「丸一年、追いかけ回された。TV局や雑誌社が来なくなっても、それでも俺たちは引っ越しを繰り返した。俺が小六になった頃、この街にやっと落ち着いた」


 要は陰ってよく見えない祐介の顔を、眩しそうに目を細め見上げながら「それにしても」と、呟くように言った。


「よくそこまで詳しく覚えてるな」


 祐介は頭を下げ、短く笑い声を上げた。


「だって、僕は君を捜し続けていたから」


 上空を、飛行機がまた一機飛んでいく。今度は低く飛んでいるのか、先ほど飛んでいった飛行機よりも音が大きい。まるで龍神が低く呻き声でも上げているかのようだ。






最後まで読んで頂き、ありがとうございます!


同時進行でbooks & cafeが舞台の現代恋愛小説

『光の或る方へ』更新中!

https://book1.adouzi.eu.org/n0998hv/



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