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【完結】Memory lane 記憶の旅  作者: 星野木 佐ノ


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第21話(1)

いつも読んで頂き、ありがとうございます。





 日曜の昼過ぎ。

 要は住所が書かれたメモを片手に、閑静な住宅街の中を歩いていた。


「おかしいなあ……この辺のはずなんだけど……」


 くしゃみを一度すると、鼻をかんだ。二日前よりも咳も熱も収まったが、鼻水だけがまだ出てくる。軽く鼻を擦り、再び表札を見ながら歩き始めた。




 今朝、連絡網を引っ張り出して、堀田に電話をかけた。

 電話越しに堀田の顔が見えるのでは、と思えるほど堀田は驚き、動揺していた。


「悪いんだけど、二戸神の住所分かるか?」と訊いた要に対し、堀田は呆れた口調で「お前ら、友達なんだろ?」と言ってきた。


「この間なんか、ニコがお前の住所訊いてきたぞ?お前らさあ、スマホの番号とか教え合ってないわけ?」


 なんだか説教でもされそうな口調になってきたのが気にはなったが、要は素直に「いや、知らないし、教えてない」と言った。すると、受話器の向こうで深く、長い溜め息が聞こえてきた。


「おまえら、親友じゃねえの?」


「シンユウ?」


 要が初めて聞く言葉だとでも言うかのように片言で復唱すると、堀田は「違うのかよ?」と、驚いたように言う。


「少なくとも、俺にはそう見えてたけど」


 住所を聞くだけのはずが、思いもしない言葉が返ってきたため、要は戸惑った。堀田の言った「親友」という言葉が、祐介の顔をはっきりと思い出させた。それは、今まで親友と呼べる人物がいなかった要にとって、不思議な感覚だった。気がつけば、声を上げて笑い、口が勝手に動きだした。


「ああ、堀田の言う通り。俺はあいつの親友だ」


「じゃあ、なんでスマホくらい教えないんだよ」


「そんなものすら必要ないほど、仲良しだって事じゃん。ただ、今回は急を要する用事が出来ちまったの」


 笑いながら言っている自分を、心の中に居るもう一人の自分が、不思議そうな顔で自分を見ている。そんな自分に向かって、要は優しく微笑んだ。受話器の向こうで、堀田が「意味わかんねえ」と吐息混じりに呆れた声を溢した。







最後まで読んで頂き、ありがとうございます!


同時進行でbooks & cafeが舞台の現代恋愛小説

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