第17話(1)
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割れた食器を片付け終えると、「今日はありがとう。うまかったよ」と歌穂に背を向けたまま言った。
「何も、聞かないの?」
歌穂は囁くような声で訊ねた。
「……なにを?」
要は振り向かずに答える。
「見えたんでしょう。全部」
「……あんな一瞬じゃ、何も分からないよ」
「うそ」
「……嘘じゃないよ」
「じゃあ、なんでこっち向いてくれないの?」
歌穂は震え、怒ったような口調で言い、要は俯いたままゆっくりと振り向いた。頬を赤く染め、今にも泣き出しそうな顔をして要を真っ直ぐと見ている。
要は髪の毛をくしゃくしゃとしながら、頭を振った。
「見たくて見た訳じゃないんだ……」
「別に責めてなんかいないわ」
要は歌穂を悲しげに見つめた。歌穂はその顔を見て、ゆっくりと目を伏せ、呼吸を整えるように息を吐き出した。
「何が、見えた?」
歌穂は、はっきりとした口調で訊ねる。要は暗澹たる気分になりながらも、自分が見たヴィジョンから推測できたものを口にした。
「……援交、してるのか?」
歌穂は小さく首を横に振った。
「じゃあ……」
「私は、そのつもりはない」
歌穂の言葉に、要は困惑した顔を見せた。
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