第13話(1)
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「聞きたい事って、なんですか」
要は目の前に立ってる五人の男子生徒の顔を見回した。
数十分前。昇降口で、見慣れない上級生に声をかけられた。
「ちょっと、話しがあるんだ。付き合ってくれないかな」
「なんですか」
「色々聞きたいことがあってね。ここじゃあ、なんだから。着いてきてくれないか?」
愛想笑いとも着かない、嫌らしい笑いをふくんだ口元。「心の声」は、醜い言葉で埋め尽くされ、もはや普通の人間が解読できる言葉ではなくなっている。要は小さく息を吐き出すと上級生の言葉に応じた。無視をすれば、しつこく付きまとわれる。だったら、いっそう拳で黙らせるしかない。そう思った。要は、そこそこ腕に自信があった。子供の頃から絡まれやすく、幸い、運動神経も悪くはない。お陰で、いかに相手の攻撃をかわし自分に触れさせないか、自分でも相手に触れる回数を減らし、いかに素早く、一発で打ちのめせるかを、身体が勝手に覚えた。
五人か。
頭の中で、どうやって動くかを考える。相手がどう動くか、警戒心を緩めることなく、神経を尖らせる。
体育の時間、要に必要以上に触れてきた宮崎が、気味の悪い笑みを浮かべ口を開いた。
「お前さ、誰から聞いたんだ?」
「何をだよ」
「体育の授業中、耳打ちしてきたろ」
「ああ。レイプのことか」
要は無表情のまま答えた。胸の中は、せっかく祐介に洗い流された気持ち悪さが、再び蒸し返されていた。
宮崎は顔を赤黒く染め、目を剥き出しにし「レイプじゃねえ。同意の上だ」と唾を飛ばしながら言った。
「同意の上なら、なんでいちいち俺に突っかかる。俺の言った事なんて、無視すりゃあ良いだろ」
宮崎は鼻息を荒くし、何かを言おうとしたが、それを肩幅の広いがたいの良い生徒が止めた。
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