第9話(3)
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出だしから不快な描写があります。苦手な方は飛ばしてください。
要の見た宮崎のヴィジョンは、逃げ回る少女を追い回している映像だった。少女の服は乱れ、泣き叫んでいる。それは、一人二人所ではない。見えた限りでは、少なくとも、両手以上の人数だった。そして、最後に見えたヴィジョンがもっとも酷い物だった。あれはきっと、宮崎の妹だ、と要は思っていた。他の少女達よりも幼い感じで、宮崎に目元が似ていた。自分の妹にまで手を出しているのかと、要は吐き気を覚えた。宮崎に耳打ちしたのは、その妹のことを言ったのだ。
「おい、自分の妹にまで手ぇ出す餓えたケダモノ。お前の秘密バラされたく無かったら二度、俺に触るんじゃねえ」
着替えを済ませ教室へ戻ると、先程まで廊下にまで笑い声の聞こえていた教室が、一瞬でしん、と静まり返った。
体育の時間に起きた出来事で、クラス中が要を警戒していた。要が何をしたわけではない。むしろ、相手側が悪いことが多い。それでも、最終的には、いつも彼が一人になる。
静まり返った教室に、「藤森」と、祐介の凜とした声が響いた。
要は教室のドアの前に立ったまま、黙って祐介を見つめた。祐介はペンを二本と、ノートを数ページ破り取ると、「着いてきて」と言って教室を出て行った。祐介とすれ違った瞬間、微かな怒りを感じ取ったが、「声」までは聞こえてこなかった。要は戸惑いながらも、祐介の後を着いていった。教室に言葉の波が押し寄せ、ざわめきだした。まるで、何事もなかったかのように、笑い声が廊下にまで漏れてきた。
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