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【完結】Memory lane 記憶の旅  作者: 星野木 佐ノ


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第5話(1)

いつも読んで頂き、ありがとうございます。


同時進行でbooks & cafeが舞台の現代恋愛小説

『光の或る方へ』更新中!

https://book1.adouzi.eu.org/n0998hv/


こちらも宜しくお願いします!


 テレビ局の空気は嫌いだ。

 そこに渦巻くものすべて。

 満面な笑みを浮かべながら、平気で嘘を並べる大人。黒い言葉の波が、小さな体に押し寄せる。


「カナちゃん、本当に大丈夫?いいのよ、ママたち、最初からこんなことして欲しくないんだし。おじさんの言葉なんて、無視していいんだから」


「大丈夫。ボクがやるっていいだしたことだから。心配しないで」


「でも、カナちゃん、あまり顔色が良くないわ」


 本心から心配している声が聞こえてくる。

 これだけ不愉快な空気の中、母親の「心の声」だけが、要にとって救いとなっていた。

 一人の男がこちらに近寄って来た。


「いやぁ、どうも。えぇっと、君が要君?心が読めちゃうっていう?」


 男はいやらしい笑みを浮かべながら要を小馬鹿にしたように見た。その眼を、隣に立つ母親に向けた。男の眼の色が微かに変わった。舐めるように厭らしい目つきで母親を上から下まで眺める。


「あなたが、お母さん?いやぁ、お若いですねぇ。おいくつですか?」


「あの。いつ始まりますの?出来れば夕方には家に着いていたいんです」


 母親は男の質問には答えず、凛とした態度で男に向かって言った。その声は、どこか喧嘩腰だ。


「いやぁ、まいったなぁ。そんなに怖い顔なさらずに。もう間もなく、出演者が揃いますので、準備ができ次第始めますよ。要君の名前ですけど……」


「伏せてください。顔も。それ、以前も申し上げましたでしょ?」 


「ええ、そうでした、そうでした。でも、お母さん、名前出すといろいろ違ってくるんですよねぇ」


「そんなこと、こちらの知った事じゃありませんわ。こちらだって、生活がありますの。元々お断りしていたのを、あなた方が無理やり言ってきたことでしょ?出演するというだけでも、かなりの譲歩だと感謝して欲しいくらいですわ」


 母親の棘のある口調と声色が、男の顔をひきつらせた。男はひきつった顔で笑いながら


「そうですね。では、準備ができ次第、呼びますんで」


 それだけ言うと、男はそそくさとその場を離れた。


『ふざけやがって、たかだか嘘つきなガキだろうが。そいつを出してやるって言ってんだ、感謝はこっちがして欲しいくらいだね』


 そう、心の中で言いながら。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます!


続きが気になる!という方は是非ブックマークや☆、評価、感想など今後の励みになりますので、残してもらえると喜びます!よろしくお願いします!

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