ある中学生三人組視点
「なぁなぁ、ちょっと隣のコート見てみろよ!」
「え、隣? ……なんだ、カップルか」
「おい、虚しくなるからそんな話やめようぜ」
「いや、確かにカップルなんだけどさ! 今ちらっと見たんだけど女の人の方、めちゃくちゃ美人だった!」
「マジ? ……うっわ、ほんとだ。何あれ、背たっか顔ちっちゃ足なっが! もしかして芸能人かな?」
「けっ。イチャイチャしやがって。どうせあのデブ、大して動けねぇんだろ」
「ハハハ。てか、あんな奴にあんな美人な彼女おかしくね? なんか弱みでも握ってんじゃねぇのって……!? お、おいあの人、こっちに来るぞ!?」
「――――こんにちは。君達も、バスケやってるの?」
「「「!! は、はい!」」」
「そう……ごめんなさい。あの人は集中したら、雑音は聞こえなくなるタイプなんだけど、私は違うから。もしかしたら、今みたいにおかしな言葉が聞こえたら、つい手が滑ってボールがそちらへ行ってしまうかもしれないから、気を付けてね」
「「「( コクコクコクコク……!! )」」」
「それじゃ。邪魔してごめんなさい」
「「「(ホッ)」」」
「あ、あと」
「「「(ビクッ!)」」」
「……私とあの人がカップルに見えるの?」
「……え。て、てっきりそうかと思ってましたけど。違うんですか?」
「…………いえ。それならいいの。変なこと聞いてごめんなさいね」
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「…………あの人、こっちの声聞こえてたのか」
「めちゃ怖かったな。特に、あの目!」
「……にしても、戻っていくときの顔、見た?」
「…………おう」
「…………うん」
「「「…………超可愛かった」」」
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「……帰ってったな。隣」
「…………何だったんだ、あの二人」
「ただのカップルって感じじゃなかったよな」
「もしかして、結構有名な選手だったりするのかな」
「あの女の人、フォームが綺麗なだけじゃなくて、すんげーキレのある動きだったな」
「キレって言えば、男の方だろ。なんだったんだアレ、えぐい勢いで脂肪燃えてるぞ絶対」
「ハハハ! 動けるデブって奴か! かっけー!」
「え、ていうかさっきたまたま聞こえたんだけど。あの女の人、中学生らしいよ」
「「はぁ!? マジかよ!?」」




