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僕は振られた
「ぼっ、僕と、……つ、付き合って下さい!」
「え、ごめんなさい。無理です」
人生で初めての告白。
勇気を振り絞ったその行動に返ってきたのは、冷めた声の短い言葉だった。
余りのショックに呆然としていた僕は、なんとか声を絞り出す。
「そ、そんな! ……な、なんで……?」
「こっちからしたら逆になんで告白されたのかって感じなんですけど。はぁ……最低です。貴方と仲良くしてたのなんてそんなの、竜一君が居たからに決まってるじゃないですか」
彼女の言う竜一君とは僕の友達の沢村竜一のことだろう。同じ文芸部の僕達は一緒にいることが多かった。
けど、そんな、嘘だろ……。
「だいたい、先輩のことを異性として見たことなかったです。なんか……お父さん、みたいな?」
「うっ!?」
彼女の若干気まずげな、微妙な顔で放った言葉が胸に突き刺さる。
確かに僕はちょっと、そこそこ……いや、まぁかなり太ってるけどさ!
でもお父さんって…………。
「用って、このことだったんですか? じゃあ、もういいですよね。私帰ります」
彼女はスタスタと放課後の部室から出て行った。
「……ぁぁ……!」
僕は彼女を呼び止めることも出来ず、その場にどしんと膝から崩れ落ちた。




