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男女比があべこべな社会で生き抜く 〜僕は女の子に振り回される  作者: わんた
題名未定

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26/38

26話

短めですが書けたので公開します。

また、過去の文章の誤字脱字チェック&修正も引き続きやります。

「すごい量のメール……」


 ネットアイドルになる宣言から一週間。

 ミカさんの会社が運営してるwebサイトで恋愛相談の告知をしてから三日。

 僕は百通を超えるお悩み相談のメールを見て顔が引きつっていた。


「ねぇ。これはどうすれば良いと思う?」


 大量のメールに圧倒されて、僕の部屋でくつろいでいた楓さん、彩瀬さん、さおりさんの三人に声をかけてしまった。


「お困りですか?」


 最初に反応してくれた楓さんは、そう言いながら腰を少し浮かべると、体温が感じられるほどの距離まで近寄って座った。その瞬間、彼女から柑橘系の匂いが漂ってきて、一瞬心臓が跳ね上がってしまった。


 今までは、女性として意識することは少なかったんだけど、最近は近くにいるだけでドキドキしてしまう。でも、そんな態度を見せてしまったら間違いなく襲われてしまうので、冷静な表情を装って僕は話を続けることにした。


「うん。ミカさんから、このメールの中から答えられそうな質問を探してと言われているんだけど、百通以上もあると探すだけで一日が終わっちゃいそうだよ……」


「確かに多いですね……私はユキトの部屋でくつろいでいるだけで暇ですから、手伝いましょうか?」

「私も!」

「私もお手伝いします」


 楓さんの提案を聞いた彩瀬さん、さおりさんも僕に近づいて、声をそろえて手伝うことを手伝うことを宣言してくれた。


 ノートパソコンからメールをプリントアウトしてからそれぞれの主観で、答えられそうな相談を選別していく。

 そのなかには、ミカさんのチェック漏れで「男を働かせるな!」という誹謗中傷メールもあったけど、そういうメールはクシャクシャにしてからゴミ箱に入れて忘れることにした。


 手分けして選別していると、相談の内容は大きく三つに分類できることに気づいた。

 一番多かったのは、会いたい・ユキトを知りたい系。

 例えばこんな感じだ。


「私は今年20歳になる女性です。ユキトさんあなたの名前を見ただけで一目惚れしました。どうか私と会ってもらえませんか? 電話番号はXXX-XXXX-XXXXです。お会いしてくれたらなんでもします!!」


 一目惚れの使い方間違っているし、僕の名前を見ただけで惚れるって、どんだけ飢えているんだろう? それに、なんでもしますといっているけど、会ったらパクッと食べられちゃいそうで怖い……。


 この紙は丁寧に折り畳んでから不採用コーナーに入れた。

 二番目に多かったのは、ハーレム内のトラブル。


「今年15歳になる女性です。私は、とある男性のハーレムに入っていますが、同じ時期に入った女性が、私よりでかい顔をしているのが気に入りません。なんとか排除したいと思っています。男性に嫌われないように排除する方法を教えてください」


 これも恋愛相談じゃないよね……。

 女性同士の争いを止められるほどのコミュニケーション能力は持ち合わせていません。見なかったことにします。ごめんなさい……。


 そして最後は、まともな恋愛相談。


「私は今年45歳になる女性です。結婚はできませんでしたが、運良く二十年前に愛人としてハーレムのメンバーに加えてもらいました。ですが、最近は若い女性にばかりに手を出して、私のことを見てくれません。どうすればもう一度振り向いてもらえるのでしょうか?」


 お、重い……。


 このお仕事を引き受けた時は「好きな人にラブレターを渡したいんですけど、いつ渡せばいいですか?」といった甘酸っぱい恋愛相談が来ると思ってた。でも、現実は重い相談の方が多い。

 相談役として引き受けた以上、この手の重い相談も真髄に答えなければいけないのだろうけど、少しだけ気が重くなる。


 会いたい・ユキトを知りたい系は論外。ハーレムトラブルも一回目としては適切でないと判断して不採用コーナー行き。

 純粋な恋愛相談が二十件残ったので、今度は四人全員で一枚ずつ内容を吟味する。


「ユキト。男性が好む女性の体型についての質問なんてどうでしょうか?」


 そう言って楓さんが渡してくれた紙には、男性とっての理想的な体型について相談している内容だった。


「個人差がありそうだけど、僕なりの見解ってことでよければ答えられると思う。ありがとう。この回答を考えてみるよ」


「ユキト君……これなんてどうかな?」


 今度はさおりさんが紙を渡してくれた。内容は、「女性に抱かれても良いと思うシチュエーションを教えてください」という相談だった。


 前世では男性が女性を押し倒すシーンが多かったけど、この世界では逆転している。


 これはなんとなくで確証はないんだけど、女性は一度、性的刺激を受けると一気に性欲が高まり、解消しなければずっとムラムラしてしまうタイプの性欲を抱えているように感じる。そしてムラムラを解消させるまでは、下半身に振り回される。そんなイメージが強い。


 ちなみにこの仮説(?)のサンプル数は2。若い女性と一緒に暮らしていたらなんとなく察してしまうものだよね。


「ありがと。これも考えてみるよ」


 ちょっと横道にそれちゃったけど、さおりさんが見せてくれた相談は問題なさそうだし、これも頑張って回答を書くことに決めた。


「私も見つけた! これどう?」


 みんなに後れをとってはいけないと思ったようで、彩瀬さんは読んでいた紙を慌てて渡してくれた。


「ユキトさんは、どんな女性がタイプですか? ってこれは、最初に排除した、会いたい・ユキトを知りたい系だよね……」


「うん。でも、採用されればユキトが答えてくれるんだよね? 私、ユキトの好きなタイプが知りたいなぁって、思うの!」


 その一言を聞いて楓さん、さおりさんが勢いよく、彩瀬さんの方に振り向くと同じセリフを言葉にする。


「「その発想はなかった」」


 なるべく一般論として答えようとは思っていたけど、相談の答えには僕の好みがある程度反映される。そのことを利用しようと考えて、彩瀬さんは質問を選んだようだ。


 そういった視点からもう一度、「男性にとっての理想的な女性の体型」「女性に抱かれても良いと思うシチュエーションを教えてください」の質問をみると、「僕が好きな女性の体型」「このシチュエーションなら、僕のことを押し倒してもいいよ」と翻訳することもできる。


 ……恋愛相談の仕事を引き受けたのは早まったかな。


 僕がそんなことを考えているあいだに三人とも僕の方に近寄り、回答を書こうとしていたノートパソコンをのぞいている。


「ユキト。回答を書きましょう。そして、まず始めに私に見せてください」

「ずるい! 私の方が先だよ!」

「後でいいから私にも見せてもらえると嬉しいな……」


 興奮しているのか、三人とも鼻息が荒い気がする。


「相談の回答は、なるべく客観的に書こうと思っているから、読んでも僕の好みがわかるわけじゃないよ?」


「でも……ユキト君が回答する以上、自分が嫌だと思うことを書いたりしないよね? だったらやっぱり参考になるから見たいな……」


 さおりさんの指摘は正しい。

 言い返すことも出来ずに、僕は黙ってしまった。


「と、とりあえず回答は一人でかけるから、みんな部屋から出て行ってくれないかな?  みんながいると集中できそうにないや」


 そう言うと、しぶしぶとだけどみんな出て行ってくれた。

 さて、恋愛相談の回答はどうしようか。僕は腕を組みながら、当初予定していた以上に頭を悩ませていた。


◆◆◆


 今日は、恋愛相談の回答が公開される日だ。

 出勤時間に読んでもらえるように七時に公開する予定で、朝食の準備をしながら記事が公開されるのをまっていた。


 悩みすぎて回答を書くのに二日も使ってしまったけど、時間をかけたなりの内容にはなったと思っている。


 実は今、どのぐらいの人に読まれるのか楽しみだったりする。


「七時になりました。ユキト恋愛相談コーナーを表示します」


 タイマー設定をしていたので、時間になると音声システムのtamaがwebサイトを表示してくれた。コーナーのトップには僕のシルエットがあり、写真はないものの男性が答えてくれているような、そんな雰囲気が出ているデザインだ。


 ちょうど朝ごはんを食卓に並べたところだったので、すぐにスマートフォンを手に取りサイトを見ることにする。


「え? どういうこと……見間違えかな」


 時刻は七時五分。

 記事を公開してから五分だ。にもかかわらず、すでにシェアされた数は三桁を超えていた。なんとなくページを再読込してから、もう一度シェア数を見てみると今度は四桁になっていた。


 すごい勢いで増えていく数字に、喜びよりも先にちょっとした恐怖を感じる。


 朝食を食べ終わったあと、移動中や休み時間中でも気になってしまい、何度も記事にアクセスする。その度に、数字が増えていく。


 そしてお昼ご飯を食べている時に、ミカさんから電話が来た。


「先日お世話になったミカです。お話しする時間ありますか?」

「ユキトです。お昼休み中なので大丈夫です。何かありましたか?」


 女性からクレームが来たのではないかと思い、内心ではビクビクしながらミカさんの言葉を待った。


「海外のメディアから、記事を英語に翻訳して掲載したいと依頼が来ています。どうしましょうか? ユキトさんがよければ、弊社としては掲載の許可を出したいと思っています。もちろん、それ相応のお金はいただく予定です」


 僕の予想を良い意味で裏切る話だった。

 早くお金を稼がないといけないし、世界的に話題になってくれるのであれば、ネットアイドルを目指している僕たちにとっては好都合だ。断る理由はない。


「英語訳した原文をチェックさせてもらえれば大丈夫です」

「わかりました。その方向で調整します。英語訳が届いたらまた電話します」


 その日の夕方には英語訳した記事が、イギリスの恋愛メディアに掲載され、それが呼び水となって世界各国のニュースサイトにも掲載され、僕の恋愛相談コーナーは、たった一日で世界中の人に知れ渡ってしまった。


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