表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/134

リアの覚悟



エリシアがウェレスに呼ばれて、帝城へと向かっている頃。



リアは、ソファの上に寝っ転がっていた。



「んー、エリシアさんが居ないと暇ですねー」


「君は一体、どれだけエリシアが好きなのさ」



そう問いかけて来たのは、対面するソファに腰をかけていたアラストルだった。



「それは勿論、大好きですよ、大好き」


「そこまで執着するのは、ボクにはわかりかねるねぇ」


「そう言ってるアラストルも、エリシアさんに執着してるじゃないですか」


「んー、契約だからねぇ。ボクがこの世界で居られ続けるね。"まぁ理由はもう一つ"あるんだけどさ」


「理由……ですか」


「まぁ、エリシアにも君にも、レーマにも言うつもりは無いよ。話すと、ボクの昔話になるからねぇ」




アラストルはそう言った、リア的にはアラストルに大した興味は無いが、エリシアとなんの関係性があるのかはとても興味がある。




「まぁ、良いですけど。でも、エリシアさんは私のものですからね!」


「あー、うん。エリシアは君の好きにすればいいさ」



その様な、話を続けている時だった。




「ぐぅ……」



突如、魔法陣が姿を現し、そこからボロボロの姿のレーマが現れた。



「レ、レーマ……一体どうしたんですか?」


「レーマがボロボロになるなんて珍しいねぇ」



リアがレーマに近づくと、酷い有り様なのがよく分かった。


転移から暫くして、床に血溜まりが形成されていく、それ程の怪我だ。悪魔だから死なないだろうが、人間だったら死んでいた。



「レーマ、何があったのさ」



アラストルはレーマに問いかける。



「此方に向かってくる異常な魔力の持ち主を感知し、接触、その末に応戦になりました……」


「んで、負けたんだ」


「……申し訳、ありません……」


「まぁ、どうでもいいけど、それでそいつは今ど――」



アラストルが話してる最中だった。



一瞬、魔法陣が現れ、そこから何者かが飛び出して来た。



「ぐふぅ!」



それは、瀕死のレーマの上に飛び乗った。



「全く、君の部下は礼儀がなってないな」



それは、白銀の髪を持つ魔族の少女らしき人物だ。




「わざわざ会いに来て、ボクの眷属を半殺しにするなんて、ムカつくねぇ」


「急に襲って来たのは、そっちなんだけど……まぁ、擦り傷一つ負わなかったし、いいけどさ」




リアはその人物に思い当たりがあった。



かつて、一度だけ父の元へと訪れている時に、一瞥したのだ。



全ての魔族が畏怖と畏敬する者。



最優の魔族、蠱毒で生き残った怪物、人外の領域に踏み入った者。



人類にとっての害悪、魔族にとっての象徴。




彼女こそが、全ての魔族をすべる存在にして、現魔王。



フレイア・エルシオンであると。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ