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翼人の国




エリシア、アラストル、レーマの3人は、エストリア帝国の北部、魔国連邦との国境沿いにあるダロル高原まで来ていた。



暫く山道を通っていたエリシア達の眼前に平野が広がっているのが見えた。



「綺麗ですね」



エリシア達から見下ろす位置にあるそれは、木々が広がる森林と大小様々な、湖が広がる幻想的な光景が広がっていた。



「そうだね。ボクもここには初めてくるからねぇ」


「それでなんですが、翼人の国はあの辺でしょうか?」



エリシアが指差した遥か遠くの方に、巨大な二つの山が連なった地形が見える。



「話を聞いている限り、あの辺りにあるはずだね」


「しかし、随分と遠そうだ。丸一日はかかりそうだな」


「まぁ、いいじゃないですか。そもそも、ここまでくるのも結構かかりましたし……」


「そりゃそうなのだが」



エリシア達は、その様な会話をしながらも先へと進んでいく。






高原の森林地帯を三人は進む。


寂れて、だんだんと自然に返りつつある山道を歩んでいく。



本来はこの周辺に、エルフの集落があったと言う。



しかし、二十年前にドラゴンの群れが、この地にやってきて、エルフを殲滅したそうだ。


それ以降、エルフとの交易という重要性を失ったこの地は、人が殆ど訪れる事は無くなった。




それから暫く進んでいくと、アラストルが異変に気付く。




「何かこっちに、来てるみたいだねー」



アラストルはそう言った。



「来てるって……一体なにが?」


「なんだろうねぇ。随分と大きな物が空飛んで来てるんだけど」



恐らくはドラゴンだろうか。この辺りに生息している巨大な空飛ぶ存在はドラゴンくらいだろう。





その次の瞬間だった。



エリシア達の眼前に、黒燐を纏った体長10メートルを超える巨竜が空から急降下し、行き先を塞ぐ。




「人間がここまで来るとは珍しいな」




ドラゴンは、流暢な言葉で喋りかけてくる。



「なんで私達の前に……?」



エリシアは、話しかけながらも鑑定眼を発動する。




   ーーーーーーーーーーーーーーーー



  ハイ・ドラゴン


  レベル:63

  体力:1900

  精神力:1000

  魔力:600

  筋力:1650

  スキル:

  ユニークスキル:



   ーーーーーーーーーーーーーーーー




ステータス的に言えば、それなりの強者だろう。だが、エリシア達の敵ではない。




「人の子の肉の味が忘れられなくてな。耳長どもとは別種のようだが、大差はあるまい」



恐らくは、エリシア達を喰らおうというわけだろう――ならば。




「うりゃ」



エリシアは魔力変換を発動し、凄まじい速度で接近し、ドラゴンの腹部に一撃を食らわす



「うぐぐぅぅ!!」



ドラゴンの腹部に風穴が開く。



ドラゴンはその場に倒れ伏せる。




「おぉ、やる事がはやいね」


「敵意がある奴は速攻で潰します」


「エリシアも最初の頃と比べて変わったねぇ」


「まぁそりゃあ色々ありましたからね」




それにしても、まさかいきなりドラゴンに襲われるとは思っても居なかった。


それにしても、エルフやモンスターの姿は一切見えない。ドラゴンに滅されたと言うのも本当なのだろう。





「あの」



その時だった。


背後から声をかけられた。



そこにいたのは、緑の髪の持ち主で、10歳程度の少女だった。その少女の腰あたりから、純白の翼が生えていた。


恐らくあれが翼人なのだろう。




「ドラゴンを一撃で倒してたよね。実は物陰から見ていて」



どうやら、その翼人の少女にドラゴンを倒す様を見られていた様だ。



「いえ、まぁ確かに一撃で倒してましたけど……」



もしや、面倒ごとに巻き込まれるパターンでは? ふとエリシアはそう思ってしまう。



「お願い、 私達の国を助けて!」



やはりそうだった。

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