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第二十四話 傷つきやすい彼女と、言葉足らずな彼と、そして俺

前回予告宣言通りコメディです。

♪登場人物♪


 ♬彼女

 日英ハーフの超絶美少女。小学校低学年で英国から日本へ来日。入居先は彼の隣家。最初日本語がうまく話せないということもあったが、生来大人しい気質ですぐに傷つくメンタル弱子さん。ただしすぐに復活する。記憶力があまり継続しない傾向あり。家は名家のお嬢様。彼と俺とは同い年。


 ♬彼

 純日本男子。見た目は花丸だが基本無口。言葉を知らないのか使いどころがわからないのか言葉が足りない。気遣いも足りない鈍感人間。医者の両親を持ち、学業面は群を抜いて良い。俺の家からは歩いて五分の所にお手伝いさん付の豪邸の自宅あり。 



 ♬俺

 見た目平凡中身平凡平均的日本人。ただし優秀ではあるがいろいろ抜けてる彼のフォローにまわることに慣らされ先読み補足読み空気読みは一級品に。まさに日本人の鑑。途中からは美人ではあるがいろいろ抜けてる彼女のフォローをすることも増え、彼彼女と付き合ってるうちは苦労が絶えないであろう苦労人。



 上記内容確認の上、下記へどうぞ。




 ♯0歳


彼「あう」

俺「あううー?」

彼母「うちの子ホントに懐いちゃって。これからも仲良くして欲しいわ」

俺母「こちらこそ! 幼馴染の友達って、いいわよね~」



 ♯1歳


彼「あうう」

俺「はいはいよ」

彼母「かわいいわあ。何かおしゃべりしてるのねー」

俺母「何話してるのかしらね」



 ♯2歳


彼「あううあ」

俺「おにゃかすいたいってるよー」

彼母「あら、じゃあおやつにしましょっか」

俺母「本当に会話してたのねー」



 ♯3歳


彼「ねむ」

俺「もう眠いんだってー」

彼母「あら、じゃあお昼寝しましょう」

俺母「タオルケット持ってくるわねー」



 ♯4歳


彼「む」

俺「せんせー、こいつトイレ行きたいってさー」

幼稚園の先生その1「はいはい、すぐに連れてきますからね」

幼稚園の先生その2「よくわかったわねその一音だけで」



 ♯5歳


彼「な」

俺「おじちゃん、こいつこっちよりそっちがいいって言ってる」

彼父「……本当に、うちの子の通訳としてもらいたい……!」

俺父「あげんぞ」


 

 ♯6歳


彼「できた」

俺「あ、うちも。妹、弟どっち?」

彼「い」

俺「あ、うちも。妹同士も幼馴染決定だな」

彼「ん」



 ♯7歳


彼「ざんねん」

俺「小学校クラスわかれちまったもんなー」

彼「となり」

俺「ああ、今度新しい家建って越してくるんだろ? 同じくらいのとしの奴がいいよな!」

彼「ん」



 ♯8歳


彼「人間とは思えない」

彼女「……!」

俺「可愛すぎて人間とは思えないってさ」

彼女「……」


 ♯9歳


彼「食えない」

彼女「……!」

俺「せっかくクッキー作ってもらったのに残念だな。今虫歯で食えないんだよな」

彼「来月」

俺「来月くらいになったら大丈夫なはずだからまた作ってくれるか?」

彼女「……うん」



 ♯10歳


彼「その水着駄目」

彼女「……!」

俺「そんな可愛い水着着てたら他の子に見られすぎて嫌だってさ。後変なのに目をつかられても危ないから駄目だって」

彼女「……!」

彼「今度」

俺「今度もっといいの選んであげるってよ」

彼女「……うん」



 ♯11歳


彼「嫌い」

彼女「……!」

俺「ああ、違くて。おまえが嫌いなんじゃなくて、春は眠くて嫌いで夏は暑くて嫌い、秋はすぐに終わるから嫌いで冬は寒くて嫌いだって。ちなみに俺は冬が一番嫌かな」

彼女「私は夏……」

友達「お前らのその会話何なの」

 


 ♯12歳


彼「一緒は駄目」

彼女「……!」

俺「サプライズしたいからだって、……あやべ言っちゃった。まあいいか。そのプレゼント用意するので一緒には出かけられねーんだよ。だから、誕生日、楽しみにしてな」

彼「むう」

彼女「……うん」

俺「むくれんならお前もう少しうまく立ち回れよな!」



 ♯13歳


俺「そろそろお前も俺のサポートなしに普通に意思の疎通できるようになれよ。いつまでも一緒ってわけにはいかねーんだしよ」

彼「……!」

彼女「……!」

俺「……なんでお前までショック受けてんの?」

彼「俺を捨てるの?」

彼女「私を見捨てるの?」

俺「人聞き悪いなおい!」



 ♯14歳


彼「飽きた」

彼女「……!」

俺「いや確かに。ピアノの練習の成果っつても同じ曲一時間も聴かされてたら寝るわ。別のやって、別の」

彼女「うん」



 ♯15歳


彼「呆れた」

彼女「……!」

俺「いや確かにあの嫌がらせには呆れたわな。女の嫉妬ってホントこえー。よくお前も我慢してたよ、今までまじで」

彼女「……それでも一緒にいたかったの」

彼「言え」

俺「今後また同じようなことあったらもっと早く言えってさ。つかお前ももうすこし手加減しろよ、完全に相手びびってたぞ。ったく、なんでこんな奴がモテるかなあ。不愛想だし言葉も足りんのに」

彼「……呆れた?」

俺「そんな不安そうな顔しなくても見放したりはしねーよ。見た目とスペックはいいけど、中身はこんな残念な奴なのに、ホント、何でだろなー?」

彼女「……でも優しい、し」

彼「……や」

俺「あの、甘酸っぱい空気出さないでくれるか? 何か俺場違いな気がしてくるから」



 ♯16歳


彼「別れる」

彼女「……!」

俺「来年のクラス分け進路先別だから別れるなって……、お前らいつの間に付き合ってたんだよ。知らなかったぞ俺。ちょっとマジ、ショックなんだけど」

彼「一番はお前」

彼女「……私も」

俺「一番最初に報告したのが俺ってわけね、サンキュ。でもお前ら、この流れでそのセリフだと一番好きなのは俺的な意味になるからもう少し会話頑張れよ」



 ♯17歳


彼女「……二十五歳までに花嫁さんになりたい」

彼「駄目。嫌」

彼女「……!」

彼「卒業」

俺「高校卒業したらすぐって学生結婚かよ! 早すぎんだろ」

彼女「……!」

彼「ある」

俺「資金はあるって……、じーさんからの生前贈与分のか。いやそういう問題じゃねーって。結局は未成年だから親の許可も必要だしよ」

彼女「わ、私も貯めているお金あります。お父様にお話して了承頂きますね」

彼「俺も」

俺「え、何これプロポーズの場に立ちあってんの俺。なにこの残念なプロポーズ……!」



 ♯18歳


彼「結婚駄目だ」

彼女「……!」

俺「はいはい、二十歳までは待てって言われたんだろ。よかったな許可は下りて」

彼「うん」

彼女「はい」

俺「後はそのコミュニケーション値の低さをなんとかする努力をしろよ。前も言ったと思うけどいつまでも一緒ってわけにはいかねーんだからさ」

彼「……!」

彼女「……!」



 ♯19歳


彼「決めた」

彼女「はい」

彼「一年かけて準備する」

彼女「はい」

俺「あー、来年の結婚のか? 祝辞はやってやるから頑張れな」



 ♯20歳


彼「俺の籍に入ってくれ」

彼女「お願いします」

俺「……何言ってんの?」

彼「大丈夫、親には了承もらってる」

彼女「幸せにします」

俺「ほんと何言ってんのお前ら!? 何で俺がお前の籍に入らにゃならんの!」

彼「俺のが誕生日先だから」

彼女「私とも養子縁組できちんと親子に……」

俺「いやだから何で俺がお前らの息子にならなきゃなんねーんだよ!」

彼「お前とずっと一緒にいる為」

彼女「私達、あなたがいないと駄目なの……!」

俺「それは俺に言うべきセリフじゃねー!」

彼「お前を一番に優先するから」

彼女「もし子供が出来ても一番はあなただから……!」

俺「そういう問題じゃねーだろ!」

彼・彼女「「お願いだからずっと一緒にいて下さい」」

俺「さっさと俺離れしろー!!!」


「俺」は二人からのプロポーズ(養子縁組申し出)を断ることはできるのか! 以下次回に……は続きません。

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