第十話 おっさんと坊主、または叔父と甥
また意味のない話を書いてしまいました。
「おい、おっさん」
「おっさん言うなや」
「だっておっさんじゃんか」
「坊主もこの年になってみればわかる。坊主にとってはおっさんでも、おっさんがおっさんを自覚するにはまだまだな年だってな」
「屁理屈の多いおっさんだな」
「坊主もしつこい奴だな」
「それに坊主坊主っておりゃ坊さんじゃねーぞ」
「じゃあクソガキでいいか」
「あ、坊主でいいわ」
「いいのか」
「まあ、クソガキ呼ばわりよりゃな」
「じゃあ俺のこともおっさんやめれ」
「じゃあ何て呼ばれたいんだよ」
「あー、そりゃまあ普通に、おにいさん……」
「却下」
「何でだ」
「ハッ、笑えるし。おっさんがおにいさんと呼ばれたがってるなんて」
「んだとこら」
「何がおにいさんだよ、むさくるしい髭面こいて」
「髭面関係なかろうが」
「おっさんくさいんだよ、おっさん」
「だからおっさんじゃねーと何度言やあ……」
「なあ、お前ら」
「何、お父さん」
「何ですか、兄さん」
「その……、普通に名前で呼ぶとか叔父さんと呼ぶとかでいいんじゃないかね? と思うんだが」
「急に、何?」
「どうしたの、兄さん」
「……いや、お前らがいつまでもそうやって呼び方で言い争ってるから」
「え? 別に言い争ってなんかないけど」
「嫌だな、兄さん。別に喧嘩してるわけじゃないんだから」
「なー、おっさん」
「おう、坊主」
「と、言うことだから気にしなくていいよ、お父さん」
「安心してください、兄さん」
「…………わたしだけ丁寧に遇されるというのは、何か逆に疎外されているような気分になるんだが、気のせいなのだろうか……」
実は、九話にUPしようとし十話へ変更、十話にUPしようとし十一話に変更の「電車の怪」というタイトルの話があります。タイトル・ストーリーともにできてるのに話書けません。次回でUPできるか、もしくはずれ続けるのか、お楽しみに。




