最後の部屋
事態を理解できない。では天の声に質問しよう。
「仕組みが理解できないのですが。」
私は知らなかった。黄金の部屋の真実を。
天の声は説明を始めた。
『黄金の部屋はすべてこの仮想世界に繋がっているのです。そこでRPGをプレイしていただき、確実にクリア不可能と私コンピューターが判断した場合強制的に答えをNoに変更しています。これをゲームオーバーといいます。一度ゲームオーバーになれば二度と黄金の部屋を通過できなくなります。』
説明を聞くと納得できた。そして第五の部屋。最後の部屋へのドアを開ける。
最後の部屋は最初の部屋と同じ空港だ。時計を見ると残り時間は後三時間だということが分かった。するとアナウンスが流れた。
『ここは最後の選択の部屋です。実演はありません。最後の問題。必殺技はピンチになった時に使う物だ。』
机の上にあるタブレットで答えを選択しなければならない。答えは二者択一。冷静に考えよう。
Yesを選択しよう。
違う。このような安易な回答をしてはいけない。パラレルワールドという物を聞いたことがある。人は選択をする生き物だ。たとえば高校受験。商業高校。農林高校。工業高校など複数の選択肢がある。その中で志望校を決めなければならない。志望校として選択しなかった高校での高校生活は合格した時点で消滅する。
これも同じことが言えるのではないのか。
選択ゲームはパラレルワールドを作るゲームなのかもしれない。もしも思い込みだけで地方戦争で勝つというパラレルワールドを消滅させたとしたら・・
そのようなことを考えてももう遅い。気がつくのが遅すぎた。私は最後の選択をする。その答えは。




