選択ゲーム 1
私は部屋の中に入った。部屋の先にあった物は驚くべき光景だった。そこは空港だ。
目の前にはモニターがある。普通は飛行機の搭乗時間が表示されているはずだ。しかしそこにある言葉が表示されていた。
『選択ゲームにようこそ。』
ゲームという言葉に違和感を覚えた。この異空間に来た目的は修行だったはず。ゲームという言葉の意味を理解できない。
突然入り口のドアのランプが青から赤に変わった。モニターには次のメッセージが表示される。
『ゲームの説明をします。椅子に座ってください。』
指示に従い私は適当な椅子に座った。すると次のメッセージが表示された。
『それでは選択ゲームの説明をします。あなたはフローチャートをご存じですか。』
すると机にタブレット端末が現れた。それにはYes・Noと表示されている。
『それでは答えをタッチしてください。』
フローチャートというのは流れ図のことだったと思う。私はYesをタッチした。
『このゲームの目的は適切な修行内容を見極めることです。フローチャートというシステムを使い適切な修行内容を判断します。』
次のメッセージがモニターに表示された。
『これから二者択一の問題を出します。あなたの選択肢はYesかNoしかありません。答えだと思うドアを開けて次の部屋に進んでください。ただし後退は出来ません。慎重に選択をしてください。また次の部屋からは答えを選択した後に実演をしてもらいます。実演が終了してから答えを変更することも出来ます。問題は全部で五問あります。』
二者択一の問題を答えるだけのゲームだということを知り不安から解放された。しかし私は知らなかった。この単純なゲームの裏にある真意を。




