模擬戦 先鋒 前編
「では対戦フィールドに案内しましょうか。このリビングは狭すぎますから。」
私たちは地下室に案内した。模擬戦の舞台となるこの部屋は白い。窓はない。全員が部屋の中に入ると、宮本は話を進めた。
「まずは初戦。誰から行きますか。」
すると熊田が手を挙げた。
「俺から行く。ルールは異種球技。先にボールを奪った方が勝ち。守るボールは三種類ある。テニスボール。サッカーボール。ピンポン球。どの球を守るのかは、くじで決める。」
熊田はくじを私に渡した。
「シャッフルをしてくれ。」
私がシャッフルをしている間に、熊田はちょうどいい机を探した。そして私からくじを受け取った熊田は机にくじを並べた。
「さあ。宮本さん。くじを取ってください。」
宮本は一番左に置いてあるくじを取った。そして私たちに何を引いたのかを公開する。
「守るべきものはサッカーボールですか。」
熊田もくじを引いた。
「ピンポン球だ。」
すると彼女はボールを床に置いた。
「では始めましょうか。要するにボールを奪えばいいのでしょう。」
「凄い自信だ。」
熊田は感想を言うとポケットにピンポン球を閉まった。
「一分で勝利する。」
「では三十秒で勝利しましょうか。」
二人の対決が始まる。




