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269・はじめての かふぇ

|д゜)評価ptが減ったり増えたり

しているのは何で?(不安定)




「いやはや……

 例の魔力溜まり浄化装置の購入で来てみれば、

 あんなものまで作っているとはねぇ」


真っ赤な長髪の女性が、商談の場で対面の

相手に呆れるように語り、


「あれで中央の開拓地の森まで、一気に物資を

 運べるよう手配しております。


 辺境大陸の同盟諸国から導入したのですが、

 あちらではすでに、主要国の首都を繋げて

 いるとか」


ロマンスグレーの、イギリス紳士のような初老の

男性が、書類に目を通しながら語る。


ランドルフ帝国、帝都・グランドール―――


その王宮の一室で、ドラセナ連邦女帝・

イヴレットが、


ランドルフ帝国外務大臣である、

ダーリマ・トジモフと交渉を行っていた。


「しかし……

 ドラセナ連邦の女帝自らが来られるとは」


「どの国でも長年の懸念(けねん)であった、

 魔力溜まりだぞ?

 その解決策・技術と聞けば飛んで来るだろう。


 ま、本音は―――

 観光で羽を伸ばしたいというのが理由だがな」


彼女は笑って返し、大臣は苦笑する。


「そして正式な締結(ていけつ)に来たら、あんなものまで

 作っているというんだからな。


 まったく、ここ1・2年は驚き過ぎて

 忙しいよ」


「あの『鉄道』が完成いたしましたら……

 馬車で5日の距離を1日に短縮出来ると

 聞いております。


 しかも動力は獣人族の強靭(きょうじん)脚力(きゃくりょく)

 つまり、魔導具の魔力切れや故障を

 考えなくとも良いとの事になります」


そう言いながら外務大臣は書類をまとめ始め、


「へえ、魔導具を使わないんだ?


 つまりは単純な構造で動いているって事か。

 本当に面白いねえ」


「ええ、あちらからの技術は―――

 これまでの古い技術を見直す一助(いちじょ)にもなって

 おります。


 ところで、今後のご予定は?」


仕事が一段落し、彼がその話題を振ると、


「あー、身寄りのない子供たちの施設があるって

 聞いているからさ。

 それを視察して、参考にさせてもらいたいと

 思っている。


 奴隷制度がかなり縮小されたから、あぶれた

 子供たちはどうすんだ?

 って前にあっちの大陸の人間に聞いたらさ。


 ちゃんとそういうのを収容する施設があるって

 聞いて、連邦でもやっているんだけど……

 どうにも運営がね」


「ふむ。

 どのあたりが問題かお聞きしても?」


まとめた書類をテーブルに置くと、老紳士は

改めて彼女に向き直る。


「いやねえ。

 そういう子供たちの働き口って言うの?

 それで、足踏み踊りっていうのを教えて

 もらったんだけどねえ。


 それが人気出過ぎでさあ。

 むしろ孤児の子供だけじゃ足りないって

 状態になっちゃっているんだよ」


「あー、アレは効きますからなあ。

 わたくしも週に3日は通っておりますよ。


 そうですな。

 次、向こうの同盟諸国と何らかの交渉の際、

 聞いておきましょう」


そして二人はその後、いくつかの雑談を経て、

魔力溜まり浄化装置の契約は無事に行われたので

あった。




「あ、妻2人がこちらに来ていると

 聞いたのですが」


「ええ、いらっしゃっていますよ。

 こちらへどうぞ」


魔導爆弾の無効化実験に付き合った翌日―――


私は冒険者ギルドへの報告を済ませると、

児童預かり所をたずねていた。


薄い赤色の髪の、アラフィフの上品そうな

所長の案内で、そちらへと向かう。


もちろんその前に、各所に設置された

浄化水で手を洗うのも忘れない。


「メル、アルテリーゼ。

 今戻ったよ」


通された一室では、童顔の妻とモデルのような

妻二人が、それぞれ子供を抱いており、


「おかえりー、お疲れー」


「いろいろと人気者で大変だのう。

 ウチの旦那様は。


 それで……

 研究者どもはどうなったのだ?」


まあそこは確かに聞きたいだろうな。

また迷惑をかけてきたんだし。


「今、王都で環状(かんじょう)鉄道を作っているから、

 そこの事務方に回されたよ。


 計算出来る人間はいくらあっても足りないって

 言っていたからね。

 完全に研究から離されるわけだし、下手に

 数時間お小言をくらうよりはキツいだろう」


そこでシンイチ・リュウイチ……

二人の息子の頭を()で、


「あ、そうだリベラ所長。

 後でギルド長とレイド君が、お土産を

 持ってくるはずですので」


ここへは手ぶらで来たのだが、冒険者ギルドへも

お土産を手渡したところ―――

残りの児童預かり所行きのお土産を見て、

『じゃあこれは後で俺たちが持っていく』と、

ジャンさんが申し出てくれたので、

お任せする事にしたのだ。


「あ、ウチのも来るんですか?」


「まったく、ギルド長と次期ギルド長が、

 揃って動く事も無いでしょうに」


同室にいた、丸眼鏡にタヌキ顔のレイド君の

妻と、リベラさんが同時に呆れるように話す。


「あはは、2人とも心配なんですよ」


同室のやや離れたベッドで、亜麻色の髪を

後ろで三つ編みにした女性が話に加わり、


「というか、そちらの方々は?」


見ると、ルーチェさんの周りには何人かの

女性が囲うように立っていて、


「あ、この人たちは魔狼(まろう)です。


 彼女たちは、三つ子や四つ子が普通なので……

 ホラ、わたしが産んだのは双子でしたから」


そういえばギル君とルーチェさんの間に

産まれたのは、ルード君とルフィナちゃん、

双子の兄妹。


多産系の魔狼(かのじょ)たちからしてみれば―――

ルーチェさんは親和性が高いのかも知れない。


ケイドさんと一緒になったリリィさんも、

今やこの公都の安産のシンボルって(あが)められて

いたりするし……

それに三つ子・四つ子が当たり前の魔狼たちと

一緒に生活していれば、双子や多産に対する

風当りも少しは弱まるかもなあ。


「そういえば、魔狼のお子さんたちは

 元気ですか?」


新パパとなった私は、彼女たちに子供の話を

振ってみると、


「もー大変です!

 毎日大騒ぎですよ」


「ここのような―――

 児童預かり所という施設があって、

 本当に助かっています!


 魔狼の姿ならともかく、人間の姿で

 8人10人と面倒見るのはキツいですから」


ああ、そんなに多ければさぞ大忙しだろうなあ。

八人十人って……ん?


「え? 8人10人って?

 そんなに多かったでしたっけ?」


俺がふと違和感を覚えて質問してみると、

魔狼であろう彼女たちは顔を見合わせ、


「え、えっとぉ~……

 私たちも、あとせいぜい1回くらしか

 産めないって思っていたんですけど」


「フェンリル様のご加護か、それともここの

 環境が合っていたのか―――

 2回3回と頑張れてしまいまして」


そこでおずおずとメルとアルテリーゼ、

二人の妻が片手を挙げて、


「そういえば、この児童預かり所……

 子供が多くなったなーって思ってたけど」


「ちなみに魔狼は今、どれくらい子供が

 おるのだ?」


すると彼女たちは言い辛そうにしながらも、


「ウチは11人」


「私のところは13人ですね」


「こっちはまだ7人で―――

 あ、でもあと1回か2回くらいは産めそう」


ちなみに、公都で結婚している魔狼は基本、

マウンテン・ベアーにやられて群れの成人の

オスはほぼ全滅しており、


そのためにパートナーとして人間の若いオスを

求めてきたので……

夫はほぼ人間であるが、

(■49話 はじめての まうんてん・べあー

■50話 はじめての ごえいtoばしゃ参照)


俺は同じ父親として、彼らの苦労を察して

心の中で頭を下げた。


「し、しかしそんなに大勢だと、いろいろと

 大変なのでは」


「えー?

 そうでもないんじゃない?」


そこにちょうど魔狼の赤ちゃんを抱いた、

黒髪ショートの娘が現れ、


「あ、ルーチェ。ただいま」


「お帰りなさい、あなた」


同時に焦げ茶の髪の長身・細身の

ルーチェさんの夫、ギル君が現れ、


「おう、ここにいたか」


「パパが来たッスよ!

 ミレーヌ~!」


筋肉質のアラフィフの男性と、褐色肌の

黒髪の青年―――

ジャンさんとレイド君も姿を現し、


「だっ!」


「痛っ!!」


すぐにリベラさんが二人にチョップを

喰らわせて、


「外から来たのなら、ちゃんと浄化水で

 手を洗いなさい!

 シンさんは何も言われなくてもするのに」


新しく入って来た男性陣は肩をすくめ、

それを見て女性陣は苦笑を浮かべた。




「貴族に?」


「はい。それで自分は魔狼の子を何人か

 富裕層地区の家に預けて来たんで」


ギル君がソファに腰掛けながら話す。


ジャンさんたちとお土産配りを終え、

ひとまずそれぞれの子供を職員に預けて、


大人メンバーは応接室に集まっていた。


「人外や亜人を人間に慣れさせる一貫として、

 幼児や赤ちゃんを預ける事もしているんです」


「それと結構人気が高い事も挙げられます。


 特にここは、一線を退(しりぞ)いた貴族や豪商の

 方も多く住んでいるので、


 孫くらいの子供たちの面倒を見たい、

 という層も一定数いるんですよ」


ルーチェさんの後に、リベラ所長が続く。


「ほー、そんな事になってたの」


「子供の愛らしさは種族共通だからのう」


妻たちも感心しながらうなずく。


「確かに今は、亜人・人外専用居住地と、

 相互に体験生活させてもいますしね」


ミリアさんがレイド君に寄り添いながら、

飲み物に口をつけ、


「まあ問題は無いと思いますが……


 魔狼さんたちはどうですか?

 よそに預ける事に不安とかは」


すると人間の姿になっている彼女たちは、

バツが悪そうに、


「まあ無いと言えばウソになりますけど―――」


「実は結構いい稼ぎになったりして

 いますので」


そこでジャンさんが『ン?』と首を傾げると、


「ラミア族や魔狼、ロック・タートルの子供たち

 目当てに、児童預かり所に来られる貴族様や

 富裕層のお客さんもおりましたので、


 そこで私や職員との面談で、信用出来る

 方にだけ、決められた期日分お世話して頂いて

 いるんです」


「もちろん、魔狼のお母さんの合意も必要

 ですけどね」


リベラさんとルーチェさんが、母娘のように

同じ表情で微笑む。

何ていうかたくましいな。


「まあ、この公都の戦力相手に、バカを

 やらかすようなヤツはいないだろうしな」


「子供に何かあったら総動員で追いかける、

 っていうのは、公都の住人なら誰でも

 知っている事ッスからねえ」


今度はジャンさんとレイド君が、父子のように

ウンウンとうなずく。


「それに、すごくベタベタに可愛がって

 くれますので……」


「私どもにはもう父母はいませんけど、

 ああまで子供を甘やかしてくださると、

 断るのもしのびなくて」


狼とはいえ、赤ちゃんの頃は完全に子犬も

同然だからなあ。

人によってはメロメロになってしまうだろう。


「本当はお金なんかもらわない方針だったん

 ですけどね。


 ただ競争率というか争奪戦というか、

 あまりにも多くの人が望んだので、

 それで結局お金で優先順位を―――」


ギル君の説明に、あ、そういう事情も

あったのね、と納得する。


「シン、こういうのってお前さんの故郷じゃ

 どうなっていた?」


ギルド長が私に話を振って来て、


「いやいや、ギルド長ー」


「いくら旦那様でも、何でも解決出来る

 ものではないぞ?」


妻たちが呆れるようにジャンさんに

答えるが、


「う~ん。


 小動物目当てであるのなら、それとの

 触れあいを目的にした施設はありましたが」


「はい?」


「あるッスか!?」


私の答えに、ミリアさん、レイド君が夫婦揃って

驚き、


「え? マジであるのか!?」


「何であなたが驚くのよ」


ギルド長も聞き返して来たのを、リベラ所長が

ツッコミを入れ……

そして私はその説明に追われる事となった。




「いらっしゃいませー」


「いらっしゃいまちぇ」


「い、いらっしゃいませ……」


数日後、児童預かり所にある一室で、ある

(もよお)しが行われた。


そこは一種の喫茶店、カフェのような店構えで、


「か、可愛いいぃいいっ!!」


「おお、ちゃんと挨拶出来て偉いのう」


「見るだけで癒されますわぁ」


それを見て、若い人からお年寄りまで―――

目尻を下げる。


まず出迎えの挨拶をしたのは、五・六才くらいの

人間の子と、同年代のラミア族、獣人族。


そして客が室内に案内されると、


「おおっ」


「亀さんだー!!」


ロック・タートルの子供たちが、それぞれ

客をテーブルまで先導し、


また小さいお客さんは、そのロック・タートルが

そのまま背中に乗せて連れて行くというサービス

付きで、


客がテーブルに着くと、今度はハーピーの

子供が現れ、


「メニューをどうぞ!

 注文が決まりましたらお呼びくださいっ」


と、メニューをテーブルの上に置くと、

そのまま奥へ飛んで行き、


メニューは料理・飲み物ごとに色違いの

札が用意され、料理名が記されており……

それを取り出すシステムになっていて、


さらにそれぞれの札はテーブルに応じて、

番号も振ってあった。


注文するとまたハーピーが飛んで来て、

それを持って厨房まで飛んで行く。


それを待つ間―――

ラッチくらいに小さいワイバーンの子供や、

羽狐(ウィング・フォックス)と魔狼の赤ちゃん・幼児がやって来て、


「おっ、おお……!」


「これは……」


「えっ、ええぇっ!?」


彼らはお客さんの膝の上で、猫のように

丸くなる。


「お、お待たせいたしました」


親にくっついて公都に来ていた鬼人族の

子供や、ラミア族、獣人族といった、

亜人系の子供たちが料理を運んで来て、


「はー……」


「かっ、可愛過ぎる……」


「ねー、これ食べる?」


と、ワイバーンや羽狐、魔狼を膝に乗せたまま

お客さんたちは食事を始め、


その癒し空間を満喫(まんきつ)していた―――




「こりゃーなかなかの破壊力だね。

 特に羽狐や魔狼の子」


「うむ。

 あの小さくてモコモコした生き物に、

 (あらが)える者はいまいて」


「あの可愛さは反則!

 ゴールドクラスだよー。

 しかもあれだけの種類を取り揃えられたら」


それを児童預かり所の別の部屋で、

私は家族と一緒に見守り、


「亜人・人外各種族の子供たちによる、

 おもてなしをする店か」


「人外形態の子は、そのまま甘えるだけでも

 仕事になるッスねえ」


「子供を産んだ身としては余計わかるわ……!

 可愛くて可愛くて仕方が無いのよ」


ジャンさん・レイド君・ミリアさんも、

その攻撃力というか効果を認める。


「さすがに料理は、大人の人にやってもらい

 ますけどね。


 注文や運搬、接客は彼らにやってもらう、

 という感じです」


私が提案したのは、いわゆる犬猫やフクロウ、

小動物によるカフェで、


人外・亜人の子供が可愛いという方―――

それが魔狼の子ともなれば……

その気持ちはわかるので、


ならばいっそ、それを十分満足するまで

味わえる場所を作ろう、という事になり、


試験的にここ、児童預かり所で店を模して

やってみる事にしたのである。


「お客さんの評判は上々のようですね」


リベラさんも、最初はどうなる事かと

ハラハラしながら見ていたが、


うまくいっているのを見て、ようやく胸を

なでおろしているようだ。


「でもこんな店が出来たら、他の店は

 商売あがったりにならない?」


「うむ。

 間違いなく一定数は、こちらに流れるで

 あろうしのう」


「あー、そっか」


と、メル・アルテリーゼ・ラッチが今後の事を

心配するが、


「だから限定的にやろうかと思っている。


 一週間に一度、他の児童預かり所と持ち回りで

 やるとか―――

 それなら影響は最小限で済むと思うし。


 それに、ここで出すのはあくまでも軽食。

 ガッツリ系もお酒も出さないからね」


この各種族による子供カフェは大盛況になる

だろうけど……

それで他の店のお客さんを奪うのは避けなければ

ならない。


なので、今は公都各地にある児童預かり所で、

週一で順番にやっていけるようにと考えている。

それなら月四回だけで、他の店の売り上げが

大きく下がる事は無いだろう。


「そうですわね。


 それに職場体験も出来ますし、

 子供たちにもいい経験になると思います」


と、児童預かり所の所長からも好意的な答えが

もらえたところで―――

私たちは安堵のため息をついた。




「これはこれは……

 このようなところでお会い出来るとは

 思いもしませんでしたわぁ♪」


「あー、あんたは確かフラーゴル大陸の」


クアートル大陸の列強の一国、ランドルフ帝国。

その帝都グランドールで、


女帝イヴレットは、高級宿泊施設のロビーで、

その『男性』と対峙していた。


「本日はどのようなご用件でこの国へ?」


「ちょっとした商談だよ。

 ドラセナ連邦が商売以外で、動く事なんざ

 あるかい?」


からかうようにイヴレットは話すが、その

リーゼントのような髪型をした二十代半ばの

青年は、その黒髪を自慢気にかきあげ、


「商売繁盛で何よりですねぇ♪


 ですがぁ、どうもわたくしどもの国とは、

 ちょーっと前からご縁が薄くなっているような

 気がしましてぇ♪」


彼はクネクネと体を動かしながら返すと、

彼女は口にしていた飲み物を離し、


「ンな事言われてもねぇ。

 『労働力』はちゃんと提供してやってんだろ?


 こっちもあちこち手を広げ過ぎてさぁ、

 いろいろとウルサクなってんだよ」


ドラセナ連邦は、ウィンベル王国を中心とした

同盟諸国と歩調を合わせ、奴隷制の改善に舵を

切っており―――


それがため、人権を一切考慮しない意味での

奴隷の供給は、だいぶ前から取りやめていた。


「そんな事より、こんなところで油売っていても

 いいのかい?

 メナスミフ自由商圏同盟の官僚様がさぁ。


 人様に絡むヒマがあったら、儲け話の一つでも

 見つけて来たらどうなんだい」


「もちろん、そぉんな事を言われるまでもなく!

 このタクドル、あちこちに目をつけている

 最中ですわぁ♪


 聞けば辺境に、面白い事をする島が出て

 来たとかでねぇ♪


 いろいろと調査中なんですよぉ♪」


不思議な踊りを踊りながら、彼はやり取りを

続け、


「ああ、ウチも今いろいろとあそこからは

 仕入れている。


 商売としてはかなり太いぞ?

 何なら口を利いてやってもいいが」


するとタクドルと名乗った男は、クククと

笑い出し、


「ご冗談を♪


 たかだか数十万から数百万の小国連合が、

 まともな商売相手になるわけないでしょお?


 ま、使えそうなら使ってあげるだけですよ♪

 弱小国なんてその程度の扱いでいいんです♪」


なおもクネクネと腰を動かしながら、彼は

そう語るが、


「……もし、お前が言っている辺境とやらが、

 アタシの知っているところだったら―――


 下手な手出しはやめておいた方がいいぞ。


 もしどうしてもやるというのなら、

 遺書を先に書いておく事を勧める」


「あらぁ?

 ご心配なさってくださるんですかぁ?

 タクドルうれしいっ!


 ですがご心配なく……♪


 例の合同軍事演習でしたっけ?

 あの程度の事を危険視するほど、

 ウチはヤワではございませんのでねぇ♪」


それを聞いたイヴレットは、フー……

と深くため息をついて、


「せめて事前交渉くらいはしておけ。


 何か仕掛けるのは、それからでも遅くは

 ないだろう」


「ノンノンノン♪


 タイム・イズ・マネーですよイヴレット様。

 そんな手間暇を弱小国にかけてやる、意味も

 マネーも無いのでございますぅ♪


 それではご機嫌よう―――」


そう言いながら彼はまだ回るように踊りを

続けたまま、去っていった。


「あ~もう。

 せっかくいい気分だったのに台無しだよ。


 ま、警告はしてやったんだ。

 そこから先は知ったこっちゃ無いが……


 一応、万能冒険者に一報を入れておくか」


そう言って女帝は立ち上がると、ロビーを

後にした。





( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

本作品は毎週日曜日の16時更新です。

休日のお供にどうぞ。


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(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【女性冒険者パーティーの愛玩少年記】

https://kakuyomu.jp/works/16818093088339442288


ネオページ【バク無双】

https://m.neopage.com/book/31172730325901900


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894


【指】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330662111746914


【かみつかれた】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16818093073692218686


【ロートルの妖怪同伴世渡り記】【完結】

https://kakuyomu.jp/works/16817330666162544958


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― 新着の感想 ―
(*ゝω・*)つ★★★★★  次回が楽しみです!(*゜∀゜)=3  例の秘書さんs、カフェの常連になりそう(^_^;)
ドッグカフェ・キャットカフェは聞いたことがあります(あくまでも聞いただけです)けど、いつまでも居続けて回転しないってことはないんでしょうか? そうなったら商売上がったりになりそうで。
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