267・はじめての こそだてそうだん
|д゜)今回は子育て事情がメイン。
「……ほう。
あの中央の森で、大精霊様から開拓の許可が
下りたと」
大ライラック国、首都・マルサル―――
四ヶ国会談からひと月も経とうとした頃、
軍王ガスパードの元へモンステラ聖皇国から
報せが届けられた。
「ハッ!
書状には大精霊様からのお言葉で……
『争いや破壊のためではなく、共存という
考えの元であれば認める』
そう記されております」
会議の場で、長テーブルに座っていた上層部の
面々は、互いに顔を見合わせる。
「本当にいたというのか?」
「まあ、ここは聖皇国の顔も立てねばなるまい」
「これで共同開拓が始まるのであれば―――」
そう好意的な意見が口々に出され、
軍王も穏やかな顔で会議は進行していく。
「それともう1つ重要な情報が、
ランドルフ帝国から」
青年が次の書状を取り出し、それに目を通すと、
「何だ?」
「ようやく開拓が始まるというのに……
それ以上に重大な事でもあったか?」
訝しがるお歴々を前に報告者は恐縮しながらも、
「はっ、はい!
実はランドルフ帝国から中央の森へ行く
道中に、『魔力溜まり』が発見された
ようです」
すると途端に場はざわつき始め、
「それは厄介だな」
「迂回するより方法はあるまい」
「それについての計画遅延の可能性でも、
報告して来たのか?」
上層部は思い思いに反応するも、
「いえ、その『魔力溜まり』は―――
海の向こうの同盟諸国の1つである、
ウィンベル王国から提出された浄化装置で
解決したとの事です……!」
続けての報告に彼らは色めき立ち、
「何だと!?」
「『魔力溜まり』は各国の長年の懸念
だったはず―――」
「浄化装置とは何だ!?
それで『魔力溜まり』を消滅させたとでも
いうのか!?」
さすがに驚きを隠せず、幹部たちは質問を
報告者に浴びせるが、
「静まれ」
トップであるガスパードの一言で、
議場は静まり返る。
「『魔力溜まり』は、我が大ライラック国に
とっても悩まされてきた問題だ。
その解決方法が見つかったとあらば、
国としても全力で取得する必要があろう。
今はまだ共同開拓のための共同声明しか
出していないが、今後より関係を深めていき、
同盟が表明出来た時……
改めて技術提供を呼び掛ける事となろう」
軍王はすぐに道筋を示し、周囲はその発言に対し
うなずく。
「確かに、今すぐには無理でしょうが」
「解決策がある、という事がわかっただけでも
希望が見えます」
「そのためにも、この度の共同開拓は
何としてでも成功させなければ―――」
幹部連中がガスパードの発言に同調・同意して
語り出すが、
「あ、あのう」
報告者の青年が、言い辛そうに口を開き、
全員の視線が彼に集まる。
「何だ?」
「まだ何かあるのか?」
上層部の言葉に彼は緊張しながらも、
「そ、その『魔力溜まり』浄化装置に
関してなのですが。
すでにモンステラ聖皇国、ドラセナ連邦も
貸し出し要請を出していまして。
ウィンベル王国もランドルフ帝国を通じ、
応じる意向だそうです。
もっとも、適切な金額と引き換えになる
そうですが」
その答えに、『は?』『え?』と……
理解出来ない声が上がる。
「帝国は同盟諸国と同盟を組んでおるし、
そしてドラセナ連邦も同調して長いゆえ、
応じるのはわかるが。
モンステラ聖皇国はこの前まで、むしろ
敵対していたような状況だったのだぞ?
そんなにあっさり貸し出しを認めたのか?」
軍王ガスパードの問いに、彼は額の汗を
ぬぐいながら、
「か、貸し出すだけではなく、技術公開も行う
予定であるとの事、です。
それを受けて連邦、聖皇国両国とも―――
技術者の派遣を決定したとの事で」
報告者の言葉に、大ライラック国の上層部は
頭を抱え、
「本来なら軍事技術に匹敵するものだぞ」
「金を取るというが、それで済めば安いものだ」
「何を考えているのだ?
いったい、狙いは……」
と、薄気味悪ささえ感じ始めてきた時、
「それについての情報は無いのか?
そのウィンベル王国とやらが、いったい何を
考え、どのような理由で公開を決断したのか。
余が最も知りたいのはその事だ」
軍王の言葉に報告者は一瞬体を硬直させ、
「はっ、はい!
ランドルフ帝国も一度その事について、
ウィンベル王国に問い質した事があった
そうです。
するとそれは、あちらの同盟諸国の方針で
あるとする回答があったとの事」
「方針?」
ガスパードが思わず聞き返し、彼は汗だくのまま
説明を続け、
「はい。同盟諸国の方針で―――
災害や疫病など、世界的な危機に対しては、
国、種族、敵味方の区別無く立ち向かう
必要がある。
それに関する技術は独占を禁ずる……
との事でした」
報告者が語り終えると、どこからともなく
ため息が漏れ聞こえ、
「では我が大ライラック国も要請すれば、
その浄化装置は貸してもらえるのか?
いや、それだけではなく技術公開まで」
「すでにモンステラ聖皇国の要請も通って
いる事を考えると―――
可能だと思われます」
そのやり取りを聞いていた最高権力者は、
「ふむ」
と一言発した後、
「では我が国も早急に要請を出すべきであろう。
最優先の予算編成を組むがよい」
「ハハッ!
た、直ちに……!」
財務関係であろう幹部が、それを聞いて
議場から飛び出して行く。
「しかし、技術まで公開するとは」
「技術独占して装置の貸し出しのみにすれば、
どれだけ儲けられる事か」
「あちらの大陸は博愛主義なのでしょうか?
こちらとしては助かりますが」
と、一段落した安心感からか、楽観的な意見が
出始めると、
「そんな甘い考えでどうする」
軍王の言葉に、彼以外の全員が姿勢を正す。
「な、何か問題でも」
何とか一人が声を振り絞って問うと、
「世界的な危機に対する技術独占の禁止―――
当然これは、後に同盟ともなれば我々にも
課せられるだろう。
つまり我々も限定的な条件ながら、技術独占は
出来なくなる、という事だ」
ガスパードの言葉に彼らは互いに顔を見合わせ、
「で、ですが」
「それはあくまでも方針であって……
厳密的に従う必要までは」
「それにガスパード様の言われる通り、
条件は限定的です。
かわす方法はいくらでも考えられると
思われますが」
そう彼らは反論してみるものの、
「すでに余は、『魔力溜まり』浄化装置の
要請を出す決定をしたのだ。
その後、大ライラック国が理由を付けて
技術独占を図った、などという噂が流れれば、
国としての信用は元より―――
品格を下げる事に他ならぬ」
自分たちの時は助けてもらって、その後に
相手を助ける事を拒否すれば……
と、暗に幹部たちに伝える。
「そそ、それならばなぜ要請の即決を―――
いっいえ!
決して批判しているわけでは」
言外に、その事をわかっていながらどうして、
と一人が疑問を呈すると、
「必要だからだ。
『魔力溜まり』浄化装置は我が国に取って
必要だ。
先ほど余が申した条件を飲んででも、な……」
それからぐるりと軍王ガスパードは、幹部連中の
顔を見渡し、
「それに今後、四大国合同の流れは加速するで
あろう。
ならばその中にあって―――
大ライラック国の影響を強化する事を考えよ。
それともお前たちは、周辺の弱小国しか
相手に出来ない無能とでも言うつもりか?」
誰もその問いには答えられず、沈黙が続く。
「……違うであろう。
お前たちがこの場にいるという事は、
この国の命運を背負う人材である事の
証明である。
同格かそれ以上の相手と戦ってみせよ。
頭脳という武器を使った戦場でな」
そこで軍王以外の全員が立ち上がり―――
最敬礼の姿勢を取る。
それを見た軍王はひと息ついて、
「それと今後、別大陸を相手にしなくては
ならない場合も考えよ。
辺境大陸とは異なり、あちらは奴隷を
欲しがっているからな」
「確かに……」
「これからは大っぴらに奴隷売買は
出来なくなりますからな」
「特にフラーゴル大陸の連中との交易は奴隷が
中心―――
クアートル大陸の他三ヶ国、そして帝国の
同盟諸国にも動いてもらわなければならない
時が来るかも」
議題は別に移り、幹部連中は次々と着席して
会議は続けられた。
「『鉄道』を、ですか?」
『ああ。
ランドルフ帝国から中央の森まで通す
計画でな。
名目は物資輸送用のためだが、
それが通れば、各国直通の路線を通す
計画らしい』
ランドルフ帝国の『魔力溜まり』解決から
一週間ほど後、
私は公都『ヤマト』冒険者ギルド支部で、
王都フォルロワにいるライさんから、
情報共有のための連絡を受けていた。
「しかし、今はこちらの大陸でも
『鉄道』をあちこちで開通工事中ですよね?
ラミア族を貸し出す余裕なんて無いと
思われますが」
あのコンクリートもどきは、ラミア族に
土魔法をかけてもらうのが条件で、
(■220話 はじめての てつどう参照)
こちらの大陸での工事にほぼ全員駆り出されて
しまっていて……
フル稼働状態だ。
『ああ、あの新素材の石材の事か?
さすがにラミア族の動員まで考えちゃ
いねえよ。
それに彼らほどではないが、土魔法が
使えればそれなりの強度になるのを
確認済みだ』
「と言うと―――」
『新石材加工の技術共有はすでに、
ランドルフ帝国と締結済みだからな。
今回は『鉄道』技術に関して、新たに
提携したんだ。
もちろんタダじゃ無いが、あちらに取っちゃ
どうという事は無い金額だろうし。
金持ちの国は羨ましいぜ、まったく』
実際、こちらの大陸で一番人口が多いのは、
新生『アノーミア』連邦だけど、それでも
せいぜい200万人に届くかどうか。
それに引き換えランドルフ帝国は……
帝都グランドールだけで一千万を超える
人口を有する。
正直、こちらの同盟諸国全てを合わせても
帝国の人口の方が上なのだ。
「そういや、今どこにどれくらい『鉄道』は
通っているんだ?」
この部屋の主である、筋肉質のアラフィフの
ギルド長が話に入って来ると、
『主なものは―――
まずウィンベル王国と最恵国待遇を
結んでいる、ライシェ国の首都との間にも
すでに通っている。
他、新生『アノーミア』連邦とアイゼン国、
チエゴ国とクワイ国、魔族・魔界とユラン国の
間に建設中だ』
「へー、結構な数ッスね」
褐色肌に黒の短髪の、次期ギルド長の青年が
ライさんの言葉に相槌を打ち、
「魔族領って大丈夫なんですか?
自然環境が厳しいと言ってましたけど……」
私がふと思った疑問を口にすると、
『そこは仕方が無いので、地下に通すと
言っていた。
お前も言っていただろ、シン。
『地下鉄道』なるものがあるって。
それに魔族の協力もあるから、多分一番早く
開通するのがここだと思っている』
地下鉄までもか。
そういえば物資を使う陸上建築より、
穴を掘る方がこちらの世界ではやりやすく、
そしてコストもかからないんだっけ。
どちらにしろ、車両を通すための路線は
作らなければならないだろうけど―――
陸橋を作るよりは早く作る事が出来るはず。
『ま、どこも全面開通するのは恐らく、
2・3ヶ月ほど先だろう』
「いや、早いですね!?」
ライオネル様の言葉に思わず聞き返すと、
『そうか?
だってウィンベル王国が開通した見本が
あるんだから、そんなものだろう。
今一番足りていないのはラミア族だからな。
彼らの確保と移動に一番時間くってる。
まあこれが一段落すりゃ、最恵国待遇以外の
国同士とも路線を繋げていく予定だ。
今後1・2年かけてやるつもりだよ』
「ま、そうだな」
「やっぱりこういうのは時間かかるッスよ」
この世界の住人三名が、この世界の基準で語る。
通常であればこういうインフラ事業は、十年か
数十年かけてやるプロジェクトなのだが……
やはり魔法というのはチートだとつくづく思う。
『まあ、今のところ用件はそれだけだ。
もしまた何かあったら連絡する。
よろしく頼むぜ』
そう、とても前王の兄とは思えない軽い態度で
通信は終わり―――
私は改めてジャンさん、レイド君と向き合う。
「戦争が回避されたのはいいが、
今度はこういう感じで忙しくなりそうだな」
「戦争よりはいいと思うッスけどね」
モンステラ聖皇国側へは彼も参戦しており、
しみじみとギルド長の後に話す。
レイド君とはもう冒険者仲間というより、
戦友のようなイメージだ。
「そういやシン。
メルとアルテリーゼの調子はどうだ?
特にメルは初産だしよ」
ジャンさんが、人間の方の妻であるメルを
気遣ってくれる。
実は彼女とギルド長の関わりは長い。
両親が亡くなって身寄りも無く、冒険者か
奴隷落ちかの二択になっていた時……
ちょうど遠征依頼でメルの村に来ていた
ジャンさんが、冒険者にならないかと誘い―――
それが彼女がこの地で冒険者になった、
きっかけだと聞いている。
(■30話 はじめての けっこん参照)
だからメルに取ってはミリアさんと同じく、
父親と娘のような感覚なのだろう。
「そうですね。
ただ、今の私の屋敷には公都『ヤマト』の
婦人会の方々が、いろいろ世話を焼いてくれて
いまして。
交代で手伝いに来てくれているんです。
すごく助かっていますよ」
公都『ヤマト』の婦人会とは……
以前、児童預かり所までの移動手段や、
ハロウィンについて相談を受けた事があり、
(■240話・はじめての はちばこ
■253話 はじめての もんばん参照)
その婦人会の出産・子育て経験ありの方々が、
代わる代わるやって来てくれるので―――
家族としては非常にありがたかった。
もちろん、ベビーシッター代としていくらかは
渡しているけど。
「レイド君の方は?
ミリアさんとミレーヌちゃんは」
同じく新パパになった彼に話を向けると、
照れ臭そうに、
「日中は児童預かり所で、リベラ所長や
他の職員の方々が、2人とも面倒見てくれて
いるッス。
ルーチェとその双子の、ルード・ルフィナも
そうッスね。
特に俺たちはあそこで過ごしたんで、
安心して預けられるッスよ」
そういえば四人は身寄りが無く、孤児院で
育ったんだっけ。
それに母親代わりのリベラさんがいれば、
この上なく心強いだろう。
「まあおかげで……
俺たちがちょくちょく児童預かり所に
様子を見に行くと」
「『アンタたちはちゃんと仕事しなさい!』
『そんなに頻繁に来なくていいから!』
って―――
リベラ所長とミリア、ルーチェに
怒られるッスけど」
そう言ってジャンさんとレイド君は肩を
すくめる。
何ていうか、目に浮かぶようだ。
そこでしばらく私たちは男性陣で子供について
歓談し、冒険者ギルド支部を後にした。
ライさんから魔力通信機で連絡を受けた
数日後……
私は自宅の屋敷で、家族と一緒にとある
一組の夫婦と対峙していた。
「すいません、お呼び立てしてしまって。
本来ならこちらから出向くのが筋ですのに」
私が最初にまずそう頭を下げると、
「いやいや、お構いなく」
「赤ちゃんが産まれたばかりなんですから、
身軽なわたしたちの方が動いて当然ですわ」
ロマンスグレーの、アラフィフの男性に見える
レアンドロさんと―――
その妻で、真っ赤なウェービーヘアーの
キアーラさんがこちらを労る。
品の良い、初老の夫婦に見えるお二人は
ドラゴンであり、
今回、息子について聞く事があったため、
来て頂いたのである。
「まー、私も気になるしね」
シンイチを抱いた、アジアンチックな童顔の
妻と、
「この子の今後に関わる事じゃからのう」
抱いているリュウイチに視線をやり、
欧米モデルのようなドラゴンの方の妻が、
もう一人の妻と一緒にソファに座る。
「ボクも、弟に関係する事だからねー」
そして黒髪ショートに真っ赤な瞳の娘、
ラッチが私の隣りに腰をかけて、
とある相談がスタートした。
「ハーフドラゴンの身体変化について、か」
「例はありますけど、ごく少数ですからね……
確たる話は出来ないと思いますけど」
そう、このドラゴン夫妻をお呼びしたのは、
私とアルテリーゼの子供であるリュウイチに
ついて、
人間の姿で産まれてきたものの、ドラゴンの
姿になる可能性はあるのか、という事を
聞くためであった。
「もちろん、シンイチもリュウイチも大事な
我が子です。
それによって、扱いを変えるという事は
ありませんが―――
ただ私たちの子供として、先んじて
知っておけるのなら」
レアンドロ・キアーラさん夫妻はうんうんと
うなずき、
「無論、こちらもシン殿をそのような
御仁とは思っておらん。
まあ話せる事だけ話すとしたら、
恐らくドラゴンの姿になる事は出来るだろう」
「そうですわね。
そこのシンイチちゃんも赤ちゃんにしては、
かなりの魔力を感じますが、
リュウイチちゃんの魔力から考えますと、
可能性は十分にあると思います」
すると私の妻たちは顔を見合わせて、
「あ、やっぱり魔力量多いんだ」
「そりゃあ、シンと我らの子供だしのう」
そういうものなのかな?
私自身の魔力はほぼゼロだと、言われた事は
あるけど……
(■77話 はじめての さいだー参照)
「でもでも?
ランドルフ帝国の皇族さん?
その人たちがかつて、祖先にドラゴンの血が
入っていたって話だったけど」
そこでラッチが口を挟み、
「うん。
でも帝国に、そんな記録は無いって」
「我も確認したので、ドラゴンの血が
混ざっておるのは確実なのだがのう」
メルとアルテリーゼがそれについて疑問を
口にすると、
「個人差があるのかも知れんな。
それに、もし何代も前だとすると、
今は相当血が薄まっているはずだ」
「初代、二代目くらいなら普通に出来たと
思われるのですが―――
そのような記録も無い、と?」
その問いに私は両腕を組んで、
「そこまで詳細に聞いたわけでは
ありませんので……
ただ、もしあるとすればそれを隠すのは
不自然かと」
私の答えに、レアンドロさんは眉間に
シワを寄せて、
「隠す、か―――
なるほど、その通りかも」
「??
と言いますと?」
私が彼に聞き返すと、
「古来より、異種族間の混血は被差別対象に
なりやすいのだ。
恐らくは意図的に、歴史の闇に隠されたのでは
ないかと思われる」
「それは考えられますわね。
特に統治者が異種族または混血というのは、
それだけで反発する者もいるでしょうし」
それを聞いた私たち一家は思わず沈黙する。
実際に、ライシェ国の宰相であった
ミマームさんは、国民や他国への影響を考えて、
最近まで彼女がグリフォンであった事は
伏せられていた。
ウィンベル王国のドワーフ、ラファーガさんも
そうだ。
こちらは鍛冶師だから、そこまでの反発は
無いだろうけど、
それでも王国最高の鍛冶師が亜人と言われれば、
快く思わない連中もいるに違いない。
つまりそれらの理由から、トップシークレットに
なっている可能性があるのか。
「まあ『先祖返り』自体、タブーみたいな事に
なっていたしねー」
「ドラゴンの血を継いでいるという伝承は、
拍付けにもなろうが……
実際にそれが現象として現れた場合、
人々の見る目が変わるかも知れぬしのう」
そこで俺は身を乗り出して、我が子である
シンイチ・リュウイチの頭を撫で、
「せめてこの子たちが大きくなるまでに、
異種族との共存が当たり前の世界になって
いるといいな」
それを聞いて周囲の大人たちは微笑み、
「じゃーもしリュウイチの相手が出て
来なかったら、ボクがお婿さんにもらおう」
ラッチの突然の発言に思わず咳込む。
「ラ、ラッチ。いきなり何を」
「え? だって結婚相手に苦労するかもなーって
話じゃなかったの?」
「いやそれも含まれてはいるけれども!
リュウイチはお前の弟だろう!?」
私が正論パンチを繰り出すと、
「あー、そっか。
同じおかーさん同士だし。
じゃあシンイチをもらおう!」
「はいっ!?
た、確かにシンイチは私とシンの子だから、
厳密にはラッチちゃんと血は繋がっていない
けれど!
でもそういう問題じゃなくて!?」
「そそそそうじゃ!
それにラッチにはヘンリー君やダナン王子も
いるであろう!?」
今度はメルとアルテリーゼもパニックになり、
「いやそういう話じゃないし、ややこしく
なるから!」
するとそれを見ていたレアンドロさん夫妻は、
「おお、すでにラッチちゃんにはそんな相手が」
「最近の子は進んでいますのね。
それに女の子の方が積極的で―――」
「いやあのっ、それもちょっと違くて!?」
こうしてラッチの爆弾発言で場は混乱し……
落ち着くまでに時間を要した。
( ・ω・)最後まで読んでくださり
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