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玖、ようこそ神の湯へ~温泉にいこう後編~

 これが・・・。


 女湯なんという甘美な響きだろう。

 妄想せずにはいられない。

 湯のせせらぎに、湯けむりシルエット、白き肌にやわらかなふくらみ・・・。

 ほら、目を閉じてご覧、君達にも見えるだろう桃源郷への(いざな)いが・・・。

 めくるめく妄想想像イマジネーション。

 しかし、作者はひとつの過ちをおかした、この作品は全年齢対象だということを・・・ならば、どこまでいける?

 見せてもらおうか、エロおじさんの底力ってヤツを。


 ここは、女湯である。

 石畳の先には、全長50mはある巨大な露天風呂があった。

 夜の闇に包まれた湯屋に、光の粒子が舞っていて辺りを照らしている。

 それはまさに幻想的な光景で、女子たちはテンションアゲアゲだった。


 茜は小麦色の健康的な女子の身体から、少しずつふくらみと丸みをおびて大人への発展途上の過程を歩いている。

 桜は異世界へ来た事で、一郎同様に若返り、その美貌と柔肌は天女と見紛うばかりだ。

 フィーネは、ダイナマイトボディの持ち主で、神に位置する存在だけあって、美しさ若さを賜っている。

 フレアはエルフの若奥さん、白く透きとおる肌に、ほどよいオパイとおしりは、きっと旦那を喜ばせているんだろうと想像せずにはいられない。

 そして、サルタヒコ、年齢性別不詳のこの童子のような童女のような神は女湯にいながら、じっくりと女子たちをなんとなくいやらしい目で鑑賞していた。

 ディジーは母によりそい、皆で入るはじめの温泉に興奮しきりだった。


「はあ、いいお湯」


 桜は言った。


「やっぱ温泉は最高ね、なんてったって神の湯っ!」


 茜は湯船から夜の空に向かって両手を広げた・・・しかし、


「ねぇ」


 茜は、サルタヒコに言う。


「ん」


 鼻の下を伸ばす振り返るサルタヒコ。


「なんか、視線がいやらしいんですけど」


「んな、ことあるかい。ワシは神じゃぞ。なぁフィーネ」


 神は同胞に同意を求めた。


「・・・私も、サルタヒコ様の視線に危ういものを・・・」


「ばっ、馬鹿な、そうじゃ一郎の嫁、桜ならば、ワシの潔白を」


「視姦です」


「あわわわ、フレア」


「同意」


「ばっ、ばっ、馬鹿なワシは神じゃぞ!崇高な・・・」


「ちかん?」

 

 ディジーがトドメをさした。


「がっくし」


 サルタヒコは力なくうな垂れた。


「まあまあ、サルタヒコ様の視線は気にせず、温泉を楽しみましょう」


 フィーネはその場を取り繕う。


「異議なし」


 皆は言った。

 その時であった。


「おかあさーん」


 駆けてくるディド。


「あら、ディド」


「我々は、崇高なる任務ディド君を安全に母君に送りする為、結成され女湯のぞき隊でありますっ!」


 一郎の言葉の後、皆は最敬礼する。

 赤ら顔の者、真剣な眼差しの者、男たちは実にいい顔をしていた。


「アホかっ!」


 フィーネとサルタヒコの御業で、皆は男湯へ吹き飛ばされた。


「あれ~っ!」


「ばいばーい」


 ディドは勇敢な男達に手を振る。


「ふう」


 と、いい仕事をしたとばかりに、額の汗をぬぐうフリをするサルタヒコ続けて、


「なぁ」


 と、一言。


「なんだかなぁ」


 と、女子たちは呆れ顔で言った。



 精一杯(笑)。

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