捌、ようこそ神の湯へ~温泉にいこう前編~
男の浪漫。
温泉はいい。
特に露天風呂は最高だ。
湯けむりのシルエット、秘宝がそこにある。
たわわに実った果実がある。
混浴ならなおよい。
互いの恥じらいの後、一歩踏み出す勇気があればよい。
大介べぇ著「温泉はいいよな」より抜粋(嘘)。
そんな訳で暁屋の面々は露天風呂に入っている。
勿論、男湯、女湯に別れての湯治である。
ジェンダーレスのこの時代、女湯、男湯など線引きしていいものだろうか・・・と、作者はエロい視点から提案してみる。
だが、しかし、一方で男湯、女湯とあるからこそ、浪漫があるのかもしれない。
そうだから愛おしいのだ。
作者の異常すぎる(笑)感傷はさておき暁屋の面々はひとっ風呂入っている。
まずは、見たくはないが男湯の面子だが・・・。
一郎は、湯につかりタオルを頭に置いて、気持ちよさそうに鼻歌をうたっている。
ケンジは、恥ずかしいのか、股間をしっかりガードして隅の方で湯に入っている。
クレイブはディドと肩まで浸かり数字をかぞえている。
ギルモアはでかい図体で、湯船で泳いでいる。
アルバートは李の背中を流し、バリーは霊体ながら温泉を心ゆくまで楽しんでいる。
そんな中、一郎はモジモジしているケンジに気づく、
「おいケンジ、こっち来いよ」
「いや、俺は」
と、首を振る。
「ん、女湯を想像して、アレが大変なことになっているのか」
「んなことあるか」
「じゃあ、見せてみい」
一郎は、立ち上がると、のしのしとケンジの方へ歩く。
「あわわわわ」
ケンジは、ぐっと前かがみになる。
「ほ~らな」
一郎が確信を得た瞬間、
「きゅう、じゅうっ!」
クレイブとディドが10まで言い終えた。
「おとーさん、ぼく、じゃあ、おかあさんのところいってくるね」
「ああ」
「なんですと?」
皆に衝撃が走る。
アルバートは言ふ。
「こんな小さい子どもを一人で女湯にいかせるなんて、クレイブさん、アンタはどうかしている」
「へ?」
「そうだ、そうだ」
バリーは同調する。
「ふむ」「だな」と、李とギルモア。
「だったら、俺が」
ケンジが男(の部分)を見せた。
「ふふふ、ケンジも男よのう。よっしや、皆で行くか」
「おうっ!」
一部面々の酒の勢いもあって、男子一同は女湯へと凸することにあいなった。
いざっ!




