捌、暁屋発進
怒涛の・・・。
戦いに臨むメンバーがここ暁屋にいる。
皆、決意に満ちた顔をしている。
一郎は大きな疑問と一抹の不安を口にする。
「しかし、フィーネ、どうやって魔王のいる宇宙まで行くんだ」
「それは・・・」
フィーネはちらりとバリーを見やった。彼はこくりと頷くと、一歩進み出て、
「それは、この暁屋です」
「へ」と、茜。
「なにぃっ!」と、驚くケンジ。
「来るべき戦いに備え、ニライカナイで一度破壊された暁屋は、神サルタヒコ殿監修の元、リニューアル改造を施され、舟屋兼宇宙戦艦へと生まれ変わったのです」
「強引な展開ね」と、桜。
「だが、しかし嫌いではない」と、一郎。
「只今より、宇宙戦艦暁、処女航海へと起動、各員配置につきます」
バリーは皆を促した。
「りょ了解」
皆もバリーの勢いに押されなんとなく返事をした。
総舵輪を持つのはケンジ。
航海士茜。
生活班長桜。
機関長はバリー。
索敵計器類担当フィーネ。
機銃や砲塔、重火器類はギルモアとアルバートが担当し機関士を兼任する。
艦長一郎。
役割がなんとなく決まった。
現金なもので、そうなると気合が漲るのが暁屋の面々である。
「さ、艦長」
桜は真新しい白の艦長帽子を夫に手渡す。
受け取った一郎は目を閉じて沈思する。
「・・・お前たち」
みんなは暁屋艦長を見、大きく頷く。
一郎はカッと目を見開く。
「よしっ!暁屋発進!」
「おうっ!」
急展開(笑)。




