表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/126

陸、暁屋に危機が迫った

 迫る黄泉軍。


 アマテラス大神殿を飛び出した一郎は、船に乗り込み黄金竿を握りしめる。


「くそっ!」


 雲一つない青空を竿で衝いて斬った。

 すると、空間が割け、その先に暁屋が見える。

 彼はその中へ飛び込んだ。


「・・・一郎、お主」


 サルタヒコは絶句する。

 

 ニライカナイへと戻ると、進軍するナミの軍勢が暁屋に迫っていた。


「皆、逃げろっ!」


 一郎は叫ぶ。


「お帰りなさい、あなた・・・って何?」


 桜が呑気に必死に駆け寄る彼に手を振る。


「さくらっ!うしろっ、うしろっ!」


「へっ」


 彼女が振り返ると、先頭のスサノオが憤怒の形相で駆けてきていた。



「水竜の盾」


 桜の前に立ちフィーネが御業で水竜巻を起こすと、スサノオが飲み込まれる。

 しかし、弟神はひるまず前進し続ける。


「まだだ。旅の轍」


 サルタヒコが両手をかざし、地面を削り落とすと、スサノオをはじめ黄泉の兵たちが奈落へと散っていく。


「今のうちに逃げろ。時間稼ぎに過ぎん」


 両手をかざしたまま、サルタヒコは皆に伝える。


「どこへ」


 茜は尋ねる。


「高天原じゃ」


 一郎は頷くと、大音声で叫ぶ。


「暁屋船頭集まれ!全速力で逃げるっ!」


「おう」


「はい」


 船頭達はそれぞれの舟に乗り込み、竿を持つ。

 桜、フィーネ、フレア、ディド、ディジーは先頭茜の舟に乗り込む。


「ずらかるぞ」


 一郎は右手に持つ竿を頭上へ掲げる。


「おう」


 一同は応答し、次々舟はニライカナイ暁屋の桟橋から脱した。


「よしワシらも」


「はい」


 サルタヒコとフィーネは御業を解き、殿(しんがり)一郎の舟に飛び乗る。

 次の瞬間、暁屋はナミの軍に飲み込まれ、破壊の音が響き渡った。



 ずらかれっ。

 暁屋崩壊。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ