ジワジワ来てます
誤字報告ありがとうございます!
認識阻害の魔道具を、アールスハイン、ユーグラム、ディーグリーの分を作って渡した。
念のためその場でサイズ調整して、イライザ嬢にも渡した。
魔石は土踏まずの部分にくるようにしてあるので、歩く時も邪魔になりません!
魔物の革で通気性抜群!てのを使ったので、靴の中でも蒸れません。
早速皆して使ったけど、自分以外を認識しづらくなるので、一人の時以外は使わない事に。
食堂に着くと、程々に混んでいたが俺達が何時も座っている席は、シェルと助が既に着席していたので、問題無く座れた。
穏やかで平和な日常の中で、唯一不快な事が有るとすれば、常に食堂中央を陣取って意味も無く騒いでいるキャベンディッシュ他二名が、何故かこの三ヶ月の間に、徐々に徐々にこちらに接近してこようとしている事だ。
移動教室の時、休み時間、放課後、食堂でも気付くと目に付くところに居て、その距離がジワジワと近くなっている。
キャベンディッシュの意思では無いだろう。
生徒会長になったユーグラムを、恨めしげな目で見る元会長の意思でも無いだろう。
残る一人は精霊付きの女生徒だが、近付かれる意味が分からなくて不気味。
彼女もまた逆ハーレム志望だろうか?
今も中央の席よりも大分こっちよりに座って、こっちの席が正面に見える様に座っている。
向こうから見えないようにバリア張ってるけど。キャベンディッシュや元会長と話しながらもこっちを窺ってるのが丸分かり。
俺が不快気な顔をしていたのが分かったのか、
「な~んかジワジワと迫って来てるよね~」
「そうですね、目的が分からないのが不気味です」
「あぁ、あの精霊付きの女生徒の意思だろうが、一気に近寄れば兄上達が邪魔に入ると分かっていて、ジワジワ近寄ってくるのが、計算高そうで、より不気味だな」
「アールスハイン王子が、不快を露にするのも珍しいね~?」
「セットで付いてくるキャベンディッシュ兄上が、更に面倒臭いからな」
「ん~、ぶっちゃけ、キャベンディッシュ王子より、今はアールスハイン王子の方が、立場は上ですよね?そこの所キャベンディッシュ王子は気付いて無いんですかね?」
「さぁな、キャベンディッシュ兄上は、昔から根拠の無い自信だけは満々だったから、自分自身の価値は、俺より上だとでも思っているのだろう」
「あ~、いますねそう言う人!元会長とかもその類い、正に類は友を呼ぶ!」
「ふふ、本人達は友とは認めてませんがね。良いコンビに見えなくもないですね」
「ぶふっ、コンビって!確かに~!」
「まぁ、個人で近寄って来そうになったら、先程ケータ様に頂いた魔道具で回避出来ますしね!」
話に加わらずご飯食べてたら、ユーグラムに頭を撫でられました。
「うん、ケータ様ありがとう!中々にタイミングが良いよね!」
「そうだな、これ以上近寄られる前に、回避手段が手に入ったのは、ありがたい」
皆に褒められたよ!
意味の分からないシェルと助にも、認識阻害の魔道具を渡しながら説明すれば、凄い感謝された。
助は見ただけで使い方を理解して、早速靴に敷いたけど、シェルが助の行動に凄く不思議がってた。
この世界に靴の中敷きは無かったらしい。
常に靴を履いて生活してるのに、中敷きも無くて、靴の中が蒸れてヨレヨレになったらどうするのか聞いたら、洗って干して、それでもダメなら捨てる。
勿体ないお化けが出るぞ!
外見に問題が無いなら、中敷きだけ取り替えれば、長く靴を履けるって教えたら、アールスハインがすぐに騎士団に手紙を書いてた。
何気にユーグラムは教会に、ディーグリーも自分ちの商会に手紙を書いてた。
魔道具になる前の、魔物の革で出来た中敷きを見本に、と持ってかれた。
食堂を出てシェルと助と別れ、教室に向かう間も、キャベンディッシュと元会長と別れた精霊付きの女生徒が、後ろを付かず離れず付いてくる。
「確かに不快で鬱陶しいですね」
ユーグラムが無表情で黒い渦を背負ってます。
「じゃーさ、次の角を曲がったら認識阻害の魔道具を発動して、ちょっと様子を見ようよ!上手く行けば、目的が分かるかもよ?」
「よし採用!」
珍しくアールスハインも乗り気で応じる。
角を曲がって直ぐに認識阻害の魔道具発動。
気配が薄くなって、お互いを認識しづらくなる。
そのまま壁際に寄り様子を見ていると、精霊付きの女生徒が角を曲がって、俺達が居ない事に気付き、慌ててSクラスの教室に向かうが、そこにも俺達の姿は無い。
周辺を少し探したが見つからない俺達に、焦ったような悔しいような顔をして、人気の無い廊下まで来ると、
「クソッ、見失った!今日も近付けなかった!もう、何時になったら普通に話せるようになるのよ!やっぱりSクラスに入らないと無理かなー」
とブツブツ呟きながら去って行った。
彼女の姿が見えなくなってから認識阻害の魔道具を停止して、
「ん~、他の令嬢達と変わらない目的だったね~、誰が目当てかまでは分からなかったけど、お近づきになりたいだけなのかな~?何か他にも目的が有りそうだったんだけどな~?」
「どちらにしても、あまり性質の良くない令嬢のようなので、近付かないに越したことは無いですね」
「そうだな、先生方の注意も有ることだし」
そう結論が出て、教室に戻った。
午後も変わらず授業などそっちのけで魔道具を作った。
今度作ったのは監視カメラ。
円の中に幾つかの四角を書いて、現場撮影、人感感知、自動送信、自動修復、を付けてみた。
水生魔物の目玉に。
今回使った魔物の目玉って、水晶みたいに固くて透明でレンズみたいに見えたので、丁度良いかと半分に割って使ってみた!何故かマジックバッグに一杯入っていたし!
シェルが、何でもどれだけでも入るマジックバッグを面白がって、やたらと物を詰め込むせいです!
多分相当高価な物も詰め込まれているだろうけど、知らなければ普通に使えるからね!あえて金額は聞きません!
そして受信用の魔道具。
こっちは、自動受信、記録保存、整理整頓、自動修復、改造防止を付けた。
魔物の脳ミソ的な何かに。
グロい見た目では無く、黒い楕円の石みたいだったので、抵抗無く使えました!
どっちの魔道具にも穴を空けて、魔石をセット、魔法陣を焼き付けて完成。
……………………ではなかった。
記録を見る道具も作らねば!
やはり魔物の素材で使えそうな物はー?
丈夫な紙のような革が出てきた。
色はうっっっすい水色。行けそうじゃない?
魔法陣には、映像再生、色彩補正、停止機能、巻き戻しを付けた。
受信機と繋げるのは、魔物の腸?これもグレーの金属っぽいやつなので使いました。
薄いツルツルの紙に魔法陣を書いて、ケーブル、情報伝達って付けて焼き付けると、紙だけ燃えて魔法陣が腸に定着した。
ちなみに魔法陣に書く文字は、制作者が理解できる文字なら割りと大丈夫そう。
普段使ってる文字がダメなのは、多くの人が理解してて、直ぐに改造されちゃうから、だそうです。
でわでわ実験!
教室の後ろに、記録用魔道具を設置、魔力を流すとピカッと一瞬光って撮影開始。
同時に受信機にも魔力を流してピカッ、ケーブルを繋いでスクリーンを設置。
両方に魔力を流してピカッ。
再生される映像は、教室を後ろから見た映像。
黒板の板書きから振り向いた教師が、ギョッと目を見開いたのに、不思議に思った生徒が振り向く。振り向いた自分達の映る映像に、
「「「「「ハアーーーー?」」」」」
全員のハーー?頂きました。
「…………ケータ、魔道具を作るなとは言わないが、実験するならもう少し人の少ない所でやれ!」
「あーい、ごめちゃーい」
怒られました。
速やかに撤収しました。
暫くはザワついてたけど、我に返った教師が授業の続きを始めると、生徒達も皆大人しくなった。
なので他にも幾つかカメラ魔道具を作って、残りの時間を潰しました。
放課後テイルスミヤ長官に呼び出されて、部屋でもう一度再生して、説明させられました。
テイルスミヤ長官の薦めで、学園長に許可を取り、学園のいたる所にカメラを付けました。
後日、悪質ないじめが複数発覚、不純異性交遊する生徒数人が発覚。植物園の希少な植物の盗難が発覚。
学園長に、物凄く感謝され、複数人が学園を退学になった。
その報告を受けた王様に、お城用のカメラ一式を注文されました。
マジックバッグの中身が大分減りました。
所で今まで魔法で作っていたマジックバッグは、魔道具では無いんだけど大丈夫なのかが、ふと気になったのでテイルスミヤ長官に聞いてみたら、魔法で魔道具を作る方法も有るんだって。ただ、マジックバッグに使われる魔法が、空間魔法である確証が持てなくて、躊躇っていたのと、マジックバッグを作るには、かなり魔力を使うので、作れる人が居なかったんだとか。
しかも、魔法で作る魔道具は、素材の魔力で補えないので、より繊細な魔力操作と魔力量が必要になるらしいよ。
俺は今までに百個近くのマジックバッグを作ったけど、魔法庁全体でも、マジックバッグを作れたのは二十個くらいだって。途中失敗して爆発したり、成功したと思っても、何日かすると中身が全部ぶちまけられたりしたらしい。
最初に込めた魔力の量によって、効果時間も違うみたいだし、色々難しいね!
今は魔道具でのマジックバッグ製作に取り組んでるそうです。




