肉体強化
誤字報告、感想をありがとうございます!
助が人形の部位を説明し、その働きを説明すれば、自分の体にそのような機能が有ったなんて!と驚いている面々。
助が説明を始めると、アールスハイン達も集まって来て、一緒に聞き出した。
一通りの説明が終わり、体中を巡る血液の話をして、それに乗せるように魔力を循環させる、と説明。
助は理屈を理解しているので、直ぐに体内の隅々まで魔力を巡らせる事に成功。
体が温かくなってきたのか軽く汗をかき出した。
そして更に筋肉に魔力を流し、強化を行う。
強くしなやかな筋肉をイメージして、体中の筋肉を強化。
その場でジャンプさせれば、アールスハインの身長を軽く超えるくらい跳んだ。
それを見て、俄然やる気になるメンバー。
あれ、これは魔法剣の時と同じヤツか?と思ったが、まあ、強くなる分には良いかと流した。
早々に習得した助と、訓練所を走り回る。
久々の全力疾走に、テンションがおかしくなる。つられて助もハイテンションに、
「「ナハハハハハハハ!」」
二人して大笑いしながら走り回り、跳ね回る。
前世では体験したことのない体の軽さ、頑丈さに笑いが止まらない。
助の頭上をバク宙で跳び越えて、壁を横走り、暫く馬鹿みたいに笑いながら走り回り、気が済んだので皆の所に戻った。
皆を見ると、何故か胴体部分で高速回転させているテイルスミヤ長官、ユーグラムはゆーーーっくりと肘膝の辺りまで流れている。
他は似たようなもので、胴体部分でゆっくり回ってる。
仕方無いので、ペンと紙を出して、大まかな人体の絵を書き、大雑把に血管を書いていく。
そこに色違いのペンで筋肉を書いて、助に説明させる。
食い入るように図を見て、更に訓練。
段々手足の方に魔力が流れて行く。
上手く魔力が巡ってくると、ホカホカと体温が上がる事を言えば、自分の手足を確かめて、徐々に爪先まで魔力を流す事が出来るようになってきた。
肉体強化は、普段使わない筋肉を魔力に任せて無理矢理強化するので、使った後は物凄い筋肉痛になる事が判明。
前世の四十代の体だったら二日後くらいにくる筋肉痛が、直後にきた!
助と二人、いたたたたと呻いていると、皆に笑われた。
助は痛がりながらも自分で歩くしかないが、俺は抱っこされて食堂へ。
先生二人とは途中で別れ、何時もの席に座り、注文をすませボンヤリしていると、食堂中央で騒ぎが。
そちらに目を向ければ、キャベンディッシュと元会長が、一人の女性徒を挟んで睨み合っている。
間に居るのは別人だけど、前にも見た光景だ。
一気に興味が失せた。
それは周りも同じなのか、特に騒ぎもせずに遠巻きに眺めるだけである。
間に挟まれた女生徒は、周りの状況が少しは見えているのかオロオロしているが、キャベンディッシュと元会長はお構いなしに睨み合っている。
さっさと離れちゃえば良いのに、オロオロとしているだけで、二人を止めるでもなくその場に留まっているので、誰も助けようとしない。
給仕さんが食事を運んでくれたので、いただきます。
久々に食べた食堂のお子様ランチは、以前よりは多少、肉が柔らかくなって、俺の歯でも何とか噛みきれた。
完食は無理だったけど!
後は部屋に戻って、風呂に入っている内に寝落ちしました。
おはようございます。
今日の天気も晴れです。
昨日は筋肉痛で大変な目にあいましたが、一晩寝たら完全に治りました!
すげぇ!若い、幼い体って回復力も半端ねぇ!
感動に震えながら、準備体操と発声練習をこなし、シェルに着替えさせてもらい、食堂へ。
ユーグラムとディーグリー、助とも合流。
各々に挨拶して、注文をすませ、
「たしゅきゅー、ちんにくちゅーどうよ?(助、筋肉痛どうよ?)」
「あー、まぁまぁだなー、まだちっとひきつる感じはあるけど、動けない程じゃない。そっちはどうよ?」
「じぇんじぇんへーき!しとばんでー、かんじぇんふっかちゅ!(全然平気!一晩で完全復活!)」
「おー、そりゃすげぇー!さすが子供の体、回復力も半端ねぇ」
「なー、ちんにくちゅーが、いちーちでにゃおりゅなんてー!(なー、筋肉痛が、一日で治るなんて!)」
「前の体なら一週間は違和感あったもんなー」
「「ナハハハハハハハ!」」
中身オッサンな会話をしてると、給仕さんが料理を運んでくれたので、朝食を食べ、シェルと助と別れ教室へ。
今日から始まる後期授業はほぼ座学なので、俺はどうやって暇を潰そう?
アールスハインの机の横で、ハクをクッションにしながら考える。
俺の存在は、学園内では多くの人に知られるようにはなってきたが、俺はアールスハインに好意を寄せて付いている妖精族って設定なので、ほいほい一人で出歩くと、俺を捕獲しようとする人が出てくるのでダメだし、授業は興味が無いし、魔法は、何かするとすぐ大騒ぎになるし。
考え事をしながら、何気なくマジックバッグを漁っていると、昨日買った呪いの魔道具を発見。
取り出してみると、コンパクト型で四角い、鏡が二つ付いた魔道具、鏡部分から小さなウニョウニョ。
指先に聖魔法を纏わせウニョウニョを引っ張り出して解呪。
解呪された鏡は、鏡面が綺麗になってとても見やすくなったが、さて、これは何の道具でしょう?と、鏡を見ていると、普段存在を完全に忘れてた鑑定眼が、❨通信魔道具・離れた人と会話出来るぞ!でももう一台無いとダメ!残念!❩
と出た。
鏡の部分に相手の姿も映せ、二人と同時に会話もできる仕様。
何でこの世界は、ちょいちょいハイテクが出てくるのだろう?元女神の変な拘りだろうか?
それならもう少し食事情を何とかしとけよ!と言いたい。
取り敢えず、試しに鏡に魔力を流してみると、ヴンと音がして、鏡部分に文字が浮かび、元々この鏡に登録されていたらしい、誰かの名前らしきものが出てきた。
当然知らん名前ばかりなので、画面?端にある消去をさわってみると、全消去完了。
操作方法はスマホに似てた。
まあ、これは通話相手がいないので保留。
次は、何個かの指輪。
デザインは、パンク系なゴツ目のシルバーアクセって感じ。格闘家をしていた次男の英太が好みそう。
これもポイポイウニョウニョを引っこ抜いて解呪。
元々の性能は、五個ある内の四個が一回だけ巨大攻撃魔法を回避する、という恐ろしい性能。
何故こんな貴重な性能の魔道具を、改造しようとしたのか理解不能。
残り一個は呪いの完全防御。これも中々の性能。王様とかに持たせたら良いんじゃない?
次は、長い紐。何かの革で出来た紐。
これも魔道具らしく、元々の性能は、魔力を込めて、捕縛したい対象に投げると、動きと魔法を封じてくれる優れ物。
次は、巾着袋。
元々の性能は、水物のみプール一杯分くらい入る収納。
次は、白紙のミッチリ入った薄い鞄。
元々の性能は、契約書。契約書に書かれた内容を一方的に破ったら、相手に契約書に書かれた罰則を自動で遂行してくれる、って言うある意味呪いの魔道具。宰相さんとかに良いかも?
次は、前世にあった茶箱のような木箱。
元々の性能は、中に入れた食物が冷えて長持ちする収納。内容量は荷馬車一台分。冷蔵庫?クーラーボックス?
次は、布を丸めて革のベルトで縛った物。
元々の性能は、魔物避けの付いたテント。広げると三部屋とリビング、風呂トイレ付き。
次は、アールスハインがスッポリ入るくらいの袋。素材はビニールっぽい?
元々の性能は、完全に気配を絶ち、一定時間魔物を寄せ付けない性能。魔法防御付き。絶体絶命の時にお役立ち?
最後に、学生鞄くらいの正方形の箱。革でもなく、木でもなく、プラスチックっぽい箱。
元々の性能は、必要な素材を入れると、自動で回復薬を作ってくれる不思議箱。
ディーグリーが面白がって買った呪いの魔道具を全て解呪して、元々の性能を鑑定。
どれもこれも結構な高性能な品の数々。
呪いが無ければ、結構な値段で売れただろうに。
まぁ、今からでも売れるだろうし、使える物は使えば良いし。
それにしても、出した魔道具全てに、判子のような焼き印のような印が付いているのは何なのか?円の中に、模様のような文字のようなのがあるが、四男秀太が言ってた魔法陣と言うヤツか?
あと大きさはバラバラだが、宝石も付いている。
鑑定してみると❨魔石・魔物からたまに取れるよ!脳みそか心臓に有るよ!❩って出た。
魔物の脳みそ又は心臓を裂けと?グロくない?
そんな事を思いながら片付けていると、午前中の授業終了。
アールスハインに抱っこされ食堂へ。
程好く混んだ食堂の定位置になっている端の席に座り、注文。
「ね~ね~ケータ様、午前中は熱心に何やってたの~?」
休み時間も気付かずに、魔道具に夢中になってて声を掛けづらかったと言われた。
「ちのーかった、まーどーぐにょ、かいじゅーとかんてー(昨日買った、魔道具の、解呪と鑑定)」
「ああ!昨日の面白グッズ!それで、どうだった?掘り出し物あった?」
「じぇんぶーほりだちもにょよー(全部掘り出し物よ)」
「ええ!ホントに!魔道具屋さんはクズも多いって言ってたけど?」
あまり食事前に広げるのも悪いので、指輪を五個出して、
「こにょよっちゅがー、いっきゃいらけだいまほーふしぇぐやちゅ、こにょいっこがー、にょりょいのかんじぇんぼーぎょ、ちゅいてたよ!(この四つが、一回だけ大魔法防ぐやつ、この一個が、呪いの完全防御、付いてたよ!)」
「大魔法を一回でも防げる魔道具に、呪いの完全防御?!何その性能、やばくない!」
「ええ、かなりヤバイ性能ですね」
「それを俺達はあんな値段で買ってしまったのか?」
三人が若干汗をかいている。
「まぁ、値段の事は、ケータ様が解呪しなければ、ただのイタズラグッズだった訳だし、気にしなくて良いと思うんですけど~、店主さんの話では、ここまで恐ろしい性能が有るって話ではなかったような?」
「ええ、私も聞いてましたが、解呪出来れば儲けものくらいの軽い感じでしたね」
「それってさ~、元々は本当にヤバイくらいの性能があったのに、使われて行く内に呪いが重なって、本来の性能が分からなくなった、とか~?」
「……………そうかもしれませんね、神官によって解呪の能力はまちまちですし、重なった呪いの何層かだけを解呪して、完全に解呪出来ない場合もあるかもしれません」
「それをケータ様が、完全に解呪してしまった、と!」
「そして本来の性能を露にしてしまった、と言う事ですね!」
アールスハインが、あー、みたいな目で見てくる。
「ケータわりゅくないよ?」
「ええ、ケータ様は何も悪くないどころか、素晴らしい能力です!」
ユーグラムに褒められた。
アールスハインとディーグリーも、しょうがないみたいな顔で笑ってるし、まぁいいだろう。
他にもまだあるし。
食事が運ばれてきたので、食べて、教室へ。
教室に戻ったので、他の品々を出して説明してみた。
若干汗をかいて、顔が引きつっているが、俺のせいではありません。
「ま、まーまー、想定外ではありますが、大変貴重な魔道具を手に入れられた訳ですし!」
ディーグリーのキャラが壊れ気味、大丈夫?
「あー、まぁそうだな、で?欲しい魔道具はどれだ?」
アールスハインがちょっと意地悪な顔で聞けば、
「いやいやいやいや!こんな性能の魔道具持ってるの怖いです!お城に献上します!」
「賛成します。私達が持っていても無駄に狙われるだけです」
「ギリギリ大丈夫そうな紐は、使い道が無いし、巾着も水分のみだと使い方が微妙だし~」
「……………そうか、確かに性能が良すぎて持て余すだけかもな」
「そ~ですよ~、卒業後に冒険者にでもなるなら別ですが、今の所使い道が無いです!でもちょっと他の呪いの魔道具の性能も、気になり出したんですけど~」
「今週末までは王都で店を出すと言ってましたしね」
「………週末にもう一度行ってみるか?」
「「はい!」」
「ってことで、この品物は、ケータが暫く預かってくれ」
「あーい」
週末は、更に呪いの魔道具を探しに行くそうです。




