剣術大会
戦闘シーンでどうやって書いたら上手いこといくんですかね?
剣術大会も残り9人。
半端な数でどうすんの?と思ったが、3人ずつの三組で闘うらしい。
お昼休憩は、貴賓席の人達は休憩室が用意されているので、そちらへ移動して食事を取る。
当然のように王様が俺を抱っこしているが、これは良いのだろうか?
休憩室には、ご褒美として本選で勝ち残った生徒が呼ばれているが、ほぼ見知ったメンバーなので、特に緊張はしていない?と思ったら、書記先輩と名前も知らない他3人がガッチガチに緊張していた。
俺を抱っこする王様の姿に、口をパッカーンと開けて驚いているが、王様が声をかけると、畏まって挨拶をした。
噛み噛みだったけど。
それぞれが席につき、俺も用意されていた子供椅子に座らせてもらい、デュランさんを筆頭にお城から来たメイドさんが料理を運んでくれる。
王様が上座に座ると、後は皆適当な席に座る。
宰相さんの隣にイライザ嬢が座り、その隣にイングリードが座る。
俺は王様の隣に椅子がセットされてたのでそこに座り、隣にアールスハイン、その隣にユーグラム、ディーグリー、助と並ぶ。
身分関係なく座る俺達に、最初は戸惑っていた面々も、おずおずと残った席に座り、食事を始めた。
イングリードが頻りにイライザ嬢に話しかけるのを、俺や王様、将軍さんがニヤニヤ見ていると、アールスハイン達も気付いて、やはりニヤニヤと見ていた。
イライザ嬢が気付いて、居心地悪そうにしたが、満更でも無い様子。
脈有り?と宰相さんをみると、面白く無さそうな、でもちょっと期待するような顔をしていた。
この世界の結婚年齢は前世よりも大分早いので、学園卒業と同時に結婚する令嬢は多い。
二十歳過ぎたら行き遅れ扱いされる世界で、学園で婚約者を探すのは常識らしい。
こっそり聞いてみると、イングリードには以前他国のお姫様な婚約者がいたが、性格が全く合わず、更にその他国のお姫様は、城に出入りを許された絵描きと密かに付き合っていて、妊娠までしていたらしく、それを黙ってこの国に嫁いで来ようとしていた事が発覚。
コケにされたこの国と戦争になりかけた所で、慌てて相手国が謝罪してきて、多額の慰謝料を分取って、しかも相手の国は不誠実で他人の子供を王族に送り込もうと企んだ、そう噂されるようになって、周辺国からの信用が地に落ちたらしい。
元々気の合わなかった相手なので、イングリードは全く気にしていなかったが、成人した今も婚約者はいないらしい。
始終ニヤニヤして食事時間は終わり、午後の舞台が整った。
どんな仕掛けなのか、舞台は一回り小さくなっていたが、抽選の結果選ばれた三人が姿を現すと、大きな喚声が上がる。
舞台に立った三人は、ユーグラム、ディーグリー、書記先輩の三人。
開始の鐘と同時に、書記先輩が動きだしユーグラムに攻撃を仕掛けた。
しかしユーグラムの張ったバリアに阻まれ、しかも軽く反撃を受けてバランスを崩す。
その隙をディーグリーが攻撃したが、寸での所で躱されて、更にディーグリーに攻撃をする。
流石に三年生最強と言われるだけあって、簡単にはいかないようだ。
その後もユーグラムとディーグリーの二人がかりで攻撃するが、魔法の使えないユーグラムでは相手にならず、バリアごと場外に押し出され、ディーグリーは間合いに入れず、暗器での攻撃もいまいち威力が足らずに、最後は切られて終わった。
運ばれて行くディーグリーに、家族からの悲鳴が上がったが、軽く手を上げて声に答えていたので、深い傷ではなかったらしい。
書記先輩が王族席へ挨拶をして退場していき、休憩を挟んで次の組。
出て来たのは、知らない先輩二人とイライザ嬢。
昼休憩の時に聞いたら、いつもは三年生ばかりの本選で決勝に進むらしく、こんなに一年生が多い年は初めてで、三年生が荒れているらしい。
生き残った四人の三年生には、プレッシャーが凄いらしい。
開始の鐘に押されるように、三年生二人が共闘してイライザ嬢に迫る。
先程の試合を見ていて、バリアは破れなくても、バリアごと場外に押し出す事は可能な事に気付いて、実行するつもりらしい。
イライザ嬢がそれを黙って見ているはずもなく、強烈な鞭打ちの音が場内に響く。
三年生二人はバリアで防ぎながら、二人かがりでバリアを押している。
じりじりと押されバリアの端が舞台からはみ出す。
勢い付いた二人が更に押して、ついにイライザ嬢は場外に押し出されて敗北。
イライザ嬢には場内から拍手が贈られ、二人の一騎打ちが始まった。
実力は拮抗していたが、片方は槍、片方は長剣での対戦は、リーチの差で槍の先輩が勝利した。
休憩を挟んで最終組。
アールスハイン、助、三年先輩。
鐘が鳴って試合開始。
三人はお互いの出方を窺うように動かない。
膠着した場を最初に動いたのは三年先輩。
アールスハインに真っ直ぐ突っ込んで行って、激しい打ち合いになる。
アールスハインに手こずるものの、何とか食らい付いて、互角の勝負をしている。
だが、激しい打ち合いの中、助の存在を忘れていたのか、背後からの攻撃に三年先輩は反応出来ずに、呆気なく切りつけられ敗北。
アールスハインと助の勝負は、魔法剣対決になったが、途中から学び始めた助の方が、練度が低く敗北。
アールスハインに大きな歓声が贈られた。
10分の休憩の後、決勝に進んだ三人が舞台に上がる。
アールスハイン、書記先輩、槍を持った三年先輩の三人は、王族席へ挨拶し舞台中央に立ち互いに挨拶。
武器を交差させた状態で停止。
鐘の音と同時に距離を取って、まず動いたのは書記先輩。
三年先輩に向かい攻撃を仕掛けたが、槍の間合いを取られ、中々懐に入れない。
アールスハインが、三年先輩の背後から切りつけようとしても、槍を振り回して回避される。
その動きを見て、将軍さんがほう、と言い、更に二人対三年先輩の戦闘が続く。
中々攻撃の通らない二人だが、何度か打ち合う内に、アールスハインの剣が三年先輩の槍の穂先辺りを切り飛ばした。
柄の部分しか残っていない槍を見て、三年先輩が降参の意思を示し、アールスハインと書記先輩の対戦になった。
二人はまず距離を取って対峙し、お互いの出方を窺う。
動いたのは二人同時。
ガガンガガンギンギンと剣のぶつかる音が響く。
書記先輩が一歩引いて、肩の力を抜くのに誘われるように、アールスハインが切りかかったが、それはフェイントだったのか、逆に弾かれ体勢を崩される。
アールスハインが体勢を戻す前に書記先輩が、強烈な一撃を繰り出すが、アールスハインのバリアに阻まれ脇ががら空きになる。
アールスハインが切りつけて試合終了。
運ばれて行く書記先輩が、アールスハインに握手を求めると、アールスハインも応じて、場内から盛大な拍手が贈られた。
こうして剣術大会はアールスハインの優勝で終わり。
表彰式で優勝者に贈られるメダルを、父親である王様から掛けられて、照れ臭そうな、誇らしそうな顔をしていた。
剣術大会が終わると、生徒は講堂に集められ、演習の成績発表に移る。
観客席にいた多くの父兄は身分に合わせて、この後懇親会が開かれるらしい。
今日の話題で盛り上がるらしいよ。
成績発表は全員では無く、三学年総合で上位50組のリーダーの名前のみが発表される。
点数や買取り金額は、トラブルを防ぐ為に個々に担任から知らされる。
講堂の舞台中央に、大きな画面?が置かれ、右から左にリーダーの名前が流れて行く。
50位から始まるその名前は、例年三年生で埋まるらしいが、今年は一、二年生の名前も多くある。
20位台には、イライザ嬢と助の名前もあった。
上位10位台になると、流れるスピードが遅くなり、それでも出て来ないユーグラムの名前に、ディーグリーがソワソワしている。
流れる名前を読み上げていた教師が、
「今年度演習最上位は、学園始まって以来初の、一年生、ユーグラム班です!」
講堂内が大きくどよめき、一年生から盛大な拍手が贈られた。
ユーグラムは無表情なのにドヤ顔で、ディーグリーは拳を掲げ、アールスハインは俺の頭を撫でる。
それで解散になり、今日の行事は終わった。
講堂を出ると、多くの生徒にお祝いを言われ、揉みくちゃになる。
どさくさに紛れ俺を撫で回す奴もいて、部屋に戻る頃には、服や髪がヨレヨレになって、大変疲れた。
俺とアールスハインでこれだから、途中ではぐれたユーグラムやディーグリーは大丈夫だろうか?
ゆっくりとシェルの淹れてくれたお茶を飲み、休憩してからお風呂に入って着替えをしてから食堂へ。
食堂につくと、ここ久しく見ていなかった光景が。
食堂中央に立ち睨み合うキャベンディッシュと生徒会長。
間に挟む二股女がいなくなったのに、今日の成績発表の事で揉めているらしい。
それを横目に席に行くと、ユーグラムとディーグリー、助がいた。
助は、剣術大会でも成績発表でも良い成績を収めたので、友人といると揉みくちゃにされるので、避難してきたらしい。
注文を済ませ、お互いを労う言葉を掛けていると、近付く人影。
バリアの外にいるのは書記先輩で、こちらに会釈してきた。
バリアの中に入れてあげると、食事を一緒にしても良いか聞いてきて、アールスハインが許可すると、同じテーブルに着いた。
「珍しいね~、オコネル先輩が会長と一緒じゃ無いの?」
「この頃はあまり一緒にはいないがな」
「それって~、例の魅了魔法のせい?」
「それも有るし、それだけでは無いが」
ディーグリーは、質問しといてあまり興味が無いらしい。
「今日は、何か有るからこちらに来たのでしょう?」
「あぁ、アールスハイン王子、今日のティタクティスとの試合でお使いになった魔法剣の事でお聞きしても宜しいですか?」
「構わないが、オコネル殿は魔法剣に興味が無かったのでは?」
「確かに一度教師からの誘いは断りましたが、興味が無かった訳では無く、祖父に止められていたのです。まだ新たな技術を学ぶには、私の剣は未熟だと。ですが今日の試合でアールスハイン王子がお使いになる魔法剣を見た祖父が、ひどく感激しまして、学ぶ機会が有るなら、学んでこいと申しまして」
「?ですがそれはアールスハイン王子にではなく、教師に言うべきでは?」
「教師にも勿論言うが、先にアールスハイン王子に許可を取るのが筋かと」
「ブフッ、そ~ゆ~とこ、オコネル先輩は真面目過ぎだよね!それに先に許可って言うなら、魔法剣を開発したケータ様じゃない?」
「?魔法剣を開発したのは、アールスハイン王子では無いのか?」
「ここにいらっしゃるケータ様ですよ」
ディーグリーに続きユーグラムまでが俺を示すので、書記先輩は混乱したらしく、アールスハインを見ると、頷くアールスハイン。
驚きに書記先輩の目が見開かれる。
その時、注文した食事が届いたので、皆が一斉に食べ始めると、条件反射のように書記先輩も食べ始める。
その姿が面白かったのか、シェルが密かに爆笑していると、ディーグリーと助に移り、書記先輩が少し顔を赤くした。
食事が終わると、改めて書記先輩が俺に許可を取るために頭を下げるので、
「どーじょー」
と緩く返したら、書記先輩はまた俺を疑い出して、シェルが今度ははっきりと爆笑した。
皆もつられて笑ってたけどね。




