プリン魔法じゃねーし!
いつもいつも誤字脱字の報告、ありがとうございます!
王族宮では無いけど、客がアールスハインの友達なので、第三妃リィトリア様とアンネローゼも参加しての食事です。
第一妃ロクサーヌ様と次期女王クレモアナ姫様は、今度は国内の高位貴族相手に挨拶廻りの旅に出たそうです。
そうね、第一妃ロクサーヌ様がいたら、間違いなく訓練に参加してただろうね!
数日振りのアンネローゼが暴走しないことを切に願います!
俺達は洗浄の魔法が使えるので軽く身支度を整えたら、臨時の食事室に向かいます。
臨時の食事室には、既にリィトリア王妃様とアンネローゼがいて、
「おかえりなさい、アールスハイン、ケータ様!お友達のお二人もようこそ!」
「おかえりなさい、ハイン兄様、ケータ様!初めましてお二人共、アールスハインの妹で、アンネローゼともうします」
「ただいま帰りました。母上、ローゼ、父上に緊急の報告があったので、友人の彼等にも手伝ってもらったんだ」
「まぁ、そうなのね、お二人共アールスハインを助けて頂いたようで、ありがとう」
「いえ、私共も良い訓練の場を頂きましたので。申し遅れました、私、教皇が第一子ユーグラム・アッセンブルと申します。王妃様、姫様にお会いできて光栄に存じます」
「王妃様、姫様、お初にお目にかかります、ラバー商会会頭が第四子ディーグリー・ラバーと申します、お二人にお会いできて大変光栄に存じます」
「ふちゃりちょも、たらいまー」
ユーグラムとディーグリーが、カチンコチンの挨拶を終えたので、俺はゆるーく挨拶しといた。
王妃様もアンネローゼも、俺を見てニコッとしたけど、客の手前澄ましているので、スリスリ攻撃を免れた!
ザ・執事なデュランさんが、それぞれを席に案内すると、学園での様子を中心に話が弾む。
アンネローゼがプリンの話題に物凄く食いついたので、夕飯の時に作ることが決定した。
どんだけ大量に作らされる事か、今から不安です!
王様、イングリード、宰相さん、将軍さんが来て食事が始まる。
流石王宮の料理、学園の食堂とはレベルが違うよね!パンが!肉が!食える!
ユーグラムはともかく、カチンコチンのディーグリーに味が判ったかは分かんないけどね。
和やかに食事を終えて、お茶を飲みながら魔法剣の話をすると、アンネローゼが興味津々で聞いてきたけど、王妃様に窘められて、ちょっと拗ねていた。
その素直な反応は、可愛いは正義の信条を持つユーグラムの琴線に触れたのか、微笑ましそうな無表情で、愛でていた。
午後は訓練の続きです。
訓練所に移動して、より威力と精度を上げるため、皆訓練に励みます。
王様と宰相さんも、当然のように参加してるけど、お仕事大丈夫?
王様は、何かカッチョいい装飾の付いた剣で、丸太をスパスパ切り刻んでいて、宰相さんは、細身の剣の先から魔法の弾丸を撃ち出して、丸太に風穴を空けているし、アールスハインは騎士と打ち合い、イングリードは将軍さんと打ち合い、ユーグラムは何人かの騎士に魔法を教え、武器の扱いを教えてもらっている。
ディーグリーは両手剣の騎士と打ち合いながら動き方を教えてもらっている。
ビュンビュンなる剣の音とか、ガガーンと打ち合う音とか、怪我をしている騎士の人までいるのに、なんだろうかこの逃げ出したい様な気持ちは、原因は分かっている。
見える範囲にいる人々のほぼ全員が、大笑いしながら闘っているためだ。
怖い!怖いよ皆!何で笑ってんの?テンションおかしくなってるよ!
折角怪我人が多く居るので、治癒の魔法を練習がてら治療してるんだけど、治療を受ける騎士達の全員が、笑いながら血を流しているって、ホラーだから!めっちゃ怖いから!ホント止めてほしい!
半泣きになりながら治療する俺を、シェルが背を撫でて慰めてくれるけど、お前だって笑ってんじゃねーか!
段々ヤサグレてきた俺とは違い、皆満面の笑顔で訓練を終了した。
無駄に疲れて、グッタリする俺をアールスハインが不思議そうに見ていたが、シェルが理由を話すと、苦笑しながら頭を撫でてきた。
その位では慰められないけどな!
なぜかトイレ不要の俺が、チビりそうだったからな!
ヤサグレながらも身支度を整え、昼御飯の場所とは違う部屋に案内される。
リィトリア王妃様とアンネローゼのいる部屋に入って行くと、ブスッとした俺を見て、アンネローゼが理由を聞いてきたので、訓練所の様子を話していると、イングリードと王様到着。
アンネローゼに、胡乱な目で見られ、王妃様が複雑な顔で笑っている原因が、自分達であることを知り、王様とイングリードは、同じ仕種で頭を掻いた。
ユーグラムとディーグリーも来たので、晩餐が始まる。
お客様用なのか、今までお城で食べたご飯よりちょっと豪華な食事は、文句無く美味しくて、やっと俺の機嫌も治ってきた。
ご飯の後のお茶の時間、見たことの無い人がいた。
後何かのワゴンもあって、不思議に思っていたら、シェルが、
「ケータ様、昼前に話したプリンの魔法を是非王妃様がご覧になりたいと仰られて、用意させて頂きました!それと、こちらは、城の料理番で主に菓子を作る職人で、やはりプリンの魔法を是非見たいとの事なので、執事と相談して参加を許可しました!」
プリンの魔法って何だよ?俺が作れるのがプリンだけと思うなよ!
「ケータ様、ケータ様が大変美味しくて珍しいお菓子を作られるなんて!わたくし大変興味を持ちまして、よろしかったら作って頂けないかしら?」
美魔女が小首を傾げて頼んでくるので、作りましたよ!昼間約束しちゃったしね!何だよ、この材料の多さは?何人分のプリンを爆食いすんだよ!
とシェルに視線を送るが、満面の笑顔が返されるだけ。
やりますよ、やれば良いんでしょ?
腹が立ったので、一気に殺ってやりましたよ俺は!!
出来上がったプリンは、深さ20センチ、直径1メートルを超える盥型の超巨大プリン。
冷やして出来上がり!って言った途端に、ザ・執事なデュランさんと、数人のメイドさんが、それは見事な手際で切り分けて綺麗に盛り付け、全員に配ったが、まだまだ5分の4が残っている。
目の前で作ったので、毒味の必要は無く先ずは王様が、
「ほう?コレがケータ殿のプリンとか言う菓子か、見たことも聞いたこともない形をしているし、調理法も聞いたこともない、材料に目新しい物は無かったが、さて、味はどうか?」
とか言って、一口口に入れて固まった。
続いて王妃様、他の皆も食べる、固まる。
アールスハインとユーグラム、ディーグリーは以前に食べているので、固まる事無く食べ進めている。
食べる速度がだいぶ速いけどね。
俺はゆっくり食べてるよ、夕飯後のデザートだから、小さめのワンピースあれば充分です。
アールスハイン達が2ピースめの半分位食べた頃、金縛りから解放された面々が、猛然とプリンを貪り出した。
所作が綺麗なので下品には見えないが、物凄く早食いで、王妃様とアンネローゼまでもが、王様やイングリードに遅れる事無く食っている。
よくもそれだけ大量にプリンだけ食って、気持ち悪くならないな?と感心するほどお代わりを繰り返した面々は、今は、恍惚とした笑顔で余韻に浸っている。
超巨大盥型プリンも、半分近く無くなっている。
ザ・執事なデュランさんが顔を引き攣らせている。
シェルは残りのプリンの分量を気にしている。
「残り物で悪いが、お前達も食べてみなさい、これは恐るべき菓子だ!何とか魔法を使わずに作る方法を考えてはくれまいか」
王様が、料理番の人に懇願している!そこまで?そんなに大袈裟にしなくても、家庭で気軽に作れる菓子ですが?
料理番さん、ちゃんと後で作り方教えるから!そんな深刻な顔しなくていいよ!
アンネローゼなんかうっとりし過ぎて、ヨダレ垂れてるよ!お姫様でしょ!
ザ・執事なデュランさんをはじめ、使用人さん達も、王様の言葉でこの場で食べたんだけど、皆同じ反応を示し、料理番さん何か泣き出した!
怖いんですけどーーー!!
もう、皆ちょっと大袈裟にし過ぎだよ!小心者な俺のハートがビクビクだよ!
もう今日は、俺ってば恐怖の連続で疲れたよ!
なので、学園に帰る馬車の中でバタンキューしました!




