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終わりで~す!

すごい飛びます!

 おはようございます。

 天気は薄曇り。

 もう島での暮らしも慣れたもので、最近は品種改良した作物が、前世の作物並みに美味しくなってきた今日この頃。

 ここまで来るのにだいぶ時間と労力を費やしたが、美味しいものを食べたい欲求は止まるところを知らず、試行錯誤の連続にもめげず頑張った俺!


 助を見送った後、ラニアンに続きルクスもルクスママなフェニックスが迎えに来て別れ、ソラが寿命で亡くなり、ハクも寿命で溶けて、今はジュニア達と一緒に暮らしてる。

 妖獣は普通子孫を残せないんだけど、長年俺の聖魔法玉を食べ続けた三匹の妖獣なペット達は、産まれたての聖獣並みに魔力が多くなってしまって、その力を凝縮して植物の種を核として子供を作る事に成功してしまったのだ!

 亡くなると種に戻るのは一緒だったけど。

 亡くなって種に戻ったソラとハクは庭の一角に埋めました。

 中々成長しないな~?と思ってたら、百年くらいして世界樹の一部になってた。

 世界樹の爺ちゃんが俺の島に遊びに来たかったそうですよ?


 たま~にアールスハインの国とかリュグナトフ国とかも行くけど、両国は律儀に俺の作った魔道具が壊れるまで三百年くらいは代金を支払いを続けてくれてて、残高を見るたび腰を抜かしそうになった。

 なのでこっそり孤児院とかに金貨を配ってみたり、平民の学校に金貨を配ってみたり。

 それでも中々無くならないけど!

 あと何故か俺の住んでる島が、ケイタン島とか変な名前で呼ばれる様になってて、たまに拝まれてたりするのは何なんだろう?


 あれからどれくらいたったのか、正確には覚えてない。

 聖域に行くと時間の感覚がおかしくなるので、人の時間の流れとかは数えるのが面倒になる。

 ただ、聖域には行けない妖獣なペット達は、驚くべき進化を遂げていて、もう毎日の様に聖魔法玉を食べなくても大丈夫になり、子供まで作ってしまって、その子供達まですくすく育って。


 ソラの子供は何故か白黒ブチの子猫二匹だし、ソラは大きくなると黒豹的な生き物だったのに、その子供達は虎っぽいし。

 ハクの子供は最初からパッチリお目目で頭に葉っぱが生えてて、しかも自分の意思で増殖?分裂?出来るし。

 プラムは、何て言うか、聖魔法玉を食べなくても大丈夫になると、海を泳いで旅に出てしまって、暫く帰ってこなくなり、二十年後くらいだったかな?子供を連れて戻ってきた。

 プラムの子供なのに見た目は子うさぎだし!

 妖獣自由過ぎない?!と驚くばかり。

 個別に名前をつけようとしても、親と同じ名前にしか反応してくれないので、ジュニアを付けて呼ぶことに。名付けは下手だからそれでも良いけど!


 まあ、そんなジュニア達も、俺がちょっとのつもりで聖域に行って帰ってくると、見違える程成長してるんだけど!

 ジュニア達の為にちゃんと聖魔法玉を保管しておける餌入れ的な物も作っておいたので、成長は嬉しいんだけど、それぞれの親を簡単に越える強さを身に付けてるのはどうなんだろうね?

 ソラジュニアの二匹はわりと小さい頃から空を飛べてたし、風魔法も使える上にたまに火を吹くし!

 ハクジュニア達は分裂しての連携がえげつないし!

 プラムジュニアは子うさぎスタイルだと可愛いばっかりなのに、プラムに習ったのか、武闘派で俺が溜め込んでた使わない武器を使いこなしてるし!そして大きくなってもうさぎのままなのに、何故か二足歩行で尻尾がリス並みに大きくなるし!ジャンプ力えげつないし!

 ラニアンとルクスは成長が俺とそう変わらないので何だか安心する。聖域でも会うし、島にもしょっちゅう遊びに来るし。

そんなペット達が競うように魔物を狩りまくるので、一時期島の魔物が激減してしまった。

持ってても何の役にも立たない呪われた魔剣をぶっ刺したら解決したけど。

魔剣を刺してまで魔物を寄せる意味とは?と悩んだ時期もありました。

ペット達が楽しそうだから良いけど!


 聖獣と精霊しか使えない聖道と言うのがあって、その道を使うと、物凄い早さで移動できる。

ああ見えてギャル男神は上級神なので、神様の御座と呼ばれる神様用の部屋?空間?には滅多に居ないけど、百年に一度くらいは会えるしお茶したりもする。

北大陸にも一週間掛からずに行ける。

 それで発見したのだが、この惑星も丸いんだよ!

 体感的には地球よりもだいぶ大きい感じ。地球の大きさを正確に知ってる訳じゃないけど。

 で、反対側にも大陸があって、そこにはエルフよりも魔法特化な魔族と言われる肌が青い種族が居たり、助の元になった鬼族が居たり、鳥族とはまた別の有翼人種が居たり。

 そんな見たことも聞いたこともない種族と交流してみたり。

 顔見知りの精霊の仕事を眺めたり。あとはひたすら農業に勤しんだり。


 納得いかないのだが、俺の成長は、二百年に一歳くらいの長い長いスパンで行われる。

 助を見送った頃から比べれば、倍くらいには成長したんだけど、何故か、縮む事も可能になった。

 赤ん坊サイズから今の十歳くらいのサイズまでは自由に変えられる。

 今の大きさを越える事は出来ないので、何の役にも立たないけど!

 ペット達とだんごになって昼寝する時くらい?今の大きさもまだまだ子供サイズなので、結局は役に立たないけど!


 ◇◇◇


 風とは違う、人の声が聞こえたような気がして、イチゴの収穫の手を止めて周りを見回す。

 手伝ってくれていた、分裂してだいぶ増えてたハクジュニア達もピタッと停止して周りを窺ってる。

 日向ぼっこしながら居眠りしていたソラジュニア達が、上空に向かって吠えると、豆粒くらいだった影がどんどんこっちに近付いて来るのが見えた。


 居住空間はドーム型のバリアで上空まで覆われているので、不審者は入って来られない。

 なので上空でボードに乗った複数人の若者達は、バリア越しに下降してきて地上に降りてきた。

 近寄ってバリア越しに対面。

 何処か見覚えのある顔ぶれ。


 四人の若者は、一人はヤンキー顔の朱金色の髪の男、一人はエルフ的な顔の整った銀髪の笑顔の男、一人は金茶髪の愛想の無い男、そして一人は細目の、頭頂部に角を生やした男。

 細目の男がニカッと人好きのする笑顔で、


「よっ!ケータ、前世振り!また一緒に冒険しようぜ!」


 その言葉に他の三人も笑うので、目の前が見えない程ブワッと涙が溢れた。

 無意識にバリアを通れるようにしたのか、両脇を持たれて抱っこされる。


「前世から千年も経つってのに、成長してね~な~?今十歳くらいか?もうちっと小せぇか?」


 からかう口調で言われたので、頭をグリグリ押し付けてやった。

 それにも笑われて、涙が止まらない。

 他の三人にも肩や頭、背中を撫でられて引き付けを起こす程泣いてしまった。


 不覚にも号泣の後の放心状態でいる俺に、何処に行きたいか、何をしたいかの希望を次々に上げていく皆。

 家に泊めて驚かれて、収穫した作物を貪り食われたり、皆がペット達と戯れたりしてる内に落ち着いて、やっと気持ちの整理も着いて、色々と話を聞いてみる。

 前世の記憶は曖昧で、全てを覚えている訳ではないらしく、それでも俺の事は覚えてたそう。

 一人にしておいてはいけないような気になって、元々幼馴染みのように育った四人で旅に出る予定だったし、俺を誘おうと探したら、意外と近くに居て驚いたんだとか。

 リュグナスラ王国では、俺が聖獣だとばれてて、天使の住むケイタン島は不可侵とされているとか。

 許された者だけが入れる楽園だとか噂されてるらしい。

 四人は予想通り、それぞれアールスハインと助とユーグラムとディーグリーの子孫だとか。

 四人の顔を改めて見て、面影が濃く出ているのに、ギャル男神の笑顔の影がちらつく。

 俺は、助以外の三人の死には間に合わなくて、当時はとても後悔して、お葬式には行ったけど、泣く気にはなれなくて、何だかずっとモヤモヤが残ってたんだけど、子孫である四人を見て、命が続いてる事を実感して、また泣いて、疲れて寝て。

 やっと旅の準備を整えて。


 さて!じゃあ若者達に世界を見せる旅にでも出ようかね!


お疲れ様でした!

読んで下さってありがとうございました!

長かったような短かったような、3年間、楽しかった~~!!

ビクビクしながら投稿を始めて、初感想を頂いて驚いて!読んで下さる方が居るとこに感動して、先読みされて指摘されて凹んだり笑ったり、兎に角楽しい時間でした!

何の返信もしない不義理な作者ですが、本当に皆様の存在が励みでした!ありがとうございました!


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4巻の発売日は6月9日で、公式ページは以下になります。 https://books.tugikuru.jp/202306-21551/ よろしくお願いいたします!
― 新着の感想 ―
読み返し中 そういえばケータが、食べなくてもいいはずなのに食べることが好きだったり、お腹をすかせる理由ってどこかで説明されてましたっけ?
書籍全部買ってるんだけど、何故か書籍じゃなくてこっちばっか読んじゃうんだよな〜(ㆁωㆁ*)でも最後まで読んだのは今回初でした(ㆁωㆁ*)ケータが生きてる間に皆は何回生まれ変わるのかな〜とか色々想像して…
ずっと楽しく読ませていただいていましたが、終わり方が最高だったので感想を送らせてください。前話で、全員は看取れなかったけど、最後の最後に助を見送りできて良かったね!と思いつつ、ペット達も世代交代してた…
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