お城での色々と色2
誤字報告、感想をありがとうございます!
おはようございます。
天気はくもり。今にも雪が降ってきそうな寒い日です。
何故かいまだにシェルが俺に可愛い服を着せようとしてきます。
自分の服は自分で用意してるんだけど、圧の強い笑顔で耳と尻尾の付いたモコモコのパーカー風の服を差し出してくる。
まあ、暖かそうだから着るけども。
そう言うのは自分の子供にして欲しいもの。そう言ったら、旦那に似た子供には似合わないとか断言された。
赤ちゃんなら着せ放題だろうにね?
と思ったらちゃんと着せてた。何故か俺のと色違いのお揃いで。
これはどう言った意図なんだろうね?
チチャール先生の魔道具は不具合もなく作動した。
ちょっとだけ改良点を指摘して、その場で調整して稼働。
まだ各教会で魔力を込める人が少ないので、三十分に一個くらいの割合で小魔石がコロンと出来る仕組み。
空の魔石を使えば、十分もたたずに満タンになる。
魔力を込める人が増えれば、もっと大量に魔石が出来ることだろう。
魔物の死体からか、たまに鉱山から取れる魔石が人工的に作れるとあって、魔法局が大変な騒ぎになってるそうな。
チチャール先生にも褒美として爵位が贈られるそうです。
そして、協力してくれた教会には、魔力の量によって支払いがされ、それは孤児院の経営に充てられるそう。
余裕があれば市民にも何らかの形で分配されるとか。
それは教会の差配なので、お城では関与しないそうです。
少しでも孤児達の暮らしが楽になると良いね。
約束を取り付けたユーグラムがとても嬉しそうだった。
最近は令嬢達に追いかけ回される事が多いので、お城を出て教会で治癒魔法を使うお仕事もしてる。
お金は貰えないけど、孤児院の子供達が作った、俺でも食えるクッキーとか焼き菓子を貰ったりしてる。
作り方は指導しましたとも!
それが市民のバザーで大人気なのだとか。
砂糖は値段が高いので、樹液のメープルシロップ的な物を使った焼き菓子。
そりゃ甘さ控えめでサクサクだったり柔らかかったりの焼き菓子なんて、今までに無かっただろうからね。毎回瞬く間に売り切れるそうです。
将来は菓子職人になるのだと張り切ってる子供達が可愛い。
教会の治療魔法が使える神官さん達にも、人体の構造とか血の流れとかを簡単に教えてる。
それだけで治療魔法の効果が違うからね。
俺が主に治療するのは、呪いや魔物の毒にやられた人達とか、手足がなくなっちゃった人達。
冒険者が多いので、ちゃんと治療費は貰ってますよ。
それを孤児院に寄付して、お礼にお菓子を貰ってる、と言うかたちにしてる。
お金には困ってないしね。
お城に来て三ヶ月。
やっっっと!魔物の解体が済みました!長かった!魔物の肉はディーグリーが大量に買い取ってったそうです。
素材は全部売りました。俺、いらないし。
ギルド長のヒョロガリなクレッセンスさんがホクホク顔してた。
お城で開かれるアールスハインの嫁探しな、三ヶ月に一回くらいのお茶会に参加してみた。
シェルにはちょくちょくチクってるので、普段俺を追いかけ回してる令嬢の居ないお茶会と言う名の軽い立食パーティー。
中には明らかに気乗りしてない令嬢も居るけど、概ね穏やかなお茶会。
何時もアールスハインだけが参加するのではなく、リュグナトフ国から移住してきた選ばれた文官や騎士も参加してる。
将来有望な人達ばかりなので、令嬢達の目もキラキラしてる。
最初からアールスハイン目当ての令嬢は意外と少ない。
王妃様って大変だからね。
アールスハインはなるべく満遍なく令嬢の相手をしようとしてるけど、完全に避けて逃げてる令嬢は放置で、普段は本性を隠しているのか、アールスハインを目の前にした途端目をギラギラさせる令嬢は華麗にスルーして、そつなく過ごしてる。
令嬢達を威圧しないように、アールスハインの今日の護衛は女性騎士が付いてる。
なので俺と助は、ちょっと離れた位置からニヤニヤしながら眺めてる。
会場全体の様子を見ながらシェルもニヤニヤしながら眺めてる。
アールスハインは居心地が悪そう。
アールスハインは会場を一回りし、ちょっと一息とばかりに会場隅に寄って、飲み物を一口。
そしてグラスから顔を上げてフと見た先にはレニー嬢。
お互いに時が止まったかのように見つめ合う二人。
「エンダーーーーーイイアーー」
「ブフッ!分かるけど!下手!リズムも音程も間違ってるから!」
「じゃあたしゅく歌えよ!」
「いや、俺もケータが歌ったとこしか知らないし」
「このしぇかいの歌は知んないし」
「俺もたいして知らん。でもまあ、あの固まってる二人を放置すんのは問題だな?」
「うん。レニーじょう、こうげきしゃれそうだし」
「お、俺らより先にシェルが動いた!なら安心か」
「シェルならだいじょぶーね」
会場の隅だった事が幸いし、アールスハインとレニー嬢が見つめ合う姿にはまだそれ程多くの人が気付いた様子はなく、シェルがすかさずレニー嬢を回収しに行った。
アールスハインになにやら耳打ちしてレニー嬢を別室に連れていく様子。
残されたアールスハインを二人でニヤニヤ眺める。
俺達のニヤニヤ笑いに気付いたアールスハインが、気まずそうに照れ臭そうに笑う顔は中々に可愛いもんである。
その笑みに令嬢達がやられてるけど!ワラワラ寄って取り囲まれるアールスハイン。
あの包囲網から抜けられるのは何時になるやら。
取り敢えず俺はレニー嬢の所にでも顔を出すかな?
シェルに聞いた部屋に行くと、ぼんやりと窓辺に立って外を眺めてるレニー嬢。
「レニーちゃん?」
ノックをしても返事がないので、部屋を覗いて声をかけると、ハッと振り向き、俺を見てほぅとした顔になるレニー嬢。
「ケータちゃん」
部屋に入ってソファに座ると、レニー嬢もソファに座り、部屋付きのメイドさんが淹れなおしてくれたお茶を飲む。
「あの、わたくし………………」
「ん~?」
「陛下とは初めて対面でお会い致しましたの」
「うん」
「多数の魔物を倒し、この国の元国王を倒し、玉座を奪い取った方だと聞いていたので、それは恐ろしい方なのだと思っておりましたの」
「ヘ~」
他国からだとそう見えるのかね?
「ですからこの国に来た時のご挨拶でも、ずっとうつ向いてしまっていて、先程初めて、正面から拝見して…………………」
ポポポポと顔が赤くなっていく様は、とても可愛らしい。
「ですが、わたくしは今まで、他の令嬢の様に積極的に関わろうとはしませんでしたのに、このような機会を作って頂いてもよろしいのかしら?」
「いんじゃない?決めりゅのはハインだし、レニーちゃん良い子だし」
「そうですよね、お決めになるのはアールスハイン陛下ですものね」
何故かシュンとしてしまったレニー嬢。
弾まない会話をポツポツしてたら、やっと包囲網を抜け出したアールスハインが部屋に来た。
そしてやっぱり見つめ合って固まる二人。
はいはい、おっちゃんは邪魔しませんよ!こっそり部屋を出ようとしたら、気配に気付いたアールスハインに捕獲されました。
互いに向き合ってポツポツと話が始まる。
それでなんと!レニー嬢はミルリング国の末姫様だったよ!
ぎこちない会話を続ける二人。
取り敢えずもう少しお互いの事を理解するために、お付き合いをすることに。
微笑ましい二人をニヤニヤ眺めてる俺でした。
アールスハインのお相手登場。
皆様の予想通りレニーちゃんです!
レニーちゃんには今のところ武力はありません!
今後は分からないけどもw




