自分に出来る事と出来ないこと
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新国王が就任してパーティーが終わり、一ヶ月がたった。
本日は新たにこの国に移住してきた者の中から特に優秀な者に爵位が授与される式典の日。
その中には学園の同級生や先輩なんかもいて、皆精力的に働いてくれてる。
リュグナトフ国には既に優秀な人材が余る程いるので、優秀だけど出世は見込めない人達が結構居た。
そんな文官や騎士達が、王様や宰相さんの紹介状付きでこちらに移住してきたので、この半年ほど、最低限の給料で様子見をしていた。
推薦されるくらい優秀な人達は、文句なく仕事も真面目で、新天地での仕事をとても楽しんでいるように見えた。
アールスハインとの相性も良いようで、活発な意見の交換もしょっちゅう。たまに言い合いになって、元ササナスラの文官に驚かれてる。
そんな人達に、今までは王領地として王族が治めてた土地を爵位と共に授与する事が決まった。
元ササナスラの大臣で、あまりに使えない奴は大臣を罷免する事にもなったし。
魔法局の局長は怪しい男ジャンディスになったんだけど、その魔法局には押し掛け局員になったチチャール先生まで居るし。
魔道具好きが過ぎて、学園の教師を辞めて何度試験に落ちても受け直し、念願のリュグナトフ国の魔法庁に勤められるようになったのに、この国でアールスハインが王様になった事を聞き付けて押し掛けてきた。
そしてジャンディスに直談判して局員として認められ、嬉々として魔道具いじりをしているそうな。
今回の爵位授与にはジャンディスも入ってる。
魔法局のトップが爵位無しだと格好つかないしね。
領地は本人が辞退しました。
面倒だからいらないそうです。
そしてサプライズ人事として、実は元ササナスラ王国王太子の隠し子で、本物の王子と入れ替えられていたことが判明して、国外追放になったが、奇跡的に無事だった偽王子を、ミルリング国から呼び寄せて、大臣の一人として任命する事に。
この人実は凄い人だった。
生まれは王太子と公爵夫人の不倫関係からだけど、父親が同じだからか、王太子と正妃の子供と幼い頃は双子のようにそっくりだったらしく、密かに入れ替えられてたことに誰にも、母親である正妃にさえも気付かれなかった。
そして本来王族につけられる強力な服従の命令が付与された魔道具ではなく、公爵家用の魔道具をつけられていた偽王子は、父親である王族の魔力の多さを引き継いだのか、王族の中でも国王に次ぐ特出した魔力の持ち主だった事から、魔道具をつけられていても自我を保ち国王の企みを探り、何とか阻止しようと動いていたらしい。
ただその前に王太子と公爵夫人の不倫がバレて、王子入れ替えもバレてしまって国外追放になっちゃったけど。
偽王子が国外追放になったお陰で、事前に元国王の企みを知れたので、その功績を称えて、大臣に大抜擢される事に。
元国王に洗脳されてない、国内の事に精通してる人が身近に居ればアールスハインも助かるしね。
就任式から一ヶ月しかたってないので、地方貴族もまだまだ王都に留まっているものが大半。
その人達も参加しての任命式は、一人任命される度に会場がどよめき、偽王子が大臣として任命された時には、元ササナスラの貴族達は唖然としてた。
それでも反対意見を言えるだけの気概のある貴族はおらず、すんなりと任命式は終了して、顔合わせと言うか、任命された人の御披露目的な立食式の昼食会では、偽王子が遠巻きに見られて苦笑してた。
偽王子の名前は、ドミニオール・センベスレン・デュ・ササナスラって言うんだけど、今回国外追放からこの新たな国に来たって事で、ドミニオール・センベスレンって名前に改名した。
新しく任命された領地持ちになった新貴族は、地図でしか見たことのない近隣領地の貴族を見付けては積極的に声を掛けてる。
ドミニオールは大臣に任命されたけど、不倫の責任を取らされて没落しかけてる公爵家に籍を置くそうなので、微妙な顔と距離で公爵と話してる。
公爵家の息子として育てられた本物の王子は、不倫が公になった事で王族と認められ、王城で暮らしてたんだけど、公爵夫人によって長年虐げられて心を病んでしまっていたので、今は療養の為と無駄に担ぎ出されない為に、リュグナトフ国の療養所に入れられている。
元気になったら教会で働く事も決まってる。
育ての親である公爵も、ドミニオールに引き継ぎを終えたら、リュグナトフ国に移り住む予定なんだとか。
妻の不倫にも息子が虐げられていた事にも気付かなかった事を深く反省してるそうです。
公爵家にいた他の子供は父親と共にリュグナトフ国に移住するそうです。なので実質公爵家の血は途絶えてしまうけど、国も新しくなる事だし、その辺の拘りはないそうです。
ドミニオールも出来るだけの支度金は用意したいって。
新体制になった国は、まあとても忙しそうで、皆が常にバタバタしてる。
そんな中、俺は暇をもて余してる。
最近は元国王の部屋に籠って、魔道具を弄ったり地図を見たり、読書したり。
それで分かったことは、本当にこの国の元国王は、世界征服を狙ってたんだろう事が窺える。
リュグナトフ国とは反対側の、元ササナスラ王国に接する沢山ある小国は輸出入を管理して従わせ、隣のミルリング国は魔道具を使って魔物を操り、国力を弱らせようと何度も試してた形跡があり、なんと学園時代の巨大ドラゴンのリュグナトフ国王都襲撃も、元ササナスラ国王の仕業だった事が判明。
元女神のせいだと思ってたけど、元ササナスラ国王って元女神に操られてたのかな?
その集大成としてダンジョンを支配して、リュグナトフにスタンピードを差し向けた。
同時に不老不死の研究もしてて、人魚族の血やカッパ族の子玉、世界樹の実や精霊草と言う魔力が物凄く含まれてる薬草とか、聖獣の体の一部と思われるもの、不老と思われてる魔物の素材とかがワラワラ出てきた。
不老不死を研究してたマッドな研究者の本とかも沢山あった。
でもそのどれもがとても胡散臭い。
聖獣の体の一部と思われるものは、妖獣の体の一部っぽいし、世界樹の実は別物っぽいし、精霊草は魔力抜けてるし。
これじゃ、もし万が一書物に書いてある方法が本当だとしても、成功はしないだろうね?
あと魔道具も沢山。
ほぼ呪われてるけど。
本来は人に好意を持たれやすくなる魔道具が、呪われて、魔物に好かれる魔道具になってるし、遠くを見る望遠鏡的な魔道具が呪われて、嫌いな人の行動を監視する魔道具になってるし。
空気中の魔力を集めて、一発だけ衝撃波を撃てる魔道具が呪われて、対象者から魔力を奪い弱らせる魔道具になってるし。
そんな魔道具がワラワラ出てくる。
魔石も大量に貯めてあるし、下手に触ると暴走しそう。
チチャール先生はこの部屋には入室禁止を言い渡されてる。
魔道具大好きチチャール先生は、悪気なく弄り倒し暴発させる恐れがあるからね。
古代魔道具は大概呪いのせいで、相手に害をなす仕様に改造されてる。
アールスハインが子供の頃から呪われてたのも、こう言った魔道具のせいだろう。
片っ端から呪いを解呪してるけど、数が多すぎてきりがない!
魔道具の呪いを解いて解いて解いて、元国王の部屋だけでなく宝物庫の魔道具の呪いも解いて解いて解いて、たまに子供達と遊んで、散歩して料理してとダラダラ過ごしていたら一年が過ぎた。
元国王の企みに使われた地下空間の巨大装置のような魔道具は、その機能を調べつくされ、空間を浄化され機能停止した上で封印された。
国は安定とは言えないけれど、だいぶ浮わついた雰囲気はおさまって、アールスハインも駆け回る頻度が減ってきた。
街の復興はゆっくりとだが確実に進み、Sランク冒険者が国王になったと噂が流れると、ダンジョンの街には冒険者が多く集まるようになった。
冒険者ギルドは独立した組織だけど、ササナスラ王国だった時は相当な圧力をかけられて、他の人がダンジョンからドロップした魔道具を買う前に、国が有用な魔道具を優先的に安価で買い取ってしまっていたので、あまり人気は出なかった。
それが運営が正常に戻り、有料だけど魔法局で改良をして貰える事になると、途端に魔道具を求めて冒険者が殺到しだした。
ダンジョン街の復興は、他の街よりも随分と早く進んだ。
暇を持て余した俺は、沢山あった書籍の中から信用出来そうな書籍を幾つか選び、あり余る素材を使って出来た薬は、不老不死薬ではなく、大量の万能薬だった。
なぜこうなったのかはわからない。
アールスハインに見せたら呆れた顔で頭を撫でられた。
リュグナトフ国とこの国の魔法庁と魔法局で研究される事になった。
大量に出来てしまったので、皆にも配ったら苦笑と共に褒められた。
300話越えてましたねそう言えば!
おめでとうのお言葉をありがとうございます!
暑さのせいで脳が湯だっているのか、思考停止しっぱなしです。
記念を何も思いつけな低たらく。
それもこれも暑さのせい!
すいません。続きを書くのと見直しでギリギリです。
感謝の気持ちは満々なんですよぅ!




