戦争?
誤字報告、感想をありがとうございます!
俺がいたたまれずに目を逸らしてたら、皆が戦い始めてた。
聖獣である俺がサクッと倒しちゃうと、今後の国の在り方に色々問題が出てきそうなので、皆にバリア張って、怪我人が出たら治癒魔法玉を投げるだけにしてる。
ペット達もその辺の空気は読めるので、俺の側で待機してくれてる。
やっぱりSランク冒険者として活動してきたアールスハイン達は動きが違うね!
視野が広くて状況判断も早いし、動きに無駄がない。速いし。
次に動きが良いのは当然のように将軍。
力技なところはあるけど、他の騎士との連携も考えられてて、かなりの数の触手を切り飛ばしてる。
そしてデュランさん。
以前あげたマジックバッグから次々に暗器と呼ばれる投げる武器を出しては、老人目掛けて投げている。
その悉くが眉間を狙ってるね!
王様の斜め前の位置をキープして、王様のサポートも完璧にこなしながらの戦闘。強いね!格好いいね!
テイルスミヤ長官とユーグラムは、少し離れた位置から魔法を撃ってる。
二人とも他の人のサポートに回ってて、倒すと言うより動きを阻害してる感じ。
何本もの触手が凍らされてたり、雷受けて痺れてたりしてる。
無数の触手に守られた本体の老人は、ニヤニヤニヤニヤいやらしい笑い方で皆を見ながら、魔物っぽい肉を生でムシャムシャ食ってる。
魔物からでも魔力って吸収出来るんだろうか?
死体にも魔力は残ってるのは知ってるけど、普通の人間なら腹壊すのにね?もう人間やめちゃってるから平気なのかな?
触手の数は切っても切っても全然減らない。
肉食って魔力を補給してるからか、肉色の触手も増えてて余計キモい!
もう一回バリア張ろうかな?
そろそろ手を出しても怒られないかな?
俺がもぞもぞしだしたら、いち早くルクスちゃんが飛び出してって、触手に軌道を変えられて、老人の腹にズボッとしました!緑色の血が流れてもがき苦しんでました。
ルクスちゃんが物凄く臭くなって帰ってきました!オエッてなる臭さです!消臭液を出したら飛び込んでた。
他のペット達も参戦して、触手がどんどん減っていく。
ラニアンの魔法は聖魔法を含んだ風魔法らしく、スパスパ切れてる!
鼻のきくペット達には匂いがキツイらしく、プラムでさえナイフ持って戦ってる。
素手では戦いたくないのね!
ソラも魔法使ってるし、ハクは触手から酸の玉を飛ばしてる。
聖魔法を主食にしてる我がペット達の魔法は、予想外にきいてるようで、触手もあと数えられる本数になった。
俺は皆が切り飛ばした触手に消臭液をかけてる。
だって切り口が臭いんだよ!消臭液かけると少しはましになるからね。
消臭液をかけられるとジョワジョワいいながら縮んで干からびるし。
そう言えばこの消臭液って、ペット達が水浴びしてたヤツだ。
聖魔法溶けてる消臭液だったね。
ついでに壁と天井も臭かったので消臭液をかけてる。
そしたら溶けた汚れの下からなんか模様が出てきた。
元々の壁の模様ではなく、細い触手も込みで模様として書かれてるので、テイルスミヤ長官を呼んでみた。
「ケータ様、これは魔道具に繋がる回路かもしれません!」
「かいろ~?」
「おそらくこの空間全体が魔力を集めるための装置なのでしょう。そして集められた魔力は、ササナスラ国王の元へ送られる仕組みなのでしょう。我々はこれを破壊しようと思います!ケータ様は引き続き壁や天井の浄化をお願いします!」
「は~い」
浄化のつもりはなかったんだけどね。
触手はだいぶ減ってきたけど、イングリード並に筋肉マシマシな老人はへこたれてない。
まだまだやる気満々のギラギラの目をしてる。
まだなんか企んでそう?
ところでさっきルクスちゃんが空けた腹の風穴から、妙に甲高い音が聞こえるのは俺の気のせいかな?
「クソックソックソッ!こんのくそジジィーーーーー!許さないんだから!許さないんだからね!こうなったらこの体乗っ取ってやるんだからーーーーー!!」
うん、気のせいじゃなかった!足からバリバリ踊り食いされたウトマリ、生きてた模様。
え?どうやって?!キモッ!!
老人の腹から顔が出てるよ?!キモッ!!
ウトマリが叫んだと同時に、触手がみるみる縮んでって、腹の周りに毒々しい模様が表れてきて。
腹に出てたウトマリの顔が、どんどん盛り上がってきて、手が生えてきた!手から腕、肩、上半身が出たところで止まり、老人の顔を見上げてニヤリと凶悪な顔で笑うウトマリ。
何度も言うけど、キモイんですけどーーーーーー!!
老人もウトマリの動きに唖然としてる。
ああ、うん。予想外だったのね。
ウトマリと老人は、その体の中で主導権争いをしているのか、触手もなくなり動かなくなった。
ただ、元々肌表面がブクブク泡立っていたのが、体内に触手が蠢いているようにボコボコしだした。
だんだん肌も黒ずんでいくし。
「ぼーっとすんな!今のうちに畳み掛けろ!」
将軍の声に皆もハッと正気付き一斉に老人に向かっていく。
しかし肉体強化して魔法剣で切っても、レイピアと言う鋭い剣で突いても、魔法を撃ち込んでも、老人の体には掠り傷くらいしか出来ない。
辛うじて残ってた触手で攻撃をいなそうとしても切られてるのに、老人本体にはほんの掠り傷。
あの体は何で出来てるんだろうね?
ドラゴンの鱗だって切れた魔法剣でも掠り傷って。
副将軍が試しに聖魔法の溶けた水を剣にかけて切ってみたら、ちょっとだけ傷が深くなった。
でもまだ掠り傷と言っていい範囲。
ユーグラムの魔法も聖魔法をドリルのように傷に捩じ込もうとしてるけど、一定以上は防がれてる。
攻撃の手は緩めないけど、致命傷には至らない。
老人はウトマリとの主導権争いに気を取られてる様子なのに。
う~~んどうしたもんかと一旦攻撃の手を止める皆。
そんな様子を横目に、俺とテイルスミヤ長官と魔法庁職員の魔法使い達は、手分けして壁や天井の消臭と言う名の浄化をしていた。
もう空間の半分近い場所を消臭し終えて、段々と全貌が見えてきた。
所々に呪いの魔石が中継地点のように嵌め込まれ、集められた魔力を一時貯めて、必要に応じて老人の方に流されていく仕組みらしい。
テイルスミヤ長官が魔石をほじくり出して凝視してはブツブツ言ってる。
魔石をほじくり出された後、それに続く回路と呼ばれる模様のような線は、色をなくし細い触手も途端に干からびてる。
試しにもう一度魔石を埋め込んでみても復活はしない。
なので魔石の分析は後にして、見つけた魔石を兎に角ほじくり出すことに専念。
ただほじくるだけなら誰でも出来るので、魔法使いの護衛をしてた騎士にも手伝ってもらって一気に大量に魔石をほじくり出した。
「ヌグオオオオオオオオオ!!」
複数人で一度に魔石をほじってたので、一気に集めてた魔力が減ったのか、老人への攻撃が段々ときいてきた。
俺達も魔石をほじる手を速めて、アールスハイン達の攻撃も激しくなってった。
同時に行ったのが功を奏したのか、どんどんと負傷範囲が大きくなる老人。
腹から生えてるウトマリも苦痛を感じてはいるようだけど、老人が苦しむ姿は愉快に感じるらしく、ヘラヘラと笑ってる様子は不気味で気持ち悪い。
痛みになのか怒りになのか、ウトマリを放置してアールスハイン達に攻撃してくる老人。
この時とばかりにウトマリも体の主導権を取ろうと動いてるようで、既に下半身は真っ黒く変色してきて、不意に空を蹴りあげたり踊るようにバタついたりしてる。
でもそれでも主導権はなかなか奪えないらしく、ウトマリの顔が悔しげに歪んでる。
老人は自分の指を触手のように伸ばし、反撃したり攻撃をしのいだりしてる。
何なんだろうねこの生き物?どんどん不気味で気持ち悪くなってくんだけど。
テイルスミ"ヤ"の訂正、とても助かります!ありがとうございます!
自分でも見付け次第訂正してるんですけど、どこまで間違っているのか、本当にごめんなさい!ありがとうございます!




