ササナスラ国王 (グロ注意)
誤字報告、感想をありがとうございます!
相変わらずお返事も出来ていませんが、頂いたご意見ご感想は大変ありがたく参考にさせて頂いております。
聖魔法の溶けた消臭液のお陰で、靄が薄くなって老人の顔がうっすら見えるようになった。
ああそうだ。持ってたものを返さないと!
マジックバッグからダンジョンで引っこ抜いたウニョウニョを出してバリアを解く。
シュンッと目にも止まらぬ早さで飛んでった呪いのウニョウニョは、ビターーーーンと老人の顔にぶち当たり、その顔に溶けてった。
顔表面を泳ぐように蠢くウニョウニョ。
老人の凶悪さが増したね!凄く痛そうに苦しんでるけど。
「ケータ殿」
副将軍に呆れた声をかけられた。
「おとち物返しただけよ?」
「ククク、そうだな」
王様が笑いながら撫でてきた。
「ありゃ~もう人間じゃね~だろう?普通に討伐しても誰が文句言えるよ?」
「そうなのですが、一応未だ国王を名乗っておりますので………」
副将軍が言葉を濁す。
「この国の奴等は何処行った?」
「我々が謁見の間に入った時には数人の王族がおりましたが、何処に行ったのかは」
「そんな簡単に穴に落ちたのか?」
「城に入った時点から何重にも魔法が掛けられていたようで、謁見の間に着いた時には多少混乱していたようです。申し訳ありません」
「用心しててもかかっちまったもんは仕方ね~だろ。誰も死んでね~し気にすんな!」
将軍さんは副将軍さんの肩をバンバン叩いてガハハと笑う。
何とも呑気な空気だが、呪い返しの苦痛に耐えたササナスラの老人は、しゃがれてひび割れた声で、
「おのれ!おのれ!我が覇道を邪魔するものよ!食らいつくしてくれる!」
とか何とか言って、こちらには聞こえない声でブツブツ言い出した。
老人の体から触手のような靄が空間中に広がりブワッと老人の魔力が満ちると、急激に魔力が減っていく。
ん?
「ま~りょく、吸われてんね?」
「馬鹿な?!人間にそのような事が出来る訳が?!」
テイルスミヤ長官が驚いたように声をあげた。
何時から居たの?何時ものように長いローブ姿ではなく、動きやすそうな軽鎧姿だったもんで全然気付かなかった!
そう言えばその隣にデュランさんも居るね?こっちも軽鎧姿。
執事服姿しか見たこと無いから騎士かと思った!
まあそれはさておき、
「人間が魔力を吸う魔法はないのか?」
王様の冷静な質問に、
「ありません。自らの意思で魔力を吸う事が可能なのは精霊と聖獣だけです。もし新たに魔法として開発したのなら、それには相当な下準備と材料と魔道具が必要でしょう。ですがそれで魔法がなったとしても、最早それは人間とは言えません」
「レイスやリッチ等の魔物は?」
将軍さんの質問に、
「レイスやリッチが吸い込むのは生命力であって魔力ではありません」
とか言ってる間も魔力がどんどん吸われてる。
全員を覆う大きなバリアを張ってるので全然問題無いけど、バリアの端の方はチリチリ魔力を吸われてんね?
「う~ん、なりゃ、ま~りょく全開で吸わせてみりゅ?」
「それはどう言う事ですか?」
「ケータとあの爺、どっちがま~りょく多いか、くらべてみりゅ?」
「それ完全にお前が勝つやつじゃん!」
「うん。負けないとおも~」
「フフ、確かにケータ様なら負けないでしょうね?ですがああ言ったやからは、敵わないと悟った途端自爆等の自棄を起こすのが常なので、この地下の空間ではお薦め出来ませんね?」
お約束ってヤツね。
「あー。そしたら、バリアに閉じ込めて、せーまほーでガボガボすりゅ?」
「奴が何者かは知りませんが、明らかに魔のものに落ちているようなので、それが一番苦しめられるでしょうね?ただし相当魔力を持っていかれますよ?」
「へ~きよ~」
何せ巨大ドラゴン爺ちゃんの魔力全部吸い込んで、まだまだ全然余ってるからね!
では早速!
老人を囲むようにバリアを張る。
触手が邪魔しようとバリアを阻もうとするけど、聖魔法のバリアなので、触れただけでビチビチとのたうち回る。
それを気にせずバリアで囲い込み閉じ込めて、消臭液を流し込む。
ガボガボしております。
触手と老人本人が凄くガボガボしてる。
でもさらに聖魔法を注ぎ込む。
ジュワジョワッと焼けた鉄板に肉を置いたような音がするけど、臭くないので平気。
魔力が凄い勢いで吸われてるけど、まだまだ全然余裕。
あのドラゴン爺ちゃんの死体から吸い取った魔力より全然少ない。
時間にして一時間くらいかな?
あんまり暇なんで皆とレインボーなわたあめ食ってたら、様子が変わってきた。
触手もろとも暴れてたのが、やっとぐったりとしてきて、老人の体からボタボタと何かが落ちてきた。
ギラギラと装飾過多の玉座に座った、本人の体は服がビリビリに破れ、下半身はまだ靄に覆われてるが、半裸の皮膚表面がブクブク泡立ってるように見える、痩せっぽちの貧相な老人。
なのだけど、心臓の辺りに機械的な何かが埋まってる。
あれが魔道具なんだろうけど、真ん中が赤黒く光っててとても不気味。
老人は小刻みに体を震わせながら、その足元に落ちた、上半身幼女下半身獣な異形の姿のものを鷲掴む。
見覚えがあると思ったら、あれ、元自称大精霊のウトマリじゃない?今は見る影もなく魔物化してるけど。
たぶんコイツを取り込んでたから魔力を吸い込むなんて事が出来てたのだろう。
腐って落ちても元は精霊だったものだからね。
その証拠のように、落ちたウトマリを鷲掴んだ老人が、何を思ったかウトマリにかじりついた!
「いぎゃーーーーーー!痛い痛い痛いーーー!離しなさいよこの老いぼれ!死に損ない!腐れ人間!」
罵詈雑言を吐きながら、老人の顔をバシバシ叩いてる。
老人は気にもせずにかじりついてる。
深緑色の血を流しながらウトマリが激しく抵抗しているが、足の一本を食い千切った老人は、それでもまだウトマリを生きたまま食らおうとしてる。
キモくてグロくておぞましい光景。
思わず食いかけのわたあめを落とした。
未だバリアは張ってるので、老人もウトマリも体のそこここが溶けるように聖魔法が効いているのに、そんなことはお構いなしに、老人はウトマリを食らう事に、ウトマリは老人から逃れることに夢中で自分の状態を把握出来てない。
おぇ~~となりながら呆然と見ていることしか出来ない俺達。
最後は丸のみするようにウトマリの頭を呑み込んだ老人。
将軍の拳大もあるウトマリの頭を丸のみって、あれ絶対顎外れてるのに、何ともない顔で舌舐りしてる老人。
濁って落ち窪んだ目がギラギラしてる。
下半身の溶けかけの触手もウゴウゴしてるし、まだ全然諦めてない様子。
そして触手が玉座の裏を叩くと、壁が壊れて檻が見えた。
その小部屋程もある大きな檻には、煌びやかな衣装を着た人達がぎゅうぎゅう詰めに入れられていて、悲鳴や意味のわからない叫び声や嘆願の声をあげている。
中には、
「父上!お止めください!」
とか言ってる声も聞こえる。
「あれは、ササナスラ王国の王族や高位貴族のようですね」
アールスハインの声に、
「身内集めてどうしようってんだ?」
将軍の疑問の声。
触手が蠢き叫び声をあげている女性の腹にぶっ刺さった?!
ビクンビクンと体を震わせ、見る間に萎れていく女性。
そして女性だけでなく、檻の中の人々に次々と襲いかかる触手。
どう見ても干からびた人々は生きてない。魔力も感じられない。
檻の中の人々から魔力だけでなく、生命力も吸い取ったのか、みるみる若返っていく老人。
シワシワのヨボヨボだったのが、今は将軍並に筋肉質で逞しい体になってる。
禍々しい雰囲気も増して、腕の一振で俺のバリアを弾き飛ばした。
玉座から立ち上がり、両腕を上げて雄叫びを上げる。
「我は王なり!この世界を支配するもの!愚民どもよ我の前に跪け!」
あー、こんな事を前世の弟が言ってた記憶。
秀太は中2で姉二人に心折られて表向きは隠すようになったのに、こんな歳になるまで患ってるなんて、痛々しくて見てられない!
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よろしくお願いいたします!
4巻の読みきりは双子王子、特典SSはアンネローゼです。




