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武器ダンジョン 3

誤字報告、感想をありがとうございます!

 六十五階まで進む間に、キリンとの戦闘にも慣れてきて、サクサクとは言えないけど順調に進み、次の階から変わるだろう魔物の様子を見ようと通路から顔だけだして覗いてみる。

 六十六階には扉が一つだけあって、魔物の姿は見えない。


「ここに来てボス部屋~?」


「そのようですね?」


「って事は、ここが最下層か?」


「もしくはこの下からは段違いに強い魔物が出るか」


 ダンジョンによって違いはあるけど、大体のダンジョンは、段違いに魔物の強さが変わる時や、今までとは性質が変わる場合は、親切にも警告のように何かしらの印なり扉なりがある。


「まあ、何にしても入ってみないことには分かんないよね~」


「警戒を怠ってはいけませんよ!」


「さて、どんな魔物が出るか」


「取り敢えずバリアは強目に掛けとくか」


 お互いに声を掛け合って、警戒しながらも扉を開ける。

 ギギギギギーーーーと嫌な音をさせながら開いた扉の中には、鎧が居た。

 座って足の間に剣を突き立て、微動だにしない鎧。

 フルプレートアーマーと言われる頭の先から足先まで全部を覆っている鎧。

 その鎧からは不思議な事に、黒い靄が出ていない。魔物じゃないの?


「え?これってデュラハン?!」


「これは、手強そうですね」


「初めて見た」


「実際にいるんだな?」


 デュラハンは通称首無し騎士として物語には悪役としてよく登場する魔物で、剣技に優れ強靭で魔法防御の強い魔物として書かれてる事が多い。

 ファンタジーの世界の空想の生き物として書かれてる。

 それが目の前に居ます。

 よ~~~~く見ると、鎧の中で黒い靄が渦巻いてる感じ。

 この前倒したドラゴンよりも黒い靄の密度が濃く見えるのは俺だけ?

 首無し騎士って事なのに、首、てか頭付いてるよね?着脱式?別物?

 見てても倒せる訳もないので、皆も何時もより強いバリアを張って部屋に入る。

 部屋に入って扉から一定の距離離れると、ガションガション音をならしながらデュラハンが立ち上がり、胸の高さで剣を立てて、儀式のように数秒止まる。

 そして構えを取ったらいきなり戦闘開始。

 カンガルーやキリンのようなトリッキーな動きはしないのに、隙がなく速く、力も強い。

 中に人間が入っててもおかしくない大きさなのに、プレッシャーが半端ない。

 まだ戦い始めて数分なのに、皆が凄い汗かいてる。

 助とアールスハインが正面から立ち向かい、ディーグリーは背後や横から鎧の隙間を狙ってる。ユーグラムは常にデュラハンに向かって聖魔法をかけてる。

 聖獣である俺は、実は聖魔法が一番使い勝手が良いんだけど、人間であるユーグラムが使うと格段に弱くなる。

 これは適性の問題ではなく、種族特性なので、仕方ないんだけど、それでも魔物であるデュラハンには聖魔法が一番効くらしく、最初に撃ったどの属性魔法よりも動きを鈍らせてる。

 でもその聖魔法を常にかけるのはキツそう。

 俺?俺はギリギリ、命の危険にさらされるまでは手伝いません。

 若者の成長は多少危険でも見守る派です。

 甥っ子達をプールに連れてった時も、溺れても沈むまでは放置しました。俺も爺ちゃんに川で同じようにされて泳ぎを覚えたし。

 後から妹達には物凄く怒られたけど。


 どうみてもデュラハンの方が強いけど、今のところ戦えているので見守りの態勢。

 たまに酷い怪我を負った時だけ治癒魔法玉を投げるお仕事。

 デュラハンが人形なので、ペット達も見学の姿勢。

 デュラハンはガッションガッション鎧を鳴らすだけで声とかは無いようだけど、たまにコーーホーーと呼吸音のようなのが聞こえる。

 そしてそのコーーホーーが聞こえる度に、無い筈の目が俺を見てる気がする。

 気のせいかな~?と思ったんだけど、何度も何度も視線?を感じるので、気のせいじゃないらしい。あれは挑発だろうか?俺が参戦したら、一発で終わる気がするんですけど?


 微妙に挑発されながらも戦闘は続き、皆も結構な疲労と傷が増えてきた。

 デュラハンは鎧に傷はあるものの、本体?中身?には疲れや剣筋の鈍りも一切見られず、この部屋に入った時と変わらないように見える。

 相変わらず鎧の中の黒い靄の濃度も濃いまま。

 どうしたもんかと眺めてたら、一瞬の気の緩みを突かれたのか、ディーグリーが吹っ飛ばされた!壁に叩き付けられバリアが壊れ、続いて追撃を食らわせようとデュラハンがディーグリーに迫る。

 が、その前に立ち塞がったのは、ソラとラニアン。

 黒豹と大型犬サイズになった二匹は、次々とデュラハンに魔法を浴びせ、ディーグリーから遠ざけてる。

 特にラニアンの風魔法には聖獣特典の聖魔法も混じっているのか、デュラハンが見るからに怯んでいる。

 ソラとラニアンが参戦したからか、ハクとプラムも参戦しだして、ハクに拘束されたデュラハンにハムスタースタイルのプラムがガンガン音が鳴る程の打撃を加えてる。

 鎧の胸の辺りが凹んでますよ!

 よく見たらプラムさん、カンガルーのドロップ品であるメリケンサック装備してるね!いつの間に?!

 武闘派ハムスターって何それ怖い!

 ペット達が参戦したことで、ちょっと余裕の生まれたアールスハイン達が、簡単に自分の手当てをしたり、ディーグリーに駆け寄ったユーグラムが治癒魔法をかけたり。

 そしてまた参戦。

 目に見えて弱っていくデュラハン。

 でも中身は濃いまま。

 これはどうしたもんかな~?と俺も参戦するか迷っていたら、置いてけぼりだったルクスちゃんが、ピョーーー!と雄叫びをあげながらデュラハンに向かって飛んでった!そしてズボッとわずかに空いてた目の部分に突っ込んだ!

 デュラハンの顔がビカッビカッビカッと三度光って、動きが急停止した。

 プラムが凹まして歪んで出来た隙間からルクスちゃんが出てきて、俺の頭の上に戻る。

 ピョピョーーとご機嫌そうに鳴いたと思ったら、コロコロと頭の上から落ちてきて、慌ててキャッチしたら、寝てました。

 外傷は無いので、力使いすぎた?

 皆もその姿を見て呆然としてるし、ペット達も心なしか呆れたような顔をしてる。


 デュラハンのドロップ品は、その脱け殻丸ごとでした。

 新品になってたけどね!

 剣も盾も付いた一式。

 これも売り払う案件だね!デュラハンを実際に見ちゃったら、鎧として装備する気にはならないよね!呪われそうだし!


 デュラハンの居た階層が最深部だったらしく、デュラハンが倒されたあとには、一際大きく豪華な宝箱が現れた。

 開けてみたら、禍々しくて毒々しい剣が入ってた。

 これで何本目の禍々しい剣だろうか?途中で開けた宝箱にも入ってたから、六本?七本かな?一本は浄化しちゃったからただの豪華な宝剣だけど!


 最深階層を攻略したのに、このダンジョンには転移部屋がなかった!

 また歩いて戻るのはダルいので、ボードに乗ってバリア全開で飛んで上階を目指しました。

 十日かかった道のりを、二日で飛んで抜けました!

 十階辺りから多くなる冒険者達もスルーして、そのまま入り口を通過、飛んだまま街を出て、人気のないところまで飛びっぱなし。

 一番魔力の少ない助が飛べなくなるまで街から離れて、あとは空飛ぶ幌馬車で移動。

 たまに見付かって矢を射られたりしたけど、そんなものは通じません!

 砂漠のど真ん中で何度か休憩しながら、ダンジョンで出たドロップ品やら宝箱から出た物を整理して、売る物と売らない物、売れない物と売っちゃダメな物を選別して、本日は終了。

 と思ったら、今後のことの話し合いになった。

 西側はだいたい廻ったし、東側は世紀末ヒャッハーになる前に一通り廻ったし、このまま幌馬車で海を越えるのも良いけど、どうせなら修行がてら陸路で南大陸に戻ってみる?って話になった。

 魔の森を突っ切るって、どれだけ鍛えたいのか?ルクスちゃんに美味しいところ奪われたのが悔しかったのか?

 と思いながらも特に意見は無いので、皆の好きなようにさせた。

 それよりも眠かったし!


感想を頂きました。

ダ女神の処遇が裁判も無く私刑って残酷過ぎないか?とご指摘頂きました。

長年信奉してきた女神の正体が、自分の趣味の為に世界を危機に陥らせ、人間を弄んできたダ女神だった事を公表するわけにはいかないので、秘密裏に処したんですけど、ダ女神に同情して下さる方がいるとは思ってもみなかったのでビックリしました。

貴重なご意見をありがとうございました。

でも結末はこのまま変わりません。

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4巻の発売日は6月9日で、公式ページは以下になります。 https://books.tugikuru.jp/202306-21551/ よろしくお願いいたします!
― 新着の感想 ―
そういえばデュラハンって首を抱えているのもいたよなぁ
コーーホーー、ウ〇ーズマン?(;^ω^)
[気になる点] ケータの泳ぎのエピソードは本人は何も考えていないかもしれませんが、普通に虐待ではないでしょうか。現実問題、川がどんなに緩やかな流れだったとしても溺れている沈みかけている人を救助するのは…
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